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何が正解?先生とのコミュニケーション術
先生は授業時間以外も大忙し。連絡を取る際のマナーを守り、上手にコミュニケーションを図りましょう。連絡帳、電話、面談を上手に使い分けることがポイントです。元小学校教諭の大野久仁子先生にお話を伺いました!
小学校の連絡帳の正しい書き方
用件や内容がすぐ分かるよう、簡潔に!
担任の先生と保護者との連絡は、通常、連絡帳を通して行います。早退の届け出や細かい連絡事項も連絡帳に書き、子どもに持たせます。
上は、子どもが学校を休んだ翌日に持たせる場合の書き方の一例です。挨拶のあと、用件を先に書き、内容がすぐにわかるようにまとめるのがポイントです。ただ、子どもが連絡帳を読んでしまう場合もあります。子どもが読んで不安になる事案は、電話で相談しましょう。
先生から連絡がある場合も、連絡帳を通して行われます。確認だけの場合は、サインをすればOKです。
また、簡単な質問や相談などは、 連絡帳に書いておくと、後日、先生から返事がもらえます。
学校からの大切なお知らせも多いので、連絡帳は毎日必ず目を通すようにしましょう。子どもには、帰ったらすぐ連絡帳を見せるように習慣づけておくといいですね。
小学校へ電話するときのマナー
緊急の場合は始業前、それ以外は放課後に!
小学校では、授業中に担任の先生と電話で話すことはできません。 授業中以外でも、給食指導や清掃指導などで忙しく、職員室まで戻って電話を取るのに時間がかかることもあります。
こうした事情から、電話をかける時間には配慮が必要です。緊急時以外は、できるだけ午後4時以降にかけるようにしましょう。先生が不在の場合は、伝言をお願いしておくといいですね。
電話をかけるときのポイント
1.用件をメモしてからかける
電話をする前に、あらかじめ伝えたい用件を書き出し、整理しておきます。電話で話した内容も、同じ用紙にメモしておくと、振り返るときに便利です。
2.かける時間に注意する
学校によりますが、欠席や遅刻を直接電話で知らせる場合は、朝、担任の先生が教室に入る前にかけるか、伝言をお願いしておきましょう。
3.クラス名から名乗る
最初に誰が出るかわかりません。どんな用件でも、必ず「1年○組の×△の母です」と学年とクラス名をはっきりと名乗りましょう。
先生との個人面談の時のマナー
心配なことやこみ入った相談を
心配事で解決を急ぎたいときや、こみ入った相談などは、先生と直接会って話しましょう。その場合も、まず電話をして、会う日取りを相談します。 面談は、放課後の時間帯になる場合が多いのですが、先生は放課後も、会議や翌日の授業の準備など、たくさんの仕事を抱えています。保護者も先生も時間のない中なので、話したい内容をまとめていき、面談中にもメモを取るなど有意義なものにしたいですね。
面談のポイント
1.まず電話で日取りを決める
先生とこちらの都合の合う時間を、事前に電話で確認して、予定を入れます。連絡もせず突然学校を訪ねることのないようにしましょう。
2.面談中もメモを取る
面談で話しあったことは、簡単でよいのでメモを取りましょう。また、相談した内容について、その後どのように対処したのかの報告をすると、先生も安心します。
● シチュエーション別 ●先生と話すときのポイント
保護者会
先生だけでなく、ほかの保護者の意見も聞く
保護者会では担任の先生から、子どもたちの様子が伝えられます。学校に関することや、子どもたちのことについて、日頃から気になっていることがあれば、積極的に尋ねましょう。ただし、全体の時間が限られているので、発言する際は、事前に内容をまとめておけるとスムーズでよいですね。
個人面談・家庭訪問
聞いておきたいことは事前にメモをしておく
教室で担任と保護者が子どもに関する情報交換を行うのが個人面談です。1人につき10~15分程度なので質問などは事前にまとめておきましょう。
家庭訪問では、家庭での様子を聞かれることが多いので、ふだんの生活のことなど、なるべく話すようにしましょう。
問い合わせの前に…配布物・プリントの確認を!
小学校からは、「学級通信」「学年だより」「学校だより」「PTA会報」などのほか、保健室からのお知らせや、給食関係のことなど、毎日たくさんの配布物が子どもに託され、保護者に手渡されます。わからないことを質問したら、実は既に配布されたプリントに書いてあった、というのもありがちなことです。恥ずかしい思いをしないように、しっかり確認しておきましょう。最近では、同じクラスの保護者とメールやSNSでつなが っていて、保護者同士で確認することも多いようです。
プリント類の見落としや、忘れ物などの失敗を防ぐために、それぞれ種類別にファイルやバインダーを用意して、順番にはさみ込むことを習慣にしましょう。保護者会で取ったノートなどと一緒に、ファイルボックスにひとまとめにしておけば、後で確認するときに便利です。
3つのツールを使い分けて、先生と上手につき合いましょう
連絡帳には連絡事項のほか、保護者の心配事や気になることが書かれている場合が多いようです。教師はもちろん、そんな親御さんの心配をくんでお答えしています。
けれど、それだけにとどまる必要はありません。家庭でのお子さんの様子やよかったこと、うれしかったことなどを書いてもよいのです。先生だって、読んでうれしくなる連絡帳は大歓迎ですし、学校での対応の参考にもなるのです。
心配事や内容がこみ入っている場合は、面談のほうがよいでしょう。文面だけだと先生に正確に伝わらないかもしれないからです。
優先順位としては、①簡単な事柄は連絡帳で、②先生の真意を確かめたい場合は電話で、③深刻な悩みや報告などは面談で、と使い分けるのがよいでしょう。先生と上 手につき合うことは、子どもが楽しく学校生活を送るためにも、プラスとなるのです。
出典/『小学一年生』別冊HugKum 監修/大野久仁子(東京都北区立堀船小学校主任教諭)イラスト/M@R 構成/天辰陽子