漢字嫌いな子は多いけど…探究学舎の人気講座【ことば編】はどうやって子どもの苦手意識を克服する工夫をしている?

小学校の学習の中でも覚えるのが大変...と漢字に苦手意識を持っているお子さんは多いのではないでしょうか。
そこで、今回は学校教育や受験に沿った勉強を教えない探究学習に特化した塾「探究学舎」の講師 星川賢吾さんに、漢字の楽しさや探究学舎オリジナルの漢字ドリルについてお聞きしました。

子どもの漢字嫌いを克服するために大切なこと


漢字が苦手な子どもにとって、毎日のように宿題でやることになる漢字ドリルはつらい修行のようなもの。繰り返し同じ字を書いても、嫌々やっていると全く頭に入らないですよね。漢字嫌いを克服するためには、漢字に興味を持ち、楽しく学習できるようにすることです。

「ことば」ってなに?日本語の歴史を知ることからはじめよう

探究学舎では夏休みなどに2日間計9時間完結の特別授業、探究スペシャルが開催されます。その中でも毎年人気のプログラム「ことば編」では、漢字やカタカナ、ひらがななどに隠された様々なヒミツに迫ります。授業の内容を基に、漢字の奥深さをしりながら楽しく勉強ができるようになるコツなどを講師の星川賢吾さんに教えてもらいました。

「ことば編」の内容とは?

星川さん:この授業の大きな目的のひとつは、日常で当たり前のように触れている「ことば」について興味を持ってもらうこと。そのため、子どもたちの興味が喚起されるよう様々な工夫を凝らしています。例えば、授業の冒頭では、ことばを使わずに意思疎通を図るゲームに挑戦します。手を使ったり表情を変えたり、さまざまな手段で子どもたちはコミュニケーションを取ろうとするのですが、最初は中々うまくいきません。そうした体験を経て、ことばの重要性を感じ始めたタイミングで、では「ことばが使えたらどうだろう?」「ことばって何だろう?」と問いかけていきます。

授業では、ことばに関する様々なトピックを扱うのですが、その中のひとつが「ものの数え方」。例えば、鏡餅は一重ね(ひとかさね)タンスは一棹(ひとさお)、などと数えます。なんだか聞き慣れない数え方ですよね。しかし、これらの数え方には全て理由があり、それを辿っていくと日本人のものの考え方や歴史などにも繋がります。数え方ひとつとっても、ことばは非常に奥深いです。

世界には、ことばが約7000種類ほど存在していると言われていますが、その中でも日本語は覚えるのが難しいことばです。英語は合計26文字でことばを表すことができるけれど、日本語はひらがな、カタカナだけで92文字。さらに漢字は、常用漢字だけで約2000種類あります。これだけ聞くと、たくさん覚えることがあってめんどくさく感じますが、一方で日本語は奥深いことばだと捉えることもできるのです。

探究学舎講師 星川さん
探究学舎講師 星川賢吾さん

古代文字から読み解く漢字の成り立ち

私たちが何気なく使っている、漢字はどのようにしてつくられたのでしょうか?気になる、探究学舎オリジナルの漢字ドリルの内容についても教えてもらいました。

星川さん:漢字のもとになったのが甲骨文字と呼ばれるものです。授業では、甲骨文字がどのように漢字に変化していったのかをクイズ形式を取り入れながら、楽しんで学んでいきます。


例えば、この漢字は「雨」です。元となった甲骨文字は、空から降ってくる雨粒を描いているように見えませんか。この甲骨文字が時間をかけて形を変えていき、今の「雨」という漢字ができました。

月、火、山など見た感じのままの文字は、わかりやすいですよね。そこからだんだん問題を難しくしていきます。


次に紹介する漢字は「光」です。「光」の元となった甲骨文字は、人がたいまつ(火)を頭に掲げている様子を表しています。人がたいまつをかかげて洞窟を歩くと光が生まれることから、この甲骨文字が変化して「光」という漢字が生まれました。この辺りはクイズにすると子どもたちは苦戦しますね。


こちらの漢字は「象」です。元となった甲骨文字を見てみると、長い鼻が特徴的ですね。これらの漢字の元となった甲骨文字は、目に見える形などを活かして作られたものが多いです。

このように、漢字の成り立ちを辿っていくと、ひとつひとつにきちんとストーリーがあります。それを知ったときの発見や驚きが漢字を知る楽しさにもつながります。

探究学舎オリジナルの漢字ドリル

星川さん:漢字の成り立ちをクイズ形式で学んだあとに、受講者に探究学舎オリジナルの漢字ドリルを配ります。先ほどご紹介した漢字の成り立ちのストーリーを思い出しながら、甲骨文字から漢字に変化していく様子を筆ペンでなぞるという内容になっています。

漢字ドリルの取り組み方は人それぞれです。火は赤で人の部分は青にするなど、色を変えて書く子がいたり、カラフルにしてアートっぽくしたり。写経のように綺麗になぞって書いたり、取り組み方にそれぞれの個性が出ておもしろいですね。

星川さん:授業の中では、甲骨文字かるた大会もあります。漢字の成り立ちの復習をしながら、みんなで楽しみます。甲骨文字は絵で見て覚えていくので、低学年のお子さんでも安心して参加できます。

2日間の授業の最後に甲骨文字に興味を持った子がお礼の手紙を甲骨文字で書いて持ってきてくれたことがあって、すごく嬉しかったですね。

ストーリーを知れば漢字が楽しく覚えられる

探究スペシャル「ことば編」を受講した後に、漢字に対する苦手意識がなくなったというお子さんがたくさんいます。漢字が好きになるきっかけをつくることで、自発的な学びにつながるのですね。

星川さん:先ほど紹介したように、漢字ひとつひとつのストーリーを知ることが学びの楽しさにつながります。歴史や古代人の考え方、漢字の成り立ちなどを探究していくと、たくさんのおどろきやときめきに出会います。そうした感情を味わうことで、もっと知りたいという気持ちや、自ら学び出したくなる自主性が育まれます。
漢字を自分の体で表現してみたり自分で新しい漢字を考えてみたり、親子で一緒に楽しみながら漢字に触れていくのもいいですね。

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日程:日程①8/1(火)・2(水)  ②8/10(木)・11(金) ※どちらの日程も同じ内容です。
時間:10:30~16:30(90分を3コマ×2日間)
講師:星川賢吾
対象:小1~中3
受講料:39,600円(税込)
会場:探究学舎(東京都三鷹市)
申込締切:各日程の前日昼12時

 

お話を伺ったのは…

星川賢吾さん  探究学舎講師

埼玉県生まれ。中央大学文学部卒業 小学校から大学までサッカーに打ち込む。大学在学中に、大学のサッカー部と地域の小学校をつなぎ、スポーツ教育、学習支援を行う活動にも取り組む。卒業後はIT企業の人材部門に入社。営業、イベントの企画・運営などを行う。並行して小学校のサッカーチームのコーチとしても活動。2019年に探究学舎に入社。

取材・文/やまさきけいこ

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