新鮮なサザエの保存|殻のむき方と調理、佃煮で長期間楽しむ工程を解説

特徴的なトゲトゲの殻をもつサザエは、磯の香りとコリコリとした食感が魅力の巻き貝です。豊漁の時は、驚くほど安い価格で新鮮なものが手に入りますから、ぜひ手に入れて味わってください。保存の方法を詳しくご紹介します。

サザエの特徴

「栄螺」と書いて、「サザエ」と読みますが、語源は「小さな家」を表す単語「ササエ」だそうです。二本足ではうかのように移動して、一夜で24mも移動することがあります。

春から初夏が旬

産卵期の夏は禁漁となり、春から初夏にかけて旬の季節です。ひな祭りのお供物には欠かせない地域もあります。地面に大きな渦を描き、その中にサザエの蓋を投げ入れて遊ぶ伝統遊びもあるそうです。島国に住む私達にとって、古来より身近な食材でした。

穏やかな内海で育つサザエには、ツノがほとんどなく「ツノなしサザエ」と呼ばれ、逆に荒波に揉まれて、岩場に踏ん張って育つサザエにはゴツゴツとしたツノが出ています。

殻ごと焼く豪快な調理法

つぼ焼きは、スープまでじっくりと深く味わえる簡単な調理方法です。アウトドアなら、直火でそのまま焼けばよいだけですし、屋内ならオーブンに入れたりフライパンにのせたりしながら、殻ごと焼くだけでおいしく食べられます。

お酒としょうゆを少量入れて、グツグツしてきたら食べ頃です。

 

テフロンの鍋は空炊きができません。鉄鍋などに並べて焼けば、コンロが汚れません。

 

もちろん刺し身もおいしいし、かき揚げや炒めものにしても楽しめます。煮物なら大根と一緒に煮ると、サザエの身が柔らかくなります。

サザエの砂抜き

サザエの砂抜きは難しく、ご家庭ではなかなか取り切れないものです。お店で購入するサザエは砂抜きが済んでいることが多いので、購入の際に確認してください。場合によっては必要なこともあるので、手順を確認します。

塩水は3.5%前後に

塩水の目安は、200ccの真水に小さじ1の粗塩ですが、アサリとは異なり、サザエは殻が完全に浸かる水の量が必要です。ですから、1リットルの真水に35g前後の粗塩を加えて溶かします。

砂抜きには数日間

一晩塩水に浸ければ砂を吐くアサリとは違い、サザエの場合は2〜3日かかります。冷蔵庫に入れてしまうと活性が下がり、砂を吐かなくなってしまうので、常温で置きます。海のお近くなら、網に入れて海中に数日吊るしておく、という方法がとられるそうですよ。

夜行性のサザエは、夜の間に動き回るため、カゴなどで蓋をしておくそうです。かわいらしいですが、ご注意を。

砂が溜まりやすい部位「砂袋」

サザエには「砂袋」と呼ばれる、木の年輪のような模様がついた部位があります。ここを取れば、砂抜きが必要なくなるため、取り除いて食べることも多いです。

木の年輪模様が目印です。

活サザエの保存方法

触覚を出して動き回るサザエは、鮮度の良いサザエです。できるだけ早く食べるのが理想ですが、調理するまではどんな点に気をつけるのか、確認します。

冷蔵は寒すぎる

サザエにとって冷蔵庫は寒すぎるので、よくありません。野菜室に入れるか、または氷で保冷しながら涼しい場所に保管するのがベストです。

プランクトンを食べている二枚貝とは違い、サザエの餌は海藻です。ですから、貝毒の発生はありませんが、痛みやすい食材に変わりありません。もしも嫌な臭いがするものがあれば、残念ですが破棄が鉄則です。生き物なので、死んでしまうと蓋が緩まり、強い臭いが出ます。特に肝の部分は危険なので、そうなる前においしくいただきましょう。

保冷の方法

ヒンヤリとした温度を保ちます。

 

発泡スチロールの箱や、保冷箱にサザエを入れます。塩水で濡らした新聞紙で包み、湿度を保ってください。蓋をして、冷蔵庫の野菜室へ入れます。

冷蔵庫でなければ、氷を入れて保存します。暑すぎる場所は避け、できるだけ涼しい場所を探してください。氷がなくなる前に継ぎ足しながら、早めに調理します。

密閉してしまうと、息ができなくなり死んでしまいます。ラップを巻くのは厳禁です。また、浅い容器では、元気なサザエの場合は脱走しますから、気をつけてください。

保存期間

その日か、次の日までにはお召し上がりください。それ以降になるようでしたら、早めに冷凍保存の処理をします。

サザエのむき方

活きたサザエは、たわしを使って殻を洗います。付着しているものや、砂などもきれいに洗い流してください。加熱すると簡単に身を取り出せますが、活きたままの場合の手順をご紹介します。

むき方

必要なのは、食事用ナイフと、手を守る布巾や軍手。

 

【1】サザエの蓋を下に向け、10〜20分ほど置いておくと蓋がゆるみ、むきやすくなります。

【2】しっかりと手で握り、蓋の隙間に洋食ナイフを差し込みます。

殻の奥に向かって差し込み、そのまま身をえぐるように切り取ってください。

 

【3】ナイフを差し込んだまま、穴に沿って手前に回すと、蓋に続く触覚部分が取り出せます。

 

【3】蓋と触覚を切り離してください。触覚と、白い貝柱は取りおき、赤い嘴は取り除きます。ヒダ状の部分にも苦味があるので、きれいに取り除いてください。

この裏に、貝柱があります。指を差し込みますが、気をつけるのは、手の甲。殻に当たってケガをしないように気をつけてください。

 

【4】殻の穴から、裏側に指を差し込むと、簡単に貝柱がはずせます。あとは、殻を逆さまにすれば、中身が取り出せます。

砂抜きをしていない場合は、砂袋の下で切り取ります。口から砂袋の肝に砂があります。写真右上は貝柱のスライスです。

 

苦味を感じずに食べられるのは、触覚、肝の先端、貝柱のみですが、殻と蓋以外は全部食べられます。

簡単にむく方法は

身をはずすのは大変、と感じる方も多いと思います。そんな時は、殻に少量の水を加えてからトースターなどで軽く加熱すると、貝柱がゆるみます。生よりも楽にむくことができますよ。

また、お酒を少量入れて20分ほどするとサザエが酔っ払ってゆるむそうなので、試してみてください。

生食の保存期限

むいた後は、刺し身なら2〜3時間以内にはお召し上がりください。

サザエの冷凍保存と食べ方

冷凍する際の手順を確認します。

殻のまま冷凍

新鮮なものなら、殻のままフリーザーバックに入れて冷凍することができます。

殻のまま冷凍した場合は、そのままつぼ焼きの要領で酒蒸しなどに。直接加熱をしていただきます。

スライスして冷凍

可食部分だけを冷凍する場合は、食べやすい大きさにスライスして、ラップで包み、さらにフリーザーバックに入れて冷凍してください。金属のトレイにのせると急冷できます。

食べる時は、冷凍のまま炒めたり煮込んだり、加熱調理にしてください。

保存期間

3週間程の期限です。できるだけ早めにお召し上がりください。

サザエを佃煮にする

サザエを煮物にする方法は、保存性も高く、冷凍するよりも味が落ちません。

サザエの生姜煮

◆材料

サザエの身 12個分
生姜の千切り 1片分

【A】
酒 100cc
砂糖 大さじ3
しょうゆ 大さじ3

◆作り方

【1】サザエの身を取り出し、肝と身を分け、食べやすい大きさに切ります。
【2】鍋に【A】の調味料を入れて煮立て、【1】と生姜の千切りを加えます。
【3】再度煮立ったら、火を止めてフタをし、そのまま粗熱がとれるまで冷まします。

長く煮ると固くなるので、サッと加熱した後に余熱で火を通します。

保存期間

冷蔵庫で1週間を目安に保存できます。

新鮮なまま食べられる保存を

サザエを食べ慣れない方にとっては取り扱いが大変かもしれません。ですが、その味覚を一度でも味わうと、捌く工程や、調理方法なども苦ではなくなるかもしれません。基本的な保存方法だけ押さえれば、海の近くやお取り寄せで手軽に手に入ります。なによりも新鮮なうち食べることを大切にして、気軽に楽しんでください。

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構成・文・写真(一部をのぞく)/もぱ(京都メディアライン)

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