2023年4月1日に発足した「こども家庭庁」の役割は?小学1年生からは「こども若者★いけんぷらす」で社会参加ができる!

少子化や児童虐待、いじめ、貧困などのこどもに関する問題は多岐にわたることから2023年4月1日に「こども家庭庁」が発足しました。また、小学1年生から意見を伝えることができる「こども若者★いけんぷらす」も誕生しましたので、メンバー登録する方法などもご紹介します。

「こども家庭庁」とは

こども家庭庁という名前から、こどもと子育てしている人を支援するというイメージを持たれるかもしれませんが、実際にはどんな組織でどんなことをするのでしょうか。

設立の背景・目的

少子化や児童虐待、いじめ、貧困など、こどもに関する問題はさまざま。コロナ下でこれらの問題が深刻になり、解決が一層求められるようになりました。しかし、これまでは政府の複数の省庁がそれぞれの問題に対し別々に対応していたため、スピーディーに解決するのが難しかったよう。

そこで、こどもの問題を解決する組織を一元化し、こども政策を幅広く企画立案し、主導する役割担うこども家庭庁が設立されました。こども政策について強力な司令塔機能を持ちます。

どんな組織?

内閣総理大臣、こども政策担当大臣、こども家庭庁長官をリーダーとし、その下に企画立案・総合調整部門、成育部門、支援部門があります。

内閣総理大臣直属の機関で、発足式には岸田総理大臣が出席されていて、政府が力を入れているのが伝わってきました。

【各部門の役割】

企画立案・総合調整部門……全体をとりまとめる。

成育部門……幅広い年齢のこどもの育ちをサポート。

支援部門……特に支援が必要なこどものサポート。

何が変わる?

こども家庭庁ができたことによって、どんな変化があるのでしょうか。まだ発足直後なので未知数ではありますが、期待を込めて変わるところをお伝えします。

こどもの意見が政策に反映される

こども家庭庁の大きな特徴は、こどもや若い人から意見を聴き、政策に反映することです。

こども目線で考えられた、こどものためになる政策が実行されるでしょう。

筆者がこどもの頃は、大人がつくったルールや制度にただ従っていて、はずれたら怒られていたような記憶があります。

例えば、小学校のときに、よく置き勉をして叱られたとか……。しかし、現在はランドセルが重たすぎて肩や腰などの痛みを訴えるこどもが続出し問題になっていますよね。

たしかに教科書は年々ページ数が増えていますし、タブレットや水筒など持ち物も増えています。これは政策とは異なるとはいえ、つまるところ昔から決まっているから禁止ということではなく、今のこどもの意見を聞くということはとても大事なことだと思い良い新制度だと感じます。

政策の実行スピードアップ

こども家庭庁は、こども政策に対して強力な司令塔機能を持つと共に、こども政策担当大臣は各大臣に勧告することができます。

これにより、どこか単発的な印象があった政策が、連続的かつスピーディーに実行されるようになることを期待。

省庁横断的な、新規の政策が出てくる可能性もありますし、財源や人材の確保が課題になりますが、子育てしている人を手厚くサポートしてくれることでしょう。

小学1年生から「こども若者★いけんぷらす」に参加できる

こどもの意見を聴く「こども若者★いけんぷらす」も誕生しました。一口に意見を聴くといっても、何歳から聴くのか、どう聴くのか、そして聴いた後どうするのか気になりませんか?

「こども若者★いけんぷらす」って?

こども・若者から意見を聴くための仕組みです。

こども・若者に関わるさまざまなテーマについて意見を伝える「ぷらすメンバー」には、小学1年生から20代の方であれば、誰でも登録できるそうです。

小学1年生から登録でき、意見を伝える機会があるのには驚きました。筆者の娘は、小学1年生なので、メンバー登録を検討してみようかな!と思います。

「こども若者★いけんぷらす」意見を伝える方法は

対面(リアル/オンライン)、Webアンケート、チャット などのいろいろな方法で意見を伝えることができるようです。会議にはファシリテーターも参加するのこと。大人でも自分の意見を伝えるのが難しいので、ファシリテーターがいるのは安心ですね。

「こども若者★いけんぷらす」で意見を伝えるとどうなるの?

伝えた意見は、こども家庭庁や各省庁の会議の資料になり、担当職員が読んで政策の企画立案や実行に生かすとのこと。

意見をどう反映したか、反映しなかった場合の理由などをフィードバックしてくれます。これならば、真剣に考えて意見を伝える価値が十分あると思います。フィードバックは嬉しいですよね。

「こども家庭庁」公式サイトより画像を引用
「こども家庭庁」公式サイトより画像を引用

「こども若者★いけんぷらす」の「ぷらすメンバー」登録方法は?

登録は公式サイトから簡単にできます。ただし、16歳未満のこどもの登録・取組への参加には、保護者もしくは責任のある成人の同意が必要です。

他人事と感じていた政策が身近に! こども達が未来を変えるチャンス

今回のこども家庭庁の発足、「こども若者★いけんぷらす」の取り組みは、親子でこども政策を考える絶好の機会だと考えています。

これまで、筆者にとっては政策というと、自分や自分のこどものことなのに、他人事のようでした。意見があっても、どうせ届かないと思い込んでいたのかもしれません。こども達には、こども政策に対して受け身にならず、自分たちの未来を真剣に考え、意見をしっかり伝えてほしいと思います。意見をもとに、よりよい政策が企画立案され、実行されるはずです。こども目線でどんな意見が出るか、筆者も楽しみにしています。皆さんも今後のこども家庭庁の動向に注目し、親子で積極的に取り組みに参加してみませんか?

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参考:こども家庭庁【公式】サイト

参考:内閣官房 こども家庭庁設立準備室こども家庭庁について(令和4年9月)

※2023年4月8日時点の情報をまとめております。

文/峯あきら

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