クウェートってどんな国?
クウェートは、中東のペルシャ湾に面した立憲君主制国家の国です。国土の大半が砂漠ですが、石油が豊富に産出されることから、「石油に浮かぶ国」と呼ばれており、石油によって経済発展して国家経済を支えてきました。
しかし、この石油を目当てに、過去にイラクの指導者であるサダム・フセインがクウェートへ侵攻していった歴史もあります。これが1990年に起きた湾岸戦争です。戦争は約1か月続き、その後停戦しました。
クウェート基本情報
まずはクウェートの基本情報からご紹介します。
国名
クウェート国
首都
クウェート
場所
クウェートがあるのは、中東のペルシャ湾北西部。北から西はイラク、南はサウジアラビアに隣接し、東はペルシャ湾に面しています。クウェートの国土のほとんどは平たんな砂漠地帯で、山や川は存在しません。
日本との時差
6時間(日本の方が6時間進んでいます)
面積
17,818平方km
日本の総面積は378,000平方kmで、クウェートの面積は四国とほぼ同じです。
エリア
クウェートは6つの地区に分けられています。首都のクウェートがあるのは、アースィマ県(クウェート県)です。
アハマディ県
アースィマ県(クウェート県)
ファルワーニーヤ県
ジャハラー県
ハワッリー県
ムバーラク・アル=カビール県
人口
約446万人(2022年時点)
東京都の人口がおよそ1400万人(2023年2月時点)なので、クウェートの人口は東京都の約3割にあたります。
クウェートでは外国人労働者が多く、446万人のうちクウェート人は約33%の150万人ほどしかいません。
言語・公用語
アラビア語
通貨
クウェートディナール
1クウェートディナール=約430.65円(2023年3月23日時点)
宗教
イスラム教
歴史
16世紀 ヨーロッパ列強が湾岸地域へ進出するようになりクウェートの存在が知られる
18世紀、アラビア半島中央部から移住した部族がクウェートの基礎をつくる
1899年 英国の保護国となる
1938年 大油田の発見
1961年6月19日 英国から独立
1990年8月2日 イラク軍が侵攻
1991年1月17日 湾岸戦争が開始
1991年2月28日 停戦
天気・気候
日本のようにはっきりとした四季があるわけではありませんが、おおむね次のように季節がわかれています。
2月中旬から5月中旬は「春」。温暖ですが4月になると気温が高くなっていきます。5月中旬から11月上旬は、高温多湿な「夏」。特に6月から7月中旬頃にかけて、気温が50℃に達することもあり灼熱の太陽が照りつける日が続きます。やがて11月上旬から12月上旬には穏やかになり「秋」を迎えます。12月上旬から2月中旬までは、気温が下がる「冬」。夜は気温が下がり、暖房が必要になる日もあるほどです。
年間の平均気温は25℃前後ですが、夏と冬では気温の変動がとても大きく、訪れる季節によって最適な服装を準備するのがおすすめです。
クウェートの治安・住みやすさ
クウェートの治安面や住みやすさについて、見てみましょう。
治安はレベル1
外務省「海外安全ホームページ」によると、2022年3月23日時点で、全土において「十分注意してください」のレベル1が発令されています。
クウェートで心配されるのは、イスラム過激派組織によるテロ事件。2015年にクウェート市内で自爆テロ事件が発生して以来、主要なテロ事件は起きていませんが、イスラム過激派組織はクウェートが隣接するイラクのほか、シリアを拠点としています。そのため、クウェートではそのようなテロの危険性を認識する必要があります。
また、ショッピングモールや街中では、自動車を盗んだり、車上荒らしが起きたりしやすいことも報道されています。さらに、アジア系やアフリカ系外国人女性を狙った性犯罪目的の連れ去りも起きています。肌を大きく露出したり、夜間に一人歩きしたりすることは控えましょう。
住みやすさはまずまず
クウェートは、海外安全ホームページで「レベル1」が発令されているものの、中東では比較的安全な国と言われています。危険なエリアを避ければ、決して住みにくい場所とはならない可能性があります。
ただし、いつでもテロや軽犯罪、性犯罪には十分な注意が必要であることを覚えておきましょう。
クウェートの見どころ・観光
クウェートで人気の観光スポット5か所をご紹介しましょう。
グランドモスク
国民のほとんどがイスラム教徒であるクウェートでは、1日5回の礼拝を行う習慣があります。そんな礼拝を一度に1万人ちかくの人ができるという巨大モスクが、グランドモスクです。豪華なシャンデリアや金の装飾が施され、ゴージャスな雰囲気が漂います。
クウェートタワー
クウェートのランドマークのひとつとなっているのが、3本の塔でできたクウェートタワー。一番高い塔は高さ187メートルで、球形になった部分には展望台やレストランがあります。
展望台からはクウェートの市街やクウェート湾を一望できて、観光スポットとして人気です。
クウェート国立博物館
クウェートがどんな風にできた国なのか、人々の暮らしはどんな様子なのか、クウェートの歴史や生活について知ることができる博物館です。入場料が無料なので、気軽に立ち寄れます。
ジ・アベニューズモール
クウェートで最大級のショッピングモールが、ジ・アベニューズモールです。何百ものテナントが入っており、1日ではまわりきれないほどの大きさ。
高級ブランドからファストファッション、インテリアショップ、スーパーマーケット、フードコートなどがあり、クウェートの人々の生活を垣間見ることができます。
ミラーハウス
ミラーハウスは、家中が鏡で埋め尽くされた、クウェート人芸術家リディア・カタンさんの邸宅。家には芸術品があふれ、カタンさんが亡くなった後に妻のカリファさんが、美術館として残しました。まるで宇宙に迷い込んだような、不思議な空間が広がっています。
クウェートの特徴・有名なもの
クウェートといえば、石油の存在は欠かせません。
石油
クウェートは石油が豊富にとれる国で、世界の石油埋蔵量の1割ほどがクウェートにあると言われており、日本をはじめ世界中の国々に輸出しています。石油産業に依存している経済構造ですが、それによって裕福な国となって発展してきました。
湾岸戦争
クウェートの豊富な石油資源をめぐって勃発したのが、湾岸戦争です。
まず1990年8月2日に、イラク軍がクウェートに侵攻。強硬にクウェートを19番目の州にすることを宣言しました。そこで、アメリカをはじめとした多国籍軍が1991年1月17日にイラクへの攻撃を開始し、湾岸戦争が発生したのです。同年2月28日には、イラク軍はクウェートから撤退し、停戦しました。
小さい国ながら存在感が大きいクウェート
中東にある日本から遠く離れたクウェートですが、日本にとっては石油を輸入していることから、決して無関係の国ではありません。石油産業によって栄えてきた都市は、高層ビルも数多く建ち、きらびやかな印象を与えています。そんなクウェートについて、調べたり思いをはせたりしてみてはいかがですか?
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構成・文/HugKum編集部