つぼ焼きだけじゃない!【サザエ】完全ガイド。下ごしらえ&お家レシピ4選+貝殻でクエン酸実験も

屋外でバーベキューをするなら、悩まずとも「つぼ焼き」の一択で問題ありません。ですが、サザエは比較的旬にとらわれない海産物であり、年間を通して手に入ります。そんなサザエをお家のキッチンで調理するなら、どんな調理法が考えられるでしょうか。一緒に考えていきましょう。

サザエの食べ方、あれこれ

ご家庭の食卓でのサザエとは、どんな取り入れ方をされているのでしょうか。つぼ焼き以外のメニューを参考にしながら、独特の旨味を生かす調理例を探していきましょう。

刺身

つぼ焼きに次ぐ、一般的な食べ方といえばお刺身です。身の取り出し方、サザエの可食部がわかっていれば、あとは切るだけ。これが一番ぜいたくで、おいしい食べ方かもしれませんね。

サザエの煮物

サザエの身を取り出す作業は、初めて体験するとおっかなびっくり。ちょっと手間がかかる工程ですよね。ところが、殻ごとゆでて身を取り出すと、あっけないほど簡単です。

小さくカットして、おしょうゆでいただくのもよいですし、しょうゆ煮、みそ煮、オイル煮など、お好きな味付けで煮物として炊き上げるのも、おすすめ。

サザエ自身が持つ旨味が出て味わい深い煮物になるので、シンプルな味付けで十分です。生のまま保存するより、日持ちが長くなるメリットも見逃せません。

また、ほろ苦い肝をしょうゆで溶いて、「肝しょうゆ」として食べる方法も。食感がクリーミーで、磯の香りを存分に味わえる珍味です。

サザエ貝の基礎知識

レシピをご紹介する前に、サザエについて基礎知識をおさらいしておきましょう。

サザエの栄養

サザエの栄養は、良質な動物性タンパク質が多いことが特徴です。ビタミン、ミネラルのバランスもよく、貝特有の旨味成分コハク酸は、アワビの倍近く含まれています。血糖値の上昇を抑え、肥満の予防につながる栄養素です。

サザエの値段

季節によって味が変化しない特徴を持ちます。夏には需要が増えるため、流通量が増えますが、価格の変動も比較的穏やかです。

日本海側で水揚げされるサザエは小ぶりで、太平洋側のほうが大きい傾向があることから、1キロあたりの数は5個〜20個と、幅があります。

お値段は、1キロで2000円〜3000円といった価格帯で見かけることが多いようです。ただし、豊漁になると、手頃な値段になる場合がありますから、要チェック。

サザエと食中毒

有毒プランクトンの捕食によって、貝自体が毒を蓄積してしまう貝毒は、二枚貝が引き起こす食中毒です。サザエは巻き貝なので貝毒への心配はありません。また、牡蠣の食あたりとして恐れられているノロウイルスも、二枚貝が持つウイルスです。

サザエの場合、気をつけなくてはいけないのは、「腸炎ビブリオ菌」です。塩分のある水、15℃以上の環境で活発に増殖し、口にすると6〜12時間の潜伏期間の後、激しい腹痛を伴う下痢、嘔吐、発熱を引き起こします。耐熱性があるため、加熱では防ぐことができませんが、真水によって死滅する弱点があります。

・調理前に真水(水道水)でよく洗い流す
・短時間でも冷蔵保存(4℃以下)を徹底する
・調理器具の洗浄、手洗いを徹底する
・調理後は早めに食べること

上記を守って、衛生面の心配がないようにお召し上がりください。

サザエを英訳

「サザエ」という日本名は、「ささやかな家」に由来があるそうです。殻を背負って移動していく、かわいらしい姿が目に浮かびます。

英訳では、「turban shell」「horned turban」などになります。「ターバン型の貝」「角のあるターバン」を意味し、頭に巻くターバンからつながった言葉です。あらためて見てみると、巻き貝のくるくる巻く形は、ターバンそのものですね。どちらも親しみがわく名前です。

サザエのレシピ

それでは、いよいよサザエをお家で味わうためのレシピをみていきます。

サザエ 下ごしらえ

活きサザエの下ごしらえについては、こちらの記事でご紹介しています。ご参考にしてください。

新鮮なサザエの保存|殻のむき方と調理、佃煮で長期間楽しむ工程を解説
サザエの特徴 「栄螺」と書いて、「サザエ」と読みますが、語源は「小さな家」を表す単語「ササエ」だそうです。二本足ではうかのように移動して、...

より簡単な、ボイルサザエの下処理をみていきます。

サザエの下ゆで

【1】サザエの貝殻を、たわしなどでゴシゴシ洗ってください。フタが開いたままのものは、破棄します。

【2】貝がとがっているほうを上、フタを下に向け、鍋に入れます。殻がかぶるくらいの水を加え、加熱します。ゆでる目的ではなく、身を取り出すための下ゆでなので、やさしくゆでれば十分です。

下ゆでは、水から始めることがポイントです。

【3】沸騰後1分ほどしたら火を止め、5分程度そのまま放置します。

身をはずす

【1】ゆでたサザエを氷水に取り、冷ましてください。

【2】フタを下に向け、軽く降れば中身が出てきます。出ない場合は、小さめのフォークを身に刺しこみ、やさしく引っ張ると簡単に抜くことができます。

掃除とカット

赤字のハカマと、ワタ先を丁寧に残してください。

【1】ひらひらとしたハカマから下の、柔らかいワタを切り落とします。ハカマは苦味がありますが、食べられます。残された、弾力のある身が可食部分です。白い貝柱も食べられます。半分に切り、オレンジ色の口を取り除きます。

【2】塩水でもみ洗いし、水気を拭き取り、2cm角に切ります。

【3】先程切り落とした肝の先端、クルリと巻いているワタ先は食べられます。ただし、木の年輪模様の部分は砂袋なので、切り落としてください。

ここまでが下処理です。あとは、アヒージョ、炊き込みご飯、かき揚げなど、お好きな調理法を選んでお召し上がりください。

バターしょうゆ焼き

バターで焼けば、簡単なソテーに仕上がります。

・材料

ボイルしてむいたサザエ 5個分
バター(加塩) 5g
にんにく 1片
しょうゆ 少々
塩こしょう お好みで

・作り方

【1】フライパンにバターを熱して、みじん切りにしたにんにくをいため、香りがたってきたらサザエを加えます。ボイル済みなので、サッと温める程度です。

【2】フライパンの縁からしょうゆをサッとまわしかけ、火を止めます。お好みで塩こしょうを振ってください。

肝ペースト

肝ペーストがあれば、そのままおつまみにもなりますし、パスタソースにしても滋味深い味わいた愉しめます。お子さん向けの味ではありませんが、小さな頃から触れることも大切な食体験かもしれませんね。

・材料

ボイルサザエのワタ先 5個分
酒 小さじ2
水 大さじ1
オリーブオイル 大さじ1
岩塩 少々
パセリみじん切り 小さじ1

・作り方

【1】ワタ先を小鍋に入れ、酒、水と一緒に加熱します。

【2】プリッとしたら、汁と共に裏ごしします。他の材料を混ぜ合わせれば出来上がりです。

【おまけ実験】サザエの貝殻磨き

酸性の液体にサザエの貝殻を浸けておくと、表面が溶けて真珠層が出てくるのをご存じでしょうか。お子さんの観察実験、工作にも利用できますよ。クエン酸を使えば安全性が高く、安価です。安心して実験してください。

・材料

食べたあとの、サザエの貝殻 1〜2個
クエン酸

たわし、古い歯ブラシなど
ビニール手袋
タッパー、牛乳パックなどの容器

・注意

酸性液は、鉄製の素材にサビを発生させ、大理石は艶をなくしてしまいます。注意してください。また、手荒れの防止に、ビニール手袋を使用してください。

ガラス容器はサザエのとがったトゲで割れる心配がありますから、透明プラスチックのタッパーなどをお使いください。

・手順

【1】200ccの水に、小さじ4杯のクエン酸を溶かします。(お掃除に使用するクエン酸量に対し、4倍の濃度です。手荒れには注意が必要です。)

【2】用意した容器にサザエを入れてください。殻が浸るまで【1】の分量で作ったクエン酸水を加えます。シュワシュワと泡が発生します。

写真ではガラスを使用していますが、お子さんが行う場合、プラスチックをおすすめします。

【3】このまま3時間ほど放置します。

【4】クエン酸液は中和され、泡の発生が穏やかになっています。一旦、殻を引き上げて、たわしなどでこすり洗いをしてください。

【5】もう一度、【1】の分量のクエン酸水を作り、浸けます。今度は、貝の穴を上に向けて、浮かして放置します。内側に液が入ると穴が開くかもしれません。外側だけを、液に浸し、溶かします。

液の色が変わったり、泡の発生が少なくなったり、観察ポイントが豊富です。

【6】1時間ほどで引き上げ、たわしや歯ブラシを使って磨きます。様子をみながら、きれいになるまで続けてください。

慣れたら簡単にさばけるサザエ

生のまま身を取り出すのは、ちょっとコツがいりますが、ボイルしたサザエは簡単です。可食部の判別も繰り返すうちに覚えます。スーパーなどで見かけたときは、恐れずに買ってみてください。案外気軽に、サザエのおいしさを食卓に取り入れることができます。

貝殻を使うと、クエン酸水によって炭酸カルシウムが溶けていく様子を観察できます。食べたあとの殻までたっぷりと楽しんでください。

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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)

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