【おうちでできるモンテッソーリ】「大好きなタオルがないと眠れない」これって大丈夫? 0~4歳は感覚の敏感期

シリーズでお送りしているモンテッソーリ教師あきえ先生による「おうちでできるモンテッソーリ教育」。モンテッソーリ教育の中で0~6歳で見られると言われる「敏感期」という期間について、お話を聞いています。今回はその中の「感覚の敏感期」にまつわるエピソードや、子どもとのかかわりかたについてお話を伺いました。

視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚が敏感になる「感覚の敏感期」

前回の記事では、「いつもと同じ」にこだわる姿が見られる「秩序の敏感期」についてお話をしました。

※敏感期全体についてはこちらの記事をチェックしてくださいね。

今回は、0~4歳くらいの時期に見られる「感覚の敏感期」についてです。

人間には「目・見る(視覚)」「耳・聴く(聴覚)」「鼻・嗅ぐ(嗅覚)」「皮膚・触る(触覚)」「口・味わう(味覚)」という5つの感覚器官があります。自分がいる環境から、感覚器官を通して刺激を受け、それが脳に伝えられます。その後、何をするかの指令が運動器官に伝えられていくのです。

感覚器官のひとつひとつを使うことによって、それぞれの器官がより洗練されていきます。感覚の敏感期の中にいる子どもは、5つの感覚器官をたくさん使いたい時期にいます。

具体的には以下のような姿が見られるかと思います。

【視覚】公園でブランコに向かって一直線に走っていたと思いきや、突然その場にしゃがみ込み、何かをジーっと見つめていました。近づくと、息子の足元には一匹のアリがエサを運んでいたのです。
【聴覚】以前、トンネルの中を歩いていると声が響くことに気がついた娘。それ以来、トンネルや狭い車庫のような場所に入ると必ず「ワー」と大きな声を出すようになりました。
【嗅覚】娘には大好きなタオルがあり、それがないと落ち着かない様子。眠くなると、そのタオルの角の部分の臭いを嗅ぎながら一人で眠ります。汚れていたので洗ったら大激怒! 同じタオルを数枚買い、気づかれないように順番に洗っています。
【触覚】外をお散歩していると、タイルや地面、壁などあらゆるところを触りたがります。「危ないよ」「触らないでね」と伝えても、色々なところを触りたがるのです。
【味覚】前に黄色いミニトマトを出したら「おいしい!」と言いながらたくさん食べた娘。トマトが好きなのかと思い、別日に赤いミニトマトを出したらひとつ口にして「ヤダ」と言って出してしまいました。

このように、五感に敏感になっている姿を見せます。この時期は、バーチャルな体験ではなく、五感を使う実体験をたくさんさせてあげることをおすすめします。おうちや近所の公園など、身近な場所でできる実体験の一例をご紹介しますね。

【視覚】色や形の違いを比べて遊んでみよう

  • お家の中にあるものやお外にあるもので、色の違いを比べたり、「赤色」などと同じ色を集める。
  • 公園で葉っぱの形を比べたり、同じような形の葉っぱを集めたりする。

【聴覚】日常の中にある音に注目してじっくり聞く

  • 飛行機やヘリコプターの音をじっくり聞く。
  • お部屋の中で目をつぶり、大人が何か音を鳴らして、何の音が鳴ったか当てる。

【嗅覚】一緒に匂いを感じて何の匂いかの話をする

  • ご飯や食べ物を食べる前に「いい匂いだね」「お出しの匂いだね」などと一緒に匂いを感じる。
  • 目隠しをして、複数のフルーツの匂いを嗅ぎ、「これはみかん」などと匂いで当てる。

【触覚】ツルツル、ザラザラなどいろんな触覚に触れる

  • 初めて触れる食材や物などを触る時に、じっくり触り「ザラザラだね」などと感じる時間をもつ。
  • 公園やお散歩でつるつるしたものやざらざらしたものなど、同じ触感のものを仲間集めする。

【味覚】食べ物の味にフォーカスする会話を意識

  • 目をつぶって、お野菜やフルーツを食べ何の味かを当てる。
  • みかんやいよかんなど食べ比べをして、「どちらがすっぱい?」「どちらが甘い?」などと比較する。

一生の中で一番五感が敏感な時期! 感覚を洗練させる工夫を生活に取り入れて

感覚の敏感期とは知らずにいると、「なんでこんな行動をするんだろう?」「こんなにこだわるっておかしい?」と思うこともありますよね。しかし、それは子どもが順調に成長をしている証拠! 触覚を例に出すと、この時期に同じ「さらさら」でもどちらがよりさらさらなのか、その小さな差に気づくようになります。一生使う五感の土台を作っている時期だと思って、子どもとかかわるようにしてみてくださいね。

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記事監修

国際モンテッソーリ教師(AMI)
モンテッソーリ教師あきえ

幼い頃から夢見た保育職に期待が溢れる思いとは裏腹に、現実は「大人主導」の環境で、行事に追われる日々。そのような教育現場に「もっと一人ひとりを尊重し、『個』を大切にする教育が必要なのではないか」とショックと疑問を感じる。その後、自身の出産を機に「日本の教育は本当にこのままでよいのか」というさらなる強い疑問を感じ、退職してモンテッソーリ教育を学び、モンテッソーリ教師となる。「子育てのためにモンテッソーリ教育を学べるオンラインスクール Montessori Parents」創設、オンラインコミュニティ”Park”主宰。2021年1月に初著書「モンテッソーリ教育が教えてくれた『信じる』子育て」(すばる舎)、2022年3月に「モンテッソーリ流 声かけ変換ワークブック」(宝島社)を出版。

モンテッソーリ教師あきえHP

あきえ先生主宰オンラインスクールMontessori Parents

取材/本間綾

 

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