現役中学生の戦国プリンセス博士ちゃん・諸星天音「お城巡りはアイドルのライブに行っている感覚」戦国時代のトリコになったきっかけは1冊の歴史小説

小5の時にTV番組『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』(テレビ朝日系列 毎週土曜日 夜6時56分~放送)に“戦国プリンセス博士ちゃん”として出演し、歴史好きを全国区で知られるところとなった、現在中学2年生の諸星天音さんを直撃!歴史に興味を持ったきっかけから、歴史や城巡りの魅力について、天音さんのお母さんも同席いただきお話をお聞きしました。

きっかけは「穴」…それから『のぼうの城』にはまって歴史が大好きになりました

天音さんが「歴史」に興味を持ったきっかけを教えてください。

神奈川県の小机城に行ったことがきっかけで、城好き、歴史好きに。

天音さん:小4のときに広い遊び場所を探していたとき、お母さんが小机城(こづくえじょう:神奈川県)に連れていってくれたんです。そのとき穴を見つけて、自然にできた感じではないし「これ、なんだろう?」って思ったのがきっかけです。図書館に行って本で調べてみたら、それが「堀」だと知って、そこからどんどん調べていくうちに楽しくなっていきました。

お母さん:私はただ広い場所を…と思い連れて行っただけだったんですけどね。そこに本丸があることは知ってましたが、小机城が「続日本100名城」にも選ばれているほどのお城とは知りませんでした。ただ私の兄が考古学とか発掘とかをやっていて、急に娘も歴史に興味を持ったので何か縁があるのかなぁ〜とは思いましたね。

天音さん:それまで伯父さんが歴史に詳しいっていうのは、全然知らなかったんです。いつもは自分で本を読んだりして歴史を楽しんでいますが、伯父さんにもいろいろ教えてもらっています。

お母さん:小机城に行った同時期ぐらいに、戦国時代にまつわる小説を読んだり、映画を見たりし始めて、もっと歴史が好きになっていったんだよね。

天音さん:1番好きなのは『のぼうの城』です。映画は何十回も観たし、小説も何十回…もしかしたら100回超えてるぐらい読んでると思います。家には『のぼうの城』グッズがいっぱいです!その影響で、主演の野村萬斎さんの狂言も2回、観に行きました。

大好きな『のぼうの城』は100回くらい読んでいる。

 天音さんが感じている『のぼうの城』の魅力を教えてください。

天音さん:『のぼうの城』は、小田原北条家の支城のひとつ・忍城(おしじょう:埼玉県)の戦国時代の実話をもとにした物語です。ストーリーも好きなんですけど、その忍城の城代・成田長親(なりたなかちか)が「のぼう様」と言われて領民に愛されるんです。そんなのぼう様の武将武将していなくって愛されキャラなところが好きです。

あとお城巡りが好きなんですけど、のぼう様が城代をしていた忍城も好きですね。最近は忍城を攻めた石田三成(いしだみつなり)が本陣を置いたといわれている、丸墓山古墳からお城を眺めるっていうことをよくしています。

お城巡りはアイドルのライブに行っている感覚に似ているかも

 全国のお城巡りをされているということですが、お城の魅力はなんですか。

天音さん:お城を見ながら当時のことをいろいろ考えたり、石垣に張り付いたりするのがすごく楽しくって。石垣で好きなのは高取城(たかとりじょう:奈良県)です。日本三大山城と呼ばれているお城で山の上にあるんですけど、あの大きな石垣を山の上まで運んで作ったのもすごいなって思うし、石垣自体もすごいかわいいんです。

お母さん:全国各地のお城を巡っていますが、石垣に張り付いてボーッとしてるんですよ。石と会話しているみたいです。スーパー謎ですよね(笑)。石垣も“かわいい”とか“かっこいい”とか、アイドルグループみたいのもあるんでしょ。

「横須賀城」(静岡県掛川市)にて 丸っこい石の石垣に魅力を感じるそう

天音さん:そう!かっこいいのが大きな“鏡石”で、かわいいのが後ろで頑張っている“裏込め”ちゃん。裏込めちゃんは見えないんだけど、後ろで石垣を支えてるっていうのがなんかかわいいです。

お城は石垣だけが当時のまま残っているところが多いんですけど、気に入ったお城があるとずっとそこにいたり何回も行きたくなるんです。その感覚は、みんながアイドルグループのライブに行っている感覚に似ているかもしれないです。

先ほど『のぼうの城』の主人公・成田長親が好きということでしたが、ほかに好きな武将はいますか。

おすすめの歴史小説、歴史本について語る諸星天音さんは、はじけるような笑顔!

天音さん:9月に大河ドラマの時代考証をやられている平山優先生と「城熱祭」というイベントに参加するので、今 徳川家康(とくがわいえやす)と武田信玄(たけだしんげん)の勉強をしているんですが、「徳川四天王」と呼ばれている徳川家臣の酒井忠次(さかいただつぐ)・本多忠勝(ほんだただかつ)・榊原康政(さかきばらやすまさ)・井伊直政(いいなおまさ)が好きです。この前、本多忠勝さんの直系(分家)の子孫の方と会うことができて、歴史を面白く話してくれて、すごく楽しかったです。

お母さん:たまたまその方が兄の大学の友達で、三河武士のやかた家康館で学芸員をやられているんです。今、仕事の関係で東京と愛知に住んでいるらしくって「リアル参勤交代中なんですよ」とか歴史用語を使ってお話しされたり、大河ドラマで本多忠勝を演じている山田裕貴さんのことを「かっこよすぎだよね」と言ったりして、面白い方でした。娘も終始ニコニコしながら話してましたね。

天音さん:戦国時代が好きなんですけど、戦が好きな訳ではないんです。石垣はもちろん、走るのが好きなので騎馬隊の馬とか足軽(軽装で戦う歩兵)に興味があります。でも、もし戦国時代に生まれるとしたら、領民思いの領主がいるところの農民になりたいです。

「知覧城」(鹿児島県南九州市)にて

お母さん:急に寝言で「私、前は馬だったんだ」とか「武田の騎馬隊の馬にはなりたくないなって思って生きてたんだ」なんて言い出すんですよ(笑)。

天音さん:寝言で言ったのは覚えてないですけど、「武田の騎馬隊の馬にはなりたくない」のは本当にそう思っています。だって武田の騎馬隊の馬は、織田軍から鉄砲で打たれちゃうんで(苦笑)。

「恐竜」から「宇宙」を通って「歴史」好きになりました

『のぼうの城』をかなりの回数読んでいるとのことですが、本を読む楽しさを教えてください。

天音さんのお母さんも、「歴史好き」をサポートしてくれる存在。

天音さん:小さい頃から本を読むのが好きだったので、あんまり「どうして本が好きか」とかは考えたことはないんですけど、多分本を読んで今まで知らなかったことが知れるのが楽しいんだと思います。

たくさん本が読みたくて、速読のトレーニングをしたら読むのがすごく早くなったので、小説や歴史の専門書籍とかでも1日に2・3冊読むときもあります。好きな本は何回も読みます。何回も読んでいるうちに、以前気づかなかったところに気づいたりして、それをかみしめながら読んでいくのも楽しいです。

お母さん:本当に活字が大好きみたいです。娘は中学受験をしたんですけど、「ちょっと休憩していい?」って、息抜きに本を読み出すんです。それじゃ目が休まらないよって心配してたんですけど…。新しい本を読んだかと思うと『のぼうの城』に戻るので、面白い読み方しているなぁ〜と思いながら見ていますね(笑)。

「掛川城」(静岡県掛川市)にて
「掛川城」(静岡県掛川市)にて

小4で歴史が好きになるまでは、どんなことが好きでしたか。

天音さん:小さい頃から小学館の図鑑をよく読んでいました。小1ぐらいで「恐竜」にはまって、小2ぐらいで「宇宙」に行って、小4で「歴史」にたどりついた感じです。「宇宙」は「星座」とか「神話」が好きでした。保育園の頃には、「プリンセス」も通ったらしいけど、全然記憶はないです。でも、その面影を感じるノートは残っています(笑)。

お母さん:娘は小さいころから、いろんなことに興味を持って「とりあえずやってみる」的なところがある子でした。その中で自然消滅してくものはもちろんたくさんあるんですけど、気になったら黙々とやるタイプで、「歴史」に辿り着いてからはいつも楽しそうですね。

後編はこちら

【後編】では、「歴史」から「防災」に興味を持ったという天音さんに、「防災」を勉強することについてや中学校生活の様子までを聞きます。

部活でも歴史を学ぶ、戦国時代好きの中学2年生・諸星天音さんは、“ジュニア防災検定アンバサダー”としても活躍中!
『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』出演をきっかけに、防災にも興味が 天音さんは「歴史」から「防災」に興味を持ったと聞きま...

カメラマン/五十嵐美弥 取材・文/綱島深雪

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