『したきりすずめ』はどんな話? あらすじや物語から学べる教訓を紹介【知らないと恥ずかしい昔話】

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子どもの頃に一度は『したきりすずめ』を読んだ人は多いのではないでしょうか。大人になってからは、なんとなくのストーリーしか思い出せない方も多いのでは? ここではあらすじや登場人物、「心優しく、正直でいることの大切さ」「意地悪だと、痛い目を見る」といった物語の教訓も紹介します。

『したきりすずめ』ってどんな話?

日本に伝わる五大昔話の一つ『したきりすずめ』。日本昔話など、アニメ化もされていたので、馴染み深い昔話の一つですね。

「すずめのお宿」「大きいつづら」「小さいつづら」といったキーワードで知られるお話で、物語のあらすじが面白いだけでなく教訓もこめられた昔話の定番です。

『したきりすずめ』の原型は、鎌倉時代の『宇治拾遺(うじしゅうい)物語』の中に、似たようなすずめの話があるとされており、同様の話は中国など、アジアの各地に存在すると言われています。

『したきりすずめ』の話は、様々な形で全国に伝わり、本によっては若干ストーリーが異なる部分も。「すずめのお宿を探す途中、牛洗いに道を尋ねた時に洗い汁七杯飲まされた」や「おばあさんは最後気絶した」「おばあさんは最後、家に逃げ帰り改心して暮らした」など若干異なる部分もあります。

登場人物

ここでは、おじいさんがすずめを探しに行く途中に、道中で出会う人物を含む5名の登場人物を紹介します。

おじいさん

心優しいおじいさん。すずめを我が子のように可愛がる。

おばあさん

強欲で意地悪。洗濯のりを食べたすずめの舌を切って、家から追い出してしまう。

すずめ

おじいさんに可愛がられたすずめ。おばあさんに追い出された後は、すずめのお宿に帰った。

うしかた

おじいさんが、すずめを探しに行く道中で出会った牛洗いをしてる人。

うまかた

おじいさんが、すずめを探しに行く道中で出会った馬洗いをしている人。

あらすじ

あるところに、優しいおじいさんと、意地悪なおばあさんが暮らしていました。

おじいさんが、山へしば刈りにに行った時に、弁当を食べようとしたところ弁当箱の中に、ご飯を食べたすずめが寝ているのを見つけました。

 

おじいさんは子どもがいなかったので、すずめを家に連れて帰ると、すずめはすっかりおじいさんになつきましたが、おばあさんはそれを良く思わなかったのです。

舌を切られたすずめを探しに

おじいさんは、すずめをとても大切にしていました。ある日、おじいさんが留守の間に、すずめはおばあさんの洗濯のりをなめてしまったのです。おばあさんは腹を立て、のりをどうしたのか問うとすずめは「隣の猫が食べた」と噓をつきました。すずめのくちばしに、のりが付いてることに気づいたおばあさんは怒り、すずめの舌を切り追い出してしまったのです。

帰宅後にそれを知ったおじいさんは、すずめをかわいそうに思い、翌朝すずめを探しに行きました。

途中に川でうまかたが馬を洗っていたので、「すずめを見なかったか」と尋ねると「馬の洗い汁を一桶飲んだら教えてやる」と言われおじいさんは、がっぽがっぽと飲み干したのです。その後、うまかたは「この先にいる、うしかたに聞くといい」と答えました。

しばらくすると、川でうしかたが牛を洗っていたので、すずめの場所を尋ねると、またしても「牛の洗い汁を一桶飲んだら教えてやる」と言われたのです。再び、飲み干したおじいさんはようやく「向こうの藪の中にいる」と教えてもらいました。

すずめのお宿でもらった「つづら」

ようやく見つけたすずめのお宿で、おじいさんは金の茶碗に金の箸で、刺身や煮物など、沢山のごちそうをもてなされ、お土産につづらをもらうことに。大きいつづらか、小さいつづらかと聞かれたおじいさんは、「大きいのは持てないから」と小さいほうのつづらを選び、持ち帰りました。

帰宅してから、つづらを開けてびっくり。つづらからは、沢山の宝物が出てきたのです。それを見た、欲張りなおばあさんは「自分なら大きいつづらをもらう」とすずめのお宿に向かいました。途中、うしかたとうまかたに会いましたが、素通りして自力ですずめのお宿にたどり着いたのです。

おばあさんがもらった「つづら」からは…

すずめはおばあさんを招き入れましたが、欠けた茶碗に折れた箸、蛇の刺身やミミズの酢漬けなどを出しました。そしておばあさんは土産を催促し、無理やり大きなつづらを持ち帰ったのです。そして、帰宅するまで我慢出来ず、途中でつづらを開けてしまいました。

中からは妖怪や毒虫、蛇があれわれ、おばあさんはびっくり。その後は、腰を抜かして気絶してしまうという説や、妖怪に襲われ死んでしまった説、命からがら逃げるように家に帰り、その後改心しておじいさんと暮らした、との説もあります。

『したきりすずめ』から学ぶ教訓とは

『したきりすずめ』のお話から学べる教訓は「心優しい正直なものが良い目を見て、欲張りで意地悪なものは最終的に痛い目を見る」ということでしょう。

すずめを甲斐甲斐しく世話していた心優しいおじいさん。すずめが家を出て行った後、牛や馬の洗い汁を飲みながらも探しに出かけて、すずめの歓迎を受けました。お土産を受け取る際も、大きいつづらではなく、自身の身の丈にあったサイズを選びました。つづらの中の宝物は、おじいさんの優しく謙虚な気持ちの象徴なのかもしれません。

いっぽう、欲張りで意地悪なおばあさんは、大きいつづらが欲しい一心ですずめを探しに行き、まともな歓迎もうけず、さっさとお土産だけを欲しがります。おばあさんの利己的な行動と気持ちが、つづらの中身を毒虫や妖怪へと変えたのかもしれません。

したきりすずめをよむならこちら

『したきりすずめ』を絵本で読みたい時に、おすすめの本を紹介します。絵の雰囲気やサイズもそれぞれ異なるので、是非お好みのものを見つけてください。

したきりすずめ(小学館)

文/那須田淳  絵/はたこうしろう

小さな子にも分かりやすく書かれた文章で、可愛らしいイラスト大人も子どももに癒されます。

したきりすずめ(福音館書店)

文/ 石井桃子 絵/ 赤羽末吉

情緒あふれる素朴な絵が、昔話の世界観に誘ってくれます。

したきりすずめ(あかね書房)

文/山下明生 絵/しりあがり寿

漫画家のしりあがりさんのポップなイラストが楽しめます。

昔話ならでは教訓を語り継いで

このような「正直者が良い目を見て、意地悪な者は痛い目を見る」という教訓のお話は、日本昔話では数多く存在します。その教訓は、現代でもそうであるように、「正直者が日の目を浴びるべき」という古来の人の希望でもあったのかもしれませんね。

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構成・文/吉川沙織(京都メディアライン)

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