ジブチってどんな国?
アフリカ大陸とアラビア半島に挟まれた紅海のインド洋への出口に位置するジブチ。「アフリカの角」と呼ばれる、地政学的に重要な地域にあり、アラブ連邦に加盟しているため、中東の国とみなされることもあります。
「世界で最も暑い国」ともいわれ、最高気温71.5℃を記録したこともありますが、暑さが生んだ魅力的な観光スポットや興味深いライフスタイルがあります。詳しく見ていきましょう。
ジブチ基本情報
まずはジブチの基本情報からご紹介します。
国名
ジブチ共和国
首都
ジブチ
場所
アフリカの角に位置する国で、北部はエリトリア、西部と南部はエチオピア、南東部はソマリア各国と面しています。
日本との時差
6時間(日本のほうが6時間進んでいる)
面積
23,200平方キロメートル
日本の約16分の1、四国の約1.3倍にあたります。日本の総面積は378,000平方km。
エリア
ジブチは次の5つの州に分かれています。
・アルタ州
・アリ・サビエ州
・タジュラ州
・オボック州
・ディキル州
人口
100.2万人(2021年)
東京都の人口の約14分の1にあたります。東京都の人口は約1400万人(2023年2月時点)。
言語・公用語
アラビア語、仏語
通貨
ジブチ・フラン
1ジブチ・フラン=約0.74円(2023年3月10日時点)
宗教
イスラム教(94%)、キリスト教(6%)
歴史
・1862年、フランスと条約を結ぶ。
・1888年、現在の首都であるジブチが建設される。
・1896年、フランス領ソマリランドが成立。
・1967年、フランス領アファル・イッサに改名。
・1977年、ジブチ共和国として独立。ハッサン・グレド・アプティドンが初代大統領に就任する。
・1991年、内戦が勃発。
・2001年、内戦が終結。
天気・気候
ジブチは熱帯乾燥性気候に属しています。年間を通じて高温で乾燥した気候が特徴です。
世界で最も暑い国といわれるように、最高気温71.5度を記録したこともあります。年間降水量は100mm以下で、6~9月にかけて吹く季節風の影響で降水が見られる程度です。沿岸地域の方が降水量は多く、それにより緑が生い茂る場所が見られます。
ジブチの治安・住みやすさ
気になるのはジブチの治安や住みやすさでしょう。さっそく見ていきます。
治安はよくない
外務省から危険レベル1~3が公表されています。ジブチの北部でとくに治安が悪く、国境線付近においては、渡航中止を勧告する危険レベル3に定められています。殺人などの凶悪犯罪は少ないですが、窃盗やスリが多数発生しているのが特徴です。武力衝突やイスラム過激派によるテロに巻き込まれる可能性があるため、危険な場所には近づかないようにしましょう。
また治安がよくない原因としては、高い失業率が挙げられます。困窮から窃盗やスリをすることも多いようです。
住みやすさはよくない
治安が安定していない点や気候、経済状況、自然災害などのリスクから住みにくいといえます。非常に暑い国なうえ、貧困化しているためインフラ整備が整っていません。さらに地震や火山の噴火、砂嵐といった自然災害に巻き込まれる可能性があります。
物価に関しても輸入に依存しているため、アフリカ諸国の中では高いのが現状です。また、気温が高くなる5~10月は心配におよびませんが、比較的落ち着く11月以降は、マラリアへの感染リスクがあります。
ジブチの見どころ・観光
ここでは、ジブチの見どころや観光スポットを見ていきます。
アッサル湖
アッサル湖は、アフリカで最も低い海抜(マイナス155m)にある湖です。世界一の塩分濃度で、有名な「死海」よりも高くなっています。
アッサル湖を訪れると、丸い形状の塩で埋め尽くされた浜を見ることができます。海はきれいな青色で、神秘的な風景が広がっています。ジブチでは最高気温が50℃を超えることがありますが、そんなことを忘れるほどの絶景です。写真だけでは見られない、感じられない光景を実際に見てみたいものです。
大バラ砂漠
大バラ砂漠はエチオピアとの国境付近に広がり、高地に存在します。気温が高くなりやすいジブチでは避暑地とされており、観光客に人気の観光スポットです。
ムシャ島
ムシャ島はジブチの沖に浮かぶ小さな無人島です。エメラルドグリーンの透き通ったきれいな海に囲まれています。
島ではインストラクターと一緒にスキューバダイビングを楽しめます。気温が高いため、海水の温度が気持ちよく感じるでしょう。海から上がったら、砂浜でバーベキューを楽しめる場所もあります。ムシャ島内では食材の購入が難しいため、事前に購入しておくといいでしょう。
アッベ湖
アッベ湖は塩湖で、チムニーと呼ばれることもあります。エチオピアとジブチの国境付近に所在していて、世界的に有名な「猿の惑星」の撮影現場として知られています。幻想的な光景が広がっており、非日常的な感覚を味わえるでしょう。
ディの森
ディの森はジブチで唯一の森林地帯です。最も古い国立公園でもあります。2000mを超える山々に囲まれた大自然の景色は圧巻です。
気候変動や環境悪化によって全体の9割がダメージを受け、生態系も大きく変わってしまいましたが、保全活動が始まっているため回復への期待がされています。
アルタビーチ
ジブチ市内から車で1時間半ほど行ったところにアルタビーチがあります。世界の中でも有数のサンゴ礁が広がっており、多数の海洋生物と出会える観光スポットです。
岩が多く一般的なビーチとは異なりますが、一味違った楽しみ方ができるでしょう。シュノーケリングや釣りが可能で、運が良ければジンベエザメと一緒に泳ぐこともできます。貴重な体験をしたい方はぜひ足を運んではいかがでしょうか。
ジブチの特徴・有名なもの
観光スポット以外に、ジブチの特徴や有名なものを見ていきましょう。
アッサル湖の塩
アッサル湖では、非常に高品質な塩が産出することで世界的に有名です。料理に「岩塩」として使用するだけでなく、医薬品業界でも洗浄液などに使われています。
ジブチ国内でしか生産されないため希少で、比較的値段は高めですが、日本でも市場に出回っています。「高品質の天然岩塩がほしい」という方は探してみてはいかがでしょうか。
ソマリ系イッサ族
ジブチにはさまざま民族が暮らしていますが、中でもジブチで有名な民族がソマリ系イッサ族です。独自の伝統音楽や踊り、民族衣装などが特徴的です。首都や南東部の村では、イッサ族が大半占めています。話す言語もソマリ語が主流です。
サモサ
ジブチでは、インド発祥の菓子「サモサ」が広く食べられています。前菜やスナックとして作る、パイ包みのような食べ物です。
肉または魚をメインに、じゃがいもや野菜などが入っています。ジブチのサモサは唐辛子が効いているのが特徴的です。小さめのサイズ感で、つい食べ進めたくなる料理です。
世界で最も暑い国ジブチ
今回はジブチの基本情報や見どころ、特徴についてご紹介しました。ジブチについて、イメージが膨らんだでしょうか。今回の記事で興味が湧いたら、ぜひジブチのことをもっと調べてみてください。
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文・構成/HugKum編集部