飽きっぽい子は「拡散的好奇心」タイプ?親が子どもの“好き”を見抜いて広げるヒントを算数教材のプロが解説

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夏休みは、興味あることにじっくり取り組むチャンス。とはいえ「ウチの子、特に好きなことないし…」と首をかしげるパパママも。
タブレット教材の RISU Japan 代表で『小学生30億件の学習データからわかった 算数日本一の子ども30人を生み出した究極の勉強法』の著者・今木智隆さんに、子どもの好奇心の広げ方についてヒントを伺いました。

おじいちゃんおばあちゃんが買ってくれた本や図鑑になかなか興味を示さない我が子。せっかく買ってもらったのに、読んでないとは言いにくい…

「好きなもの・興味」は子どもの知的好奇心に繋がっていく大切なものです。できるだけたくさんのものに触れさせて経験し、学ばせてあげたいのが親心ですが、その一方で「ウチの子はすぐ飽きる」「何が好きなのかわからない、興味をあまり示さない」といったお悩みの声も。

今回は親としてどのように子どもの興味・知的好奇心と接していけばいいのかをお伝えします。

「知的好奇心」は成長の原動力!

そもそも知的好奇心は、子どもの成長にどう関わってくるのでしょうか?  ここであらためて確認しておきましょう。

知的好奇心とは、物事に対して「もっと深く知りたい、調べたい」という気持ちを示したものです。

お子さんに「なんで?」「どうして?」と質問攻めをされて困ったという経験もあるでしょう。それはまさに、子どもが物事に対して興味があることを素直に表現しており、「もっと知りたい!」「できるようになってみたい!」という意欲的な状態です。

そして実際に自分で調べてみたり挑戦したりと行動することで知的好奇心が満たされると、やる気や幸福感を感じるドーパミンが放出されます。するとまたさらに何かに興味を持った時、前向きに行動して知的好奇心が満たされるを繰り返すことで、子どもに自主性が身についていきます

好きなことや興味があるものに対しては、子どもは積極的に試行錯誤をしながら取り組みます。自然と忍耐力も高まるので、知的好奇心は子どもの自主性と成長に関わる原動力といえるでしょう。

2つの知的好奇心を育てることが成長のカギ

好奇心には2つのタイプが

知的好奇心には2つのタイプがあり、「拡散的好奇心」と「特殊的好奇心」に分かれます。それぞれの行動の傾向と対応についてみていきましょう。

拡散的好奇心は「たくさんのことを知りたい!」という、新しい情報を求める気持ちのことです。新しい環境や経験に興味を示したり、チャレンジしたりする時の後押しとなります。

子どもにとってはあれもこれもと興味が湧いている状態なので、大人からすると「この子は飽きっぽい性格なのかな?」と感じることも。あまりにもあちこちに意識が飛んでしまう場合は、まず目の前にあるものに集中できるように環境を整えてあげる必要があります。その上でどれだけ子どもが興味を持っているのかを一緒に見てあげましょう。

もう一方の特殊的好奇心は「なぜこれはこうなるのか調べたい、知りたい」という気持ちを示したものです。納得できるまでとことん調べるなど、ひとつの物事や具体的な目的達成に集中する力となります。

子どもがひとつのことを追求している場合は、親もその興味を認めてサポートをしてあげましょう。充分に熱中させてあげることで特殊的好奇心が満たされていきます。ただ、子どもが興味を示さなくなった時や熱が冷めた時は無理やりに続けさせようとせず、また新たな興味をサポートしてあげましょう。

どちらの知的好奇心も、子どもが成長して将来を切り拓いていく力となる大切なものです。

進学や引っ越しなど環境が大きく変わる時には新しくさまざまな知識や経験を得ようとする拡散的好奇心が、なにか難しい課題に直面した時は原因を突き止め解決しようとする特殊的好奇心が役立つことでしょう。

もちろん子どもの性格もありますが、この2つの知的好奇心を育てることが子どもの世界感と可能性を広げていくのです。

子どもの興味を引き出す3つのポイント

子どもの興味が生まれるきっかけは、「おもしろい!」「すごい!」という感動体験です。感動体験というと特別なものを想像されるかもしれませんが、子どもたちにとっては日常にはたくさんの感動体験があり、日々たくさんの経験をしています。

では、親はどのように子どもの興味を引き出し、そして育ててあげればいいのでしょうか?  子どもとの関わり方のポイントは3つあります。

①まずは子どもを観察する

好きなもの・興味について「私()はこれが好き!」とハッキリ意思表示できる子もいれば、自分の気持ちを言葉や態度で表現するのが苦手な子もいます。

親である私たち大人でさえ、「何が好きなの?」と聞かれて具体的にすぐ答えられるという方はあまりいないのではないでしょうか?  それと同様に、子ども自身も「好き」ということは何なのか、また「好きという気持ち」に気づいていない可能性もあります。

親御さんが見逃しているだけで、実はお子さんは既になにか熱中しているものがあるかもしれません。ぜひ今一度、お子さんの様子を観察してみてください。

子どもの多くは遊んでいる時の集中度や、話す時の声のトーンに変化が表れます。また、子どもの知的好奇心が高まるのは、子ども自身が「説明をしたい」と思っている時だそう。学校や公園であった出来事にもヒントが隠れているかもしれません。まずは日頃の様子を気にかけることから始めましょう。

子どもの「好き」「好奇心」は表情や語り口に表れる

②親の願望はNG!きっかけを与えてあげよう

巷には幼少期からやると良いと言われている習い事や、教材などがたくさんあります。ついつい親心として、子どもにやらせておきたい・得意になってほしいという願望を抱くのもわかりますが、押しつけになり負担になってしまっては子どもの知的好奇心の成長を妨げてしまいます。ほかの子と比べて焦る必要もありません。自発的に行うからこそ、子どもは成長していくのです。

また子どもからしても、自分が好きなものや興味があるものを親が認めてくれるのはとても嬉しいこと。子どもの意思をまずは尊重してあげましょう。

しかしながら、人はまったく知らないものには興味を抱くことはできません。少しでも「知っている、見たことある」という経験があれば、ふとしたこと・場面で興味が引き出されやすくなります。

本や図鑑を与える、博物館や美術館に連れて行く、映画を観るなど、子どもへのきっかけづくりをしてあげるといいでしょう。

③一緒に考えてやってみる

子どもが「どうして?」「なんで?」と質問をしてきた時は、なるべくその時に応えてあげましょう。

この時重要なのは正確な答えを教えてあげることではなく、「考えるヒントを与えてあげること」です。子どもの知的好奇心は自分で考え実行し、達成した時に満たされます。

「どうしてだと思う?」「もしかしたら、こういうことかな?」など、子どもが答えにたどり着けるようにサポートしてあげることが大切です。

また、子どもは答えが難しいような「なぜ?」を投げかけてくることもあります。そんな時は「わからないなぁ、お母さん(お父さん)に教えてよ」といって聞いてしまうのも手。大好きなママやパパにと思って、一生懸命調べて説明してくれるでしょう。

忙しいとついついすぐに答えを教えてしまったり、あしらってしまいがちですが、それでは子どもの知的好奇心に繋がるきっかけを奪ってしまいます。その時に答えられないのなら、「今はご飯の用意をしているから、後で一緒に考えてみよう」と忙しい理由をきちんと説明した上で、時間を作って一緒に取り組むように心がけましょう。

「なぜ?」「知りたい」を親子で共有する時間を

親子で一緒に世界観を広げよう!

子どもたちの日常には、たくさんの興味のタネが散りばめられています。まだ幼いうちは興味があるものを見つけたからといって、最初から最後まで子ども自身だけで考えて経験することは難しいことです。

子どもの興味の芽が出た時、親とのコミュニケーションという栄養があってこそ、興味はどんどん膨らみ成長していきます。ぜひ一緒にお子さんの興味があることに目を向けてみましょう。

親である私たち大人も、子どもの視点に立ってみると新たな発見がたくさんあるかもしれません。子どもと一緒に興味を持ち経験し、親子で世界観が広がっていくのはとても素敵なことです。

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記事執筆

今木智隆|RISU Japan株式会社代表取締役
京都大学大学院エネルギー科学研究科修了。ユーザー行動調査・デジタルマーケティングのbeBitにて国内コンサルティング統括責任者を経験後、2014年、RISU Japan株式会社を設立。小学生の算数のタブレット学習教材で、延べ30億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムを考案。国内はもちろん、シリコンバレーのスクール等からも算数やAI指導のオファーが殺到している。

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構成/HugKum編集部

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