日本一、面積が大きな島は?
日本一面積が大きな島については、北海道・本州・四国・九州・沖縄本島を含めるかどうかにより、考え方が変わります。それぞれのケース別に、日本最大の島を見ていきましょう。
最大面積を誇る「本州」
日本で一番大きな島は、本州です。本州の面積は約22万8,000平方kmで、日本の総面積約37万8,000平方kmのおよそ6割を占めています。
日本で生活する上で、本州を島と認識する人は少ないかもしれません。北海道・本州・四国・九州・沖縄本島を本土と呼び、それ以外を「島」と呼ぶのが一般的です。
ただし世界的に見ると、本州はれっきとした島です。その面積は、世界の島の中で7番目に位置します。なお世界一大きな島はグリーンランドで、その面積は日本の約6倍です。
本州・北海道など本土を除けば「択捉島」
本土を除いた場合の日本一大きな島は、北方領土の一つ、択捉(えとろふ)島です。面積は約3,167平方kmあります。沖縄本島の面積は約1,208平方kmなので、比べてみるとその大きさをイメージできるでしょう。
択捉島は長さが約203~204km、幅がもっとも広い部分で約30kmと、細長い形が特徴的です。名称の由来はアイヌ語の「岬のあるところ」で、島の北端のカモイワッカ岬は、日本の最北端でもあります。
なお、択捉島は北方四島(択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島)に含まれる島として、長くロシア(旧・ソ連)との領土問題を抱えています。日本政府は、1946年から今日に至るまでロシア(旧・ソ連)による不法占拠が続いていると主張し、返還を要求しています。
日本の島の数は1万以上
日本の島の数を表すデータとしては、1987年に海上保安庁が公表した「6,852島」が広く使われてきました。しかし、国土地理院が2022年1月時点のより詳細な地図を元に数えたところ、1万4,125島あることが分かっています。
これは地図の精度が向上したために、島として数えられる陸地が増えたことが要因です。35年の間に新たな島がたくさん誕生したわけではない点に注意しましょう。また本土を除く1万4,120島のうち、人が住んでいるのは416島のみで、残りは無人島です。
日本一、本土から遠い場所にある島
本土から見たとき、もっとも遠い島はどこにあるのでしょうか。日本一遠い島を、有人・無人それぞれ紹介します。
一番遠い有人島は「母島」
本土から一番遠い有人島は、小笠原諸島にある母島(ははじま)です。小笠原諸島は、東京都心から南へ約1,000kmの太平洋上にある離島群です。大小約30の島のうち、父島と母島のみ人が定住しています。
希少な生態系が残る小笠原諸島は、多くの区域が世界自然遺産に登録されています。母島も集落を除いた区域と周辺海域の一部が、世界遺産の登録区域です。
母島へ渡るには、まず東京の竹芝から父島まで船に乗らなくてはなりません。父島までは約24時間、父島から母島までは約2時間乗船して、ようやく到着します。
参考:東京都|土地分類基本調査|父島・母島|位置及び行政区域(スライド6枚目)
一番遠い無人島は「沖ノ鳥島」
無人島の場合は、沖ノ鳥島が日本一遠いといってよいでしょう。東京都心から南へ約1,700kmの場所にあり、船で片道約4日もかかります。
沖ノ鳥島は東西に約4.5km、南北に約1.7kmの小さな島で、周囲は護岸コンクリートで防護されているのが特徴です。面積こそ小さいものの、国土面積よりも大きい約40万平方kmの排他的経済水域を有しています。
なお距離だけで比べると、日本一本土から遠い島は、東京都心から約1,860kmの位置にある南鳥島です。しかしここには海上自衛隊及び気象庁の施設があり、20名あまりの職員が在住しています。厳密には無人島とはいえず、一般人が立ち入れないことから有人島ともいえない特殊な島なのです。
参考:
国土交通省|沖ノ鳥島の直轄海岸管理
南鳥島ってどこにあるの
日本で唯一! 湖に浮かぶ有人島
日本一大きな湖、琵琶湖には四つの島があります。そのうちの一つ「沖島」は、日本で唯一の淡水湖に浮かぶ有人島として知られています。沖島の面積や人口などを見ていきましょう。
琵琶湖内の有人島「沖島」
沖島は琵琶湖の東岸、滋賀県近江八幡市の北側に浮かぶ島です。本土からは約2kmの距離にあり、定期船に乗れば約10分で到着します。
面積は約1.51平方kmと、琵琶湖にある島の中では最大です。人口は264人(2020年国勢調査)で、主な産業は漁業です。
沖島には古くから人が住んでいた形跡がありますが、定住を始めたのは「保元・平治の乱」で敗れた源氏の落武者だったと伝わっています。
室町時代以降は、沖島は湖上交通の要衝として将軍家や織田信長などの権力者から注目され、戦などで重要な役割を担いました。
日本一?人間より動物が多い島
日本には人間よりも動物が多く住んでいる島もあります。観光客にも人気の、かわいい動物が暮らす島をチェックしましょう。
ウサギがたくさん「大久野島」
広島県竹原市の沖、瀬戸内海に浮かぶ大久野(おおくの)島は、500~600羽ものウサギが生息することで有名です。島全体が国立公園に指定され、ウサギとのふれあいや温泉、グルメなどを楽しむために国内外から多くの観光客が訪れています。
平和な光景が広がる大久野島ですが、国家機密保持のために地図から消された時期がありました。大久野島には、第二次世界大戦で使う毒ガス製造工場があったのです。島内には現在も発電所やガス貯蔵庫の跡、毒ガス資料館などがあり、戦争の悲惨さを伝えています。
なお日本には、人間よりも猫の数が多い「猫島」もいくつかあります。神奈川県の「江の島」や、岡山県の「真鍋島」などは、猫を目当てに訪れる人も多いようです。
島国である日本をもっと知ってみよう
世界で7番目に大きな島・本州をメインに、1万を超える島で構成される日本は、文字通り「島国」です。大きさや人が住んでいるかどうかにかかわらず、全ての島は日本の大切な国土でもあります。
この機会にさまざまな島を調べ、他にも日本一がないか親子で探してみるとよいでしょう。
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構成・文/HugKum編集部