子どもたちは色々な便利ツールを手にすることで沢山の時間を短縮できるように
今、話題の対話型人工知能「ChatGPT」を開発したオープンAI共同創業者のサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)が慶應義塾大学で講演を行った際に電卓について引き合いに出した計算についての動画があったので紹介します。
What do you think are appropriate ways to use Ai in education?
教育現場におけるAiの適切な利用方法とはどのようなものだと思いますか?
この質問に対してアルトマン氏は、電卓が登場した当時「子どもたちが数学を学ぶことをしなくなるのでは?」といった数学教師達の心配について言及しています。
そしてアルトマン氏は「暗記教育がなくなったのは確かなものの、電卓というツールを手にしたことで、今まで計算に費やしてた時間を代数や微積分の学習に費やすことができ、人々の可能性を上げることができた」と主張しています。
↑こちらの6:30-10:07をご覧ください
子ども達はこれから、色々な便利ツールを手にすることで沢山の時間を短縮できるようになります。だからといって学ばなくなるということではありません。その時間を、また別の何かに使うことになります。それは、何でしょう?
オンラインでつなぐ暗算大会「そろフェス」で「つながる」体験
先日、「そろタッチ」では世界中をオンラインでつなぐ暗算大会「そろフェス」を開催しました。
大会に向けて世界の各教室ではチームメンバーを決め、優勝に向かって練習を積み重ねてくれていました。初級・中級・上級と3つのレベルに分かれトーナメントを勝ち上がります。参加チームは年々増え、今回は世界5カ国から92チームが参加してくれました。そして各国、各地の教室や家、外出先から参加してくれました。
子ども達はzoomにログインし、タブレットに出題される問題を時間内に解き、チームの平均ポイントで競い合います。ポイント集計は運営側が共有する画面に瞬時に表示され、まるでクイズ番組のようなドキドキを味わうことができます。進行役であるファシリテーターは社内の英語ができるスタッフがバイリンガルで進行しました。
涙ぐみながらも気丈に振舞っていたり、嬉しさを抑えきれず飛び跳ねたりと、普段見ることのない子ども達の表情に保護者の方も驚いたというメッセージも沢山いただきました。
また、各教室で日頃子ども達と向き合っている先生方の感極まるシーンには、私達も胸が熱くなりました。
距離や言語に関係なく、ネット環境があれば「つながる」体験をこの大会で子ども達に提供できたことは本当に嬉しい限りです。
昔ならこのような大会は現地に行き、スタッフは紙や鉛筆で集計をしていたでしょう。子供達やご家庭にとっても時間と労力がかかり、参加したくても参加できない子ども達が沢山いたと思います。
しかし今はデジタルの力が簡易に参加できる環境を整えました。
では、感情や体験はどうでしょう?
私達は、この体験こそが成長においてとても大切だと感じています。
「そろタッチ」で培われた暗算力は一人ひとりのツールに
「そろタッチ」を使い子ども達は日々、暗算力の習得を目指して頑張っています。数字を珠に変換して珠の動きを頭でイメージし、答えを瞬時に出す練習をしています。
その結果、子ども達は電卓をたたくより早いスピードで答えを導き出していきます。「そろタッチ」で培われた暗算力は一人ひとりのツールとなり、今後、この能力は人生において沢山の時間を短縮してくれるでしょう。
そしてツールの獲得と共に、この過程で教室を通して世界と自然につながること、仲間意識、時に沸き起こる感情のコントロール、先生の声がけやお友達との繋がりの中で変化していくことこそが、大切な経験ではないかと思います。
暗算力というツールを持って短縮された時間と便利なデジタルの力で、こうした代え難い様々な経験に時間を費やし、その経験や得られた時間のゆとりから、子ども達の新しい発想やアイデアが生まれ、様々な可能性に溢れた未来になることを願っています。