物価上昇にはどんなメリットがあるの?
ある日の我が家……。
こんな疑問を抱くのは、我が家だけではないはずですよね。そこで、専門家にこの疑問を投げかけてみました。
SDGsに詳しい専門家に直撃インタビュー
物価上昇の問題について、持続可能な社会の実現に向けて社会に対して真の価値を生んでいきたいと考えている、株式会社シンカ代表取締役社長 CEO 町井 則雄さんに質問してきました。
SDGsの視点から考えると、物価上昇は悪いことばかりではない
物価上昇って、どんなメリットとデメリットがあるのですか?
今まで日本の物価が上昇しなかったのは、いろいろな原因が重なった結果ではあるんだけど、一つには企業による努力も大きかった。例えば、原材料費や光熱費が上がっても、利益を減らしてでも商品の値段を上げないなど価格をできるだけ維持しようとしてきたんだね。結果的に社員の給与を据え置くなど、人件費を抑えるようなことも長く続くことになったんだ。
え……?それはよくないですね。ということは、この値上がりは、企業努力も限界になったから、消費者にも必要な負担をしてもらおうとなったのですね。
そうなんだ。日本の消費者は世界一値段が上がることに厳しいとも言われるけど、約30年間も社員の給与が上がっていないのは社会全体としてはよくないことなんだ。特に若い人の給与が上がらなかったことは若者の貧困の原因にもつながってしまった。本当は若い人ほど積極的にお金を使ってくれるようになれば社会全体の景気も良くなるんだけど、そうなっていない。
物価の上昇に給与の上昇が遅れている!?
これ以上、経済格差が広がらないようにお金が回って景気が良くなっていくにはまず給与を上げてもらわないといけませんよね!
そのとおり。企業が社員の給与を上げるために商品の値段が上がってしまうのは消費者としては辛いけど、給与が上がらないとみんなお金を使う気にならない。政府が今、積極的に企業に賃上げを要求しているのはそんな理由もあるんだ。でも、今はまだ給料が上がるより物価の値段が上がる方が早いから生活が苦しくなってしまっている。さらにガソリン代や電気代が高くなるなどで家計は本当に大変だけど、この物価上昇をきっかけに給与アップにつなげていくことが大切なんだ。
SDGsの視点から考えると、物価上昇は悪いことばかりではない
今回、物価上昇が未来に対しては悪いことばかりではないということを知ることができました。そして、物価上昇はSDGsの目標8「働きがいも 経済成長も」に繋がることも分かりました。