心理カウンセラーが教える「兄×妹」「姉×弟」の子育てポイント!「同年代の友だちと遊ばせる」のが大切

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書籍『兄弟姉妹の心理学』の著者である心理カウンセラーの根本裕幸さんに、きょうだい関係における子どもたちの心理と、子育てのポイントをうかがいました。今回は「兄×妹」「姉×弟」という異性きょうだいのケースを取り上げます。意外な心理や、子どもの気持ちを高める声かけポイントまで、ぜひ参考にしてみてください。

異性きょうだいの育て方のポイントは?

「お兄ちゃんのいる女の子は気が強い」「お姉ちゃんのいる男の子は甘えん坊」。そんな “あるある”を聞いたことのある人も、多いのではないでしょうか。

『兄弟姉妹の心理学』の著者である心理カウンセラーの根本裕幸先生は、「私たちの性格は兄弟姉妹の関係によっても作られている」といいます。もちろん親との関係や元々持っているキャラクターが違うので一概にはいえませんが、「よくあるパターン」があるのも事実。

そこで今回は、根本先生に異性きょうだい(兄×妹、姉×弟)に起こりやすい心理パターンと、それを踏まえた子育てのポイントをうかがいました。
※2 人以上の兄弟姉妹で、特に性別を限定しない場合は「きょうだい」と表記しています。

「兄×妹」で起こりやすい心理パターン

関係が逆転することも!兄を言い負かす妹

根本さん:子どもの頃は、どんな組み合わせのきょうだいでも、上の子の遊びに下の子がくっついていくことが多いでしょう。「兄×妹」の場合は、家の中や外で暴れまわるお兄ちゃんに付き合って、妹も活発になったり、男の子が好む漫画やゲームに詳しくなったりということもよくあります。

とはいえ、一般的に女の子の方が精神的な発達や、言葉の習得が早いため、兄妹の年齢差が2歳くらいまでだと関係性が逆転することが多く、兄を言い負かしたり、ケンカになると妹の方が勝ってしまうということも。

最近多いのは「優しい兄×自立する妹」

根本さん:かつては、兄妹の「妹」というと、幼少期から、兄と一緒に遊び、男の子の漫画やゲームで育っているため、サバサバした性格になりがちといわれていました。もちろんそういう面もあるのですが、現代に多いのは「優しい兄」と「自立する妹」という関係。これは母親が兄をべったり可愛がっているケースに起こりがちです。

母親と兄の心理的な関係が近いと、「優しく穏やかだけれど、どこか頼りない男の子」のように育つことがよくあります。このような場合、妹は兄のおかげで束縛を受けず、早くから自立心旺盛になりやすいです。異性のきょうだいは思春期になると口をきかなくなることも多いものですが、最近はそのまま仲の良い関係を続けている兄妹が多いように感じます。

「姉×弟」で起こりやすい心理パターン

家に「お母さん」が二人いる状態に

根本さん:「兄×妹」と同様、幼い頃から弟は姉の遊びに付き合わされるため、自然と女の子が好みがちなアニメやキャラクターにも詳しくなりがちです。姉は、弟が生まれたときから自然と「お母さん役」をつとめて、良くも悪くも弟の面倒をよく見ます。小さな弟にご飯を食べさせてあげようとしたり、先回りして色々と世話を焼くこともあるでしょう。そうすると、いつの間にか母親も姉を頼るようになり、家にお母さんが二人いるような状態に・・・。

弟が姉と母の干渉役になることも

根本さん:このような姉弟は、いつの間にか「弟にあれこれ指示を出す姉」と「姉のいうことなら何でも聞く弟」という関係になりやすく、姉が無茶をいうようになることも。弟も特に嫌がったり反抗したりするわけではなく、姉のいうことを受け入れつつ、第二子ならではの要領のよさでうまく立ち回ります。思春期になると「二人の母親」の対立が激しくなりますが、弟がうまく仲裁したり、あとで双方をフォローしたりと緩衝役となることも多いです。家族のなかでチャーマー(可愛がられる存在)になりやすい弟という立場が、家族に癒しを与えることもよくあります。

「兄×妹」や「姉×弟」の子育てで気をつけたいこと

男の子には「任せてみる」ことで自立を促す

根本さん:一般的に母親は男の子をかわいがる傾向があり、いつまでも子ども扱いしがちです。それゆえ、男の子に「かわいい」と言ってしまいますが、男の子は本当は「かっこいい!」とか「頼りになる!」という言葉を求めています。

お手伝いなども男の子なら「任せてみる」というのがよいと思います。お子さんの年齢にもよりますが、たとえば「ゴミ捨ては◯◯くんにお願いね」などとおまかせしてみてください。花の水やりや、野菜の皮をむくなどのちょっとしたことでも構いません。そして、できたことは「さすがだね!」とほめてあげると自信を持たせることができます。日常生活でできることからやってみてください。

一方、女の子は精神的な発達も早いので、子どものうちからファッションや芸能人の話をするなど女友達のような関係になることも多いでしょう。お手伝いも「任せる」よりも、一緒におしゃべりしながらやるのが楽しいのではないでしょうか。また、自立心旺盛で甘えるのがちょっと苦手な女の子は、パパが思いっきり「姫」のように扱って、甘えさせてあげるとよいでしょう。

習い事やお友達とのコミュニケーションを大切に

根本さん:家族での時間ももちろん大切ですが、幼い頃から同年代の男の子どうし、女の子どうしでも活動したり、遊んだりする時間をとるのもおすすめです。幼稚園や小学校のお友達でもよいですし、グループで行う習い事もよいと思います。きょうだいで遊んでいるとどうしても、上の子がリードし、下の子がついていくという関係性になりますが、同年代のフラットな関係の中で、新しい役割を担うことは自信や自立につながっていくはずです。

きょうだいの心理を知って、子育てに役立てよう

今回は異性の兄弟・姉妹の心理についてうかがいました。もちろん子ども一人一人によって考え方も行動も違いますが、傾向を知っておくだけでも子どもの行動を理解する助けとなり、声かけのポイントがわかってくるのではないでしょうか。

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お話をうかがったのは

根本裕幸|心理カウンセラー
1997年より神戸メンタルサービス代表・平準司氏に師事。2000年、プロカウンセラーとしてデビュー。以来、述べ15000本以上のカウンセリングをこなす。2001年、カウンセリングサービス設立に寄与。以来、14年間企画・運営に従事。2003年から年間100本以上の講座やセミナーをこなす。2015年3月独立。フリーのカウンセラー/講師/作家として活動を始める。ベストセラーになった「敏感すぎるあなたが7日間で自己肯定感をあげる方法」(あさ出版)、『人のために頑張りすぎて疲れた時に読む本』(大和書房)、『いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本』(ディスカバー21)をはじめ、著書多数。
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文・構成/平丸真梨子

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