“空とぶ魚”トビウオのレシピ|塩焼きだけじゃもったいない! 出汁の取り方、羽の処理まで完全網羅

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胸びれを広げて滑空する魚、トビウオ。九州や日本海側では別名「アゴ」とも呼ばれます。練り物や出汁の材料として利用されることが多いトビウオですが、塩焼き、フライなど、鮮魚としての利用方法をみていきます。アジに似ている淡泊な味で、ファンが多い魚です。

空を飛ぶトビウオは、運動量が多いことから脂肪分が少なめ。あっさりした味が特徴です。新鮮なものを刺身にする他にも、干し魚での流通も多い魚です。さばき方は、他の青魚と同じですが、小骨が多いので、取りのぞくのにひと手間いります。おいしく食べる方法を詳しくみていきましょう。

トビウオの塩焼き

通販で買えるトビウオには、一夜干しの他、冷凍で届く刺身用もあります。入手したら、シンプルに塩焼きにして食べる手順をみていきましょう。初夏のトビウオには卵がついている場合もありますよ。

丸あご(とびうお)(生冷凍・調理済み・無頭)4尾入 生食可

下処理が済んでいるため、迫力のある羽がついていないため、調理しやすいです。お刺身にも向いていますよ。

島根県浜田産 とびうお干物 150g以上

春から夏に旬を迎え、秋まで出回るトビウオは、冷蔵で届く一夜干しも多く見られます。値段は大きさにもよりますが、1匹500円程度から手に入り、大きいものは、2人前以上の量があります。

下処理

詳しいさばき方をみていきます。お店で買った際は、焼き魚用に開いてもらうか、3枚におろしてもらってください。

・羽の処理

ご家庭の魚焼きグリルで焼く場合は、羽と腹びれを取り除いておくと、食べやすくなります。特に、腹びれにつながる部分に、指で触るとわかるくらいの太い骨が1本あるので、はずします。羽は、キッチンバサミで簡単に切り取っても。

腹ビレの付け根を触ると、わかります。
腹びれの付け根を触ると、わかります。

その一方で、お子さんが食べる場合は特徴的な羽に興味を持つ事も多いので、そのまま焼いた姿で盛り付けてもいいかもしれません。骨が残り、羽が焦げてしまう恐れもありますが、迫力ある姿は貴重です。

美しい羽を指で動かしてみると、まるで精巧に作られた模型のよう。大人でも好奇心を刺激されますよ。

美しい姿を持つ魚です。
美しい姿を持つ魚です。

海面を羽でたたきつけながら、400mも飛ぶこともあるそうなので、動画を見せてあげると虜になってしまうかもしれません⁉

・うろこと中身をとる

【1】包丁の背を使い、うろこを取り除きます。指でも簡単にはずれます。

【2】羽の裏側から包丁を入れ、反対側も同じように包丁を入れると、頭がはずれます。

【3】お腹を開いて、中身を取り出します。背骨に沿って血合いの膜に軽く切れ目を入れ、きれいに洗います。

【4】腹びれの骨を、包丁で切り取ります。その後、水気をしっかりと拭き取ってください。

このまま焼いてもいいですが、さらにさばくなら次の工程へ。

・3枚におろす

もうひと手間かけてフィレにすると、フライやムニエルに使いやすい身になります。骨も外せますよ。

お店なら3枚におろしてもらう工程です。

【1】お腹側を完全に開いたあと、背中側から中骨のすぐ上に包丁を入れて身を切っていきます。

【2】片側が切れたら裏返し、反対側も同じようにして中骨を切りとってください。

【3】腹骨をそぎ取るとすべての骨が外れ、食べやすくなります。

番外編 出汁の取り方

トビウオからとる出汁を「あごだし」と呼びますが、その由来は「あごが落ちるほどおいしいから」ともいわれています。

切り取ったアラで、出汁をとってみてください。脂肪分が少ないことから臭みがなく、さまざまな料理にも合わせやすい上品な味が出ます。

【1】背骨は鍋に入る大きさにカットし、頭も2つに割ります。

【2】魚焼きグリルで、しっかりとカラカラになるまで焼いてください。

【3】鍋に移し、ひたひたになる量の水を加えて、火にかけます。沸騰直前で弱火にし、20分程度煮だします。アクが出たら、その都度取り除いてください。

【4】最後にザルでこします。

塩焼き

噛んでいるといつまでも味が染みだしてくるような、たまらない旨味があります。脂が少なく、カラリとした焼き物です。

・焼き方

【1】全面にまんべんなく塩を振ります。このまま10分程度、冷蔵庫でねかせてください。

【2】魚焼きグリルを予熱します。

【3】両面焼きグリルで10分程度焼き、皮に香ばしい焼き目がついたら出来上がりです。レモンや大根おろしなどを添えて、いただきます。

・フライパンで焼くなら

【1】フライパンを温めます。

【2】フライパンにクッキングシートをひき、塩を振った魚の身をのせます。

【3】両面に焼き目がつくよう、やさしく裏返しながら焼きます。蒸し焼きにしてもいいです。

トビウオのフライ

さっぱりした味のトビウオは、フライにするのも好相性。アジのフライのような、締まった食感です。

材料

(2人分)

トビウオのフィレ 2枚
塩 少々
こしょう 少々
小麦粉 大さじ3/2
卵 1/2
パン粉 大さじ2
オリーブオイル 大さじ1

作り方

【1】トビウオのフィレに塩、こしょうを振ります。

【2】薄く小麦粉をまぶしてください。溶き卵にくぐらせ、パン粉をまぶします。

【3】フライパンにオリーブオイルを広げ、熱したら【2】を揚げ焼きにします。両面にきつね色がついたら出来上がりです。

タルタルソースなどをつけて、お召し上がりください。

トビウオの加工品

トビウオの卵は「とびっこ」と呼ばれ、初夏になると出回ります。甘辛く煮つけた加工品も多く、クセがないので使える場面が多い食材です。プチプチした食感で、あっさりした味わいがあります。

オレンジ色や黄色に着色されたとびっこは、回転寿司屋さんなどでよく見かけます。

とびっこ 110g入り【冷凍便】

お砂糖やしょうゆで味付けされ、料理の彩りとして使うことができます。

刺身の他、出汁にも利用できるトビウオ

空を飛ぶ魚、トビウオは、運動量の多さから脂肪分の少ない締まった身を持ちます。上品な出汁がとれることから、干し物や練り物としても利用されてきました。

通販などで新鮮なトビウオを手に入れたら、お刺身の他、塩焼き、フライなどにすると、滋味深い味を楽しめます。アラを使ってとる出汁や、とびっこにも注目です。旬の時期は、トビウオが見逃せません。

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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)

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