北マケドニアってどんな国?
北マケドニアは、バルカン半島南部にある国で、その前はユーゴスラビア連邦に属していました。東はブルガリア、西はアルバニア、南はギリシャ、北はセルビアとコソボに囲まれた内陸国です。
北マケドニアは、自然豊かで美しい街並みが広がっている国です。これから詳しく見ていきましょう。
北マケドニア基本情報
まずは北マケドニアの基本情報からご紹介します。
国名
北マケドニア共和国
首都
スコピエ
場所
バルカン半島南部に位置する国。東はブルガリア、西はアルバニア、南はギリシャ、北はセルビアとコソボに囲まれた内陸国です。
日本との時差
8時間(日本のほうが8時間進んでいる)
面積
25,713平方km
日本の約15分の1にあたります。日本の総面積は378,000平方kmです。
エリア
北マケドニア共和国は、次の8つの地方に分かれています。
・東部地方
・北東部地方
・ペラゴニア地方
・ポロク地方
・スコピエ地方
・南東部地方
・南西部地方
・ヴァルダル地方
人口
207万人(2021年)
東京都の人口の約7分の1にあたります。東京都の人口は約1400万人(2023年2月時点)。
言語・公用語
マケドニア語、アルバニア語
通貨
マケドニア・デナル
1マケドニア・デナル=2,34円(2023年2月28日時点)
宗教
キリスト教(マケドニア正教)7割、イスラム教3割
歴史
・紀元前4世紀〜紀元前3世紀、マケドニア王国が支配。アレクサンドロス3世(アレキサンダー大王)の時代にはアジアやエジプトまで支配する
・15世紀以降、オスマン帝国の支配下に入る
・1918年、セルビア人・クロアチア人・スロベニア人王国建国
・1945年、マケドニア人民共和国が成立。翌46年より旧ユーゴスラビア連邦を構成する
・1963年、マケドニア社会主義共和国に国名を変更
・1991年、旧ユーゴスラビアから独立し、マケドニア共和国に国名を変更
・2019年2月、北マケドニア共和国に国名を変更
天気・気候
北マケドニアは、地中性気候と高山性気候の中間にあたる気候をもっています。沿岸部の地域は、夏は最高気温が40℃に達するほど暑く、冬は穏やかで比較的過ごしやすいです。一方、山岳地域では、夏は厳しくありませんが、標高の高いところは雪が降りしきる厳しい寒さとなります。
※地中性気候:夏は雨が少なくて気温が高く、冬は雨が多くて湿度の高い気候
※高山性気候:標高が高いほど気温が下がり霧が多くなる。夏が短く冬の寒さが厳しく、1日または1年の気温変化が小さいことが特徴の気候。
北マケドニアの治安・住みやすさ
ヨーロッパに位置する北マケドニアですが、治安や住みやすさは気になるところでしょう。事前に把握し、北マケドニアを堪能できるようにしておきましょう。
治安は比較的良い
外務省から、北マケドニアの西部から北部にかけて「危険レベル1」と公表されています。理由としては、アルバニア系の住民と政府治安部隊との武力衝突が起こる可能性があるためです。また、北マケドニア全体で、子供によるスリや金品ねだり、タクシー利用での高額請求に注意が必要です。
しかし、比較的治安は安定しているため安全度は比較的高めだといえます。武力衝突の可能性がある地域を避け、普段からスリなどに十分注意および対策しておくことで、北マケドニアを存分に楽しめるでしょう。
住みやすさは良い
比較的治安が良いことや、物価の安さ、利便性の高さなどから北マケドニアは住みやすい国といえます。
物価に関して、食料品や日用品だけでなく、宿泊費も安くなっています。具体的には、トマトが1kgあたり約250円、鶏の胸肉100gあたり約120円、レストランで夕食すると約670円といったように、日本を基準にすれば非常に物価が安いです。
また、北マケドニアは小国で利用できる交通機関の種類も多いため、国内の移動に困ることはあまりないでしょう。
北マケドニアの見どころ・観光
ここでは、北マケドニアの見どころや観光スポットをご紹介していきます。
マケドニア広場
首都スコピエにあり、広場の中央付近にアレクサンダー大王像が大々的に建てられています。アレクサンダー大王とは、たった10年間で大帝国を築いたマケドニアの王様「アレクサンドロス3世」のことです。像が建てられるほど偉大な王として称えられているわけです。
像の下は噴水になっており、周辺はレストランなどが立ち並び、国民や観光客に人気のスポットになっています。
マザーテレサ記念館
マザーテレサ記念館は、マケドニア広場の近くにあります。約徒歩5分でアクセス可能です。
アーチ型の出入り口や白や青の色使い、建物のデザインが特徴的で、近くを通るとつい目が向くような建造物になっています。マザーテレサの写真やロザリオ、直筆の本などが展示されています。入場料は無料のため、気軽に訪れてみてください。
オフリド湖
マケドニアとアルバニアの両国にまたがるオフリド湖は、バルカン半島で最も深い湖。約500万年前に形成されたヨーロッパでも有数の古代湖です。
1979年に世界自然遺産に登録されましたが、翌年には湖畔に立つ聖ヨバン・カネヨ教会を始めとするオフリド市街の文化的価値とともに複合遺産となりました。
3世紀末にキリスト教が伝わり、その後スラブ人の宗教文化都市としての歴史があるオフリドの町は教会建築などの文化遺産が多く、風光明媚な景観とあいまって、夏は多くの観光客で賑わいます。
聖ヨハネ カネヨ教会
オフリド湖に面した場所に建てられた教会です。コンパクトながらも長年の歴史の重みを感じます。実際、聖ヨハネ・カネヨ教会は、15世紀以前に建てられており、およそ600年以上もの歴史があります。
マトカ湖
北マケドニアの北西かつスコピエの近くにマトカ渓谷およびマトカ湖があります。北マケドニアで最も古い人工的な湖です。
岩に挟まれており、7kmの長さをもっています。人の手が入っていないため、長い年月をかけて自然が作りだした風景を望めます。観光スポットの1つである「ヴレロ洞窟」が隣接しているため、マトカ湖に訪れると一度に2つの観光スポットを楽しめるでしょう。
スコピエ ケラー城
スコピエケラー城は、10~11世紀において戦略地点として重要な場所の1つでした。調査によって、城壁で最も古い部分が10~11世紀のものだと確立されています。19世紀ごろには、スコピエケラー城の要塞内に、武器庫や刑務所などがあったと言われています。いまでも城壁は残っており、歴史を感じられる観光スポットです。
スタラ・チャルシヤ
マケドニアの旧市街地です。元々12世紀のオスマン帝国(現在のトルコ)の支配下にあるとき、交易の要所として栄えました。
さまざまなお店が立ち並び、オスマン帝国の支配下であった頃の名残から、トルコ風呂やオスマン様式の建造物なども楽しめます。
北マケドニアの特徴・有名なもの
見どころや観光スポット以外で、北マケドニアの特徴や有名なものを見ていきましょう。
マザーテレサが生まれた地
マザーテレサは1910年、北マケドニア(当時はユーゴスラビア)のスコピエに生まれました。18歳の頃、ロレット修道会に入会。その後はインドに渡り、カルカッタで教員および校長として勤めました。36歳になるとロレット修道会を退会。38歳に医療の訓練を受け、それ以降、世界中の貧しい人々を救いながら後継者の教育に励みました。
このような功績から、69歳でノーベル平和賞を受賞し、87歳で生涯を閉じたときには国葬されています。
テレーシュカ・チョルパ
北マケドニアの伝統料理であるテレーシュカ・チョルパ。野菜と一緒に牛肉をじっくりと煮込んで作るスープです。お店ではよくパンがセットで付いてきます。パンをテレーシュカ・チョルパにつけて食べるのも良し、ゴロゴロの牛肉が入ったスープをそのまま楽しむのも良しとランチにぴったりな料理です。
タヴチェ・グラヴチェ
北マケドニアの郷土料理であるタヴチェ・グラヴチェ。いんげん豆や白花豆などの「白豆」やたまねぎとともに、パプリカ粉やクミン、唐辛子といった調味料を加えて煮込む料理です。豆がたっぷり入っているため栄養満点です。見た目とは相反して、お腹いっぱいにもなります。北マケドニアでは、およそ450円程度で食べることができます。
美しい自然と街並みが広がる北マケドニア
北マケドニアには、歴史を感じられる建造物と自然が調和した美しい光景を望める国です。治安が比較的安定しており、近代的な一面もあることから、観光するには良い国でしょう。
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文・構成/HugKum編集部