常温で保存しても腐敗しないミルクって、魅力的だと思いませんか? スキムミルクの保存は冷蔵庫でなくてもOK。水に溶くだけで、いつでも無脂肪牛乳ができちゃいます。製菓、製パンだけでなく、ミルク感が欲しい場面で広く使えます。溶くときにダマにならない方法、料理に使う方法について、詳しくみていきましょう。
スキムミルクと牛乳は互いに代用可
お家に牛乳がない場合、あるいはスキムミルクがない場合、みなさんはどうしていますか?
牛乳の代わりに
牛乳がない場合、お家にスキムミルクがないか、探してみてください。
牛乳100gは、スキムミルク10gと、水90gで代用することができます。
パンに入れると、焼き上がりの色が強めになり、フワフワの食感に仕上がります。
スキムミルクの代わりに牛乳
もちろん、スキムミルクを牛乳で代用することもできます。
スキムミルク10gの場合なら、低脂肪牛乳を100g、さらに分量の水から90gを減らすことで代用になります。
パンの仕上がりは、もっちりとした食感です。
牛乳以外で代用するなら
コーヒーに溶かす粉末状のクリーム、中でも牛乳を原料にしている「クリープ」などは、スキムミルクによく似ているものです。ただ、脂肪分は残されているため、生クリームに近いコクがあります。一方で、植物性の原材料から作られた粉末クリームもありますから、こちらでの代用は風味が少し変わるので注意を。
生クリームは動物性脂肪が原料ですから、香り、コクがあり、代用するとリッチな食感となります。脂肪分が少なくあっさりとしたスキムミルクとは、仕上がりの方向性が違いますが、代用はできます。
また、豆乳での代用は、風味が変わり、パン生地の発酵が進みにくくなる注意点が。
予約機能での製パンには必需品
乾燥したスキムミルクは、常温での長期保存ができるため、備蓄用や非常食としても優秀です。開封後は早めに使い切る必要がありますが、未開封なら高温多湿を避けた冷暗所に置いて、1年間は保存ができます。
ホームベーカリーでパンを焼くときに、予約機能を使う場合も多いと思います。この時に牛乳を使用すると、長い時間、常温で放置することになるため、腐敗の恐れがあります。その場合、加工されているスキムミルクを使えば安心ですね。
また、水分が除かれているため持ち歩きやすく、かさばらないメリットも。アウトドアの場面にもおすすめです。
代用できない場合
シチュー、グラタンなどにスキムミルクを加えると、味を薄めずにコクを加えることができます。この用途で使う場合、水分を含まないスキムミルクは活躍します。
一方で、スキムミルクは脂肪分が含まれていませんから、リッチなミルク感を求めるなら、物足りなく感じることも。その場合は、全粉乳や、バターミルクパウダーを選ぶと、脂肪分が残されていながらも使い勝手は同じです。
スキムミルクとは
牛乳の代用ができるものとして使われるスキムミルクについて、さらに詳しくみていきます。
脱脂粉乳
生乳から乳脂肪分を取り除いた「脱脂乳」を粉末状に乾燥させるとスキムミルクが出来上がり、別名で「脱脂粉乳」と呼びます。
戦後しばらくはその栄養価の高さから、学校給食に出される飲み物でした。この頃の脱脂粉乳とは味、香りが非常に悪く、その強烈なイメージを払拭するため、スキムミルクと呼ぶようになった経緯があります。
栄養
牛乳100gと、スキムミルク10g+水90gのスキムミルク液を比べた場合、脂質が少ないことからエネルギー量は1/2に抑えられます。低脂質なのに、たんぱく質とカルシウムは牛乳と同じくらい含まれているので、栄養が豊富です。ただし、脂溶性のビタミンAとDは、少ない特徴も。
通販
お取り寄せできる通販の商品をみていきます。
・よつ葉 スキムミルク 150g×2個セット
製菓用に1㎏サイズもありますが、ご家庭では小分けされた商品が便利です。
・雪印メグミルク 毎日骨太MBPスキム 200g
特定保健用食品のスキンミルクも。カルシウム不足が気になる方は、こちらをどうぞ。
大量消費できる使い道
「一袋を使いきれない… 」そんなお悩みも、よく耳にします。料理にミルク感を加えたい場面で使えば良いので、用途は幅広くありますよ。
なめらかに溶かしたドリンク
まずは、ごく基本的なスキムミルクドリンクにして味わってみると、使い道が思い浮かぶかもしれません。無脂肪のミルクです。ダマにならない溶かし方と一緒にみていきます。
・材料
スキムミルク 大さじ3〜4
水、またはお湯 180ml
・作り方
【1】カップにスキムミルクを入れて、水またはお湯を少しずつ加えながら溶かします。
お湯を使う場合は60℃を目安に。高すぎると溶けにくくなり、ダマになります。
コーヒー
コーヒーに入れるとすっきりとしたまろやかさが出ます。コーヒーフレッシュと呼ばれるポーション型のミルクは液体なので、よくなじみますが、使用されている油脂のタイプや原料が特定できない場合もあります。その点、スキムミルクは生乳が原料なので安心です。
ただし、パウダーなので溶け残ることがあります。溶かし方のコツは、カップにあらかじめスキムミルクを入れてから、コーヒーまたはお湯などの液体を注ぐことです。これで、なめらかに溶かすことができます。
粉類
パン生地に入れると、焼き色が強めに出て、サクサク食感に仕上がりますが、同じ粉類の、お好み焼きやホットケーキなどにも混ぜて使うことができます。水に溶かして牛乳の代用としての使い方で試してみてくだささい。
スキムディップ
マヨネーズに半分量のスキムミルクを混ぜるだけでコクが増します。お好みに合わせて分量は変えることもできますよ。
・材料
【マヨネーズ】
マヨネーズ 大さじ2
スキムミルク 大さじ1
・作り方
材料を混ぜ、お好みの野菜につけてお召し上がりください。
シチュー
いちばん大量に使えるのは、シチューなどの煮込み料理です。市販のルーがなくても、おいしくできます。
(2人分)
・材料
鶏肉 120g
じゃがいも 1個
玉ねぎ 1/2個
にんじん 1/3本
スキムミルク 大さじ5
水 大さじ2
バター 10g
薄力粉 小さじ2
水 300ml
鶏ガラスープの素 1個
塩 少々
こしょう 少々
・作り方
【1】鶏肉を食べやすい大きさにカットして、塩とこしょうを振りかけておきます。じゃがいも、玉ねぎ、にんじんは乱切りにしてください。
【2】鍋にバターを熱し、鶏肉を炒めてください。
【3】じゃがいも、玉ねぎ、にんじんを、しんなりするまで炒めてください。
【4】小麦粉を振り入れて、焦がさないように炒めたら、水を入れて煮込みます。
【5】15分ほど煮てから、水で溶いたスキムミルク、鶏ガラスープの素を入れてひと煮立ちさせます。最後に塩とこしょうで味を整えてください。
牛乳の代わりに活用
常温で保存ができ、低カロリー、高タンパク、高カルシウムのスキムミルクについて詳しくみてきました。
牛乳は冷蔵庫で保存する必要があり、賞味期限も短いですが、スキムミルクならその心配がありません。水に溶かす際は、先にパウダーを入れ、水を加えることで溶けやすくなります。料理にも広く活用できますから、一度試してくださいね。
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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)