部活でも歴史を学ぶ、戦国時代好きの中学2年生・諸星天音さんは、“ジュニア防災検定アンバサダー”としても活躍中!

“戦国プリンセス博士ちゃん”の中学2年生・諸星天音さんは、実は「防災」にも詳しく“ジュニア防災検定アンバサダー”としても活躍中。前編では歴史が好きなったきっかけやお城、戦国武将への愛をたっぷり語っていただきました。インタビュー後編では、「歴史」から「防災」に興味を持ち始めたワケや中学校生活についてもお伺いしました。

『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』出演をきっかけに、防災にも興味が

天音さんは「歴史」から「防災」に興味を持ったと聞きましたが、その経緯を教えてください。

“戦国プリンセス”として小学生のころからテレビ出演をしている諸星天音さん(中学二年生)

天音さん:TV番組『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』に出演した時に、濱口和久先生の『戦国の城と59人の姫たち』を愛読書として紹介したんですけど、その時初めて濱口先生が一般財団法人防災教育推進協会常務理事・事務局長をしている方だと知ったんです。歴史の先生だと思ったら、防災の先生?…と驚いて、防災のことを調べているうちにはまっていきました。

お母さん:濱口先生もきっかけだったんですけど、娘が小6のときに震度5ぐらいの地震があって、私にドンとタックルみたいに強く抱きついてきたんです。2人暮らしなので、私が倒れたら元も子もないと思って、次の日に「タックルはやめようよ」と話し合ったのも大きかったですね。自分の身を守るために何をするべきかを考えるタイミングだったんだと思います。

天音さん:あと伏見城(ふしみじょう:京都府)で、豊臣秀吉が耐震工事をしていたというニュースを見て、当時でも耐震工事とかあるのスゴイと思って、防災についてはもちろんなんですけど、「歴史の中の防災」にも興味を持ち始めました。

天音さんがおすすめする「防災」と「歴史」の本がずらり

「歴史の中の防災」というのは具体的にはどんなことですか。

天音さん:掛川城(かけかわじょう:静岡県)の被災図を見たことがあるんですけど、昔は地震があってどこかが壊れても勝手に直しちゃダメっていう決まりがあって、幕府に「ここが壊れました、直していいですか」と被災図を提出しなくちゃダメだったんです。

昔の書物は…例えば織田信長の「信長公記」だったら勝者である信長の家臣がまとめた本なので、信長のことを誇張して書いていることはあると思いますが、災害後の被災図は何も誇張する必要もないので正しい情報が残っているということに興味がわきました。

お母さん:磯田道史先生の著書『マンガでわかる災害の日本史』とか日本史の中の災害を学ぶ本もあって、どんどん日本史の中での災害に興味を持ったみたいです。

天音さん:いろんな本を読んで、江戸時代後期の1854年に起こった安政南海地震のときの「稲むらの火」が印象に残っています。大地震が起こり津波で被害にあった村人が避難するために貴重な稲むらに火をつけて目印にしたり、村の復興のために防波堤を作ったりする濱口梧陵(はまぐちごりょう)さんのお話なんですが、いろんな人に知ってほしいと思いました。

もし電車が止まったら…と考えて、8 〜10kmぐらいなら走っています

「ジュニア防災検定上級」などの資格取得にも積極的に挑戦

「ジュニア防災検定上級」や「防災検定準2級」に合格されたということですが、防災の勉強をしてよかったと思うことはなんですか。

天音さん:防災に詳しくなれたり、実際何か起こったときにどうすればいいのかというのを知れることがよかったと思います。検定のときも、他の選択肢を見て、どこがダメなのかどこが間違っているのかも気づけて、防災の知識が増えていくのを実感しています。

お母さん:同時にジュニア防災検定の課題で自由研究みたいなものに取り組んだんですけど、タイトルなんだっけ?

天音さん:「熊本城の防災力。籠城戦の備蓄から学ぶ防災」。

“防災検定・ジュニア防災検定アンバサダー”として活動も

お母さん:そうそう。完全に8割方、お城がテーマだったんですけど。それで検定の結果も合わせて「防災自由研究優秀賞」「家族防災会議特別賞」「成績優秀賞」という賞をいただいて、2023年3月から“防災検定・ジュニア防災検定アンバサダー”として活動させてもらっています。もっと検定を広めたいと、そなエリア東京でのイベントを企画して小中学生で防災について一緒に学ぶ活動を行ったりしています。

防災を勉強し始めて、日頃心がけていることはありますか。

天音さん:もし電車が止まったら…ということを考えて、8〜10kmぐらいなら走っています。走るのが好きなんです。

お母さん:学校から家まで8kmぐらいあるんですけど、普通に走って帰ってきたりするんですよ。それにお出かけしていて2人で口論になったときに、「私ここから走って帰る」とか言い出して、本当に走り出しちゃうんです。心配が絶えないのですが、走っているからかお城巡りをしているからか、文化部なのに体力はあって元気は元気ですね。

勉強は一晩置かないと頭に入ってこないので、翌朝やります

天音さんは「探究学舎」という学び場に通われていたとのことでしたが、どんなきっかけで「探究学舎」に通われたのですか。

お母さん:娘が歴史にハマっていくのをそばで見ていて、私自身はそんなに歴史は詳しくないし、普通の塾じゃこの子の欲求は満たされないだろうと思って、いろいろ調べて見つけた場所でした。「探究学舎」さんは、「何がダメ」とか言わずに自由に学びたいことを学べる場所なので、娘も楽しく参加できていたみたいです。

天音さん:お母さんから聞いた時、最初は何をするところかよくわからなかったけど、大好きな戦国時代のことが学べると聞いてすぐ「行く行く」って言いました。自分が今まで学んだ知識が役立ったり、クイズ形式で楽しく学べたりして、とっても楽しかったです。

お母さん:小4のとき、2日間のコースに参加したんですけど、その後コロナ禍になってしまい、オンラインでお世話になっていました。すると小5の夏終わりぐらいに、「急に中学受験したい」と言い始めて…。歴史好きで独特なところがあるのも理由のひとつなんですが、娘はタップダンスを長く習っていて、お兄さんやお姉さんが受験だからといって半年とか1年とか休むのに気づいて、自分は休みたくないと思ったみたいです。

天音さん:「探究学舎」も楽しかったですし、普通の塾も先生と話すのが好きなんで、楽しく行っていました。今の中学は大学附属で、好きなことを続けられると思うので、中学受験して良かったと思っています。

今、中学生ということですが、普段はどんな生活をしていますか。

天音さん:学校がある日は朝5時半に起きて勉強して、学校に行く7時半ごろまでに身支度を整えています。もちろん学校から帰ってからも勉強はするんですけど、なんか一晩置かないと頭に入ってこないので、夜は早く寝て朝にやることにしました。毎日8時間ぐらいは寝ていると思います。

お母さん:本当に睡眠って面白いなって思います。娘は、睡眠でメモリを定着させてから話し出すことが多くって、急に1日2日前のことを話題にしてきて驚くことも多いです。でも寝ることで娘にはいい感じのメモリができてるんだなって感じてるので、基本的に寝てしまったら寝相が悪くても何してもそのまま放っておいてます(笑)。

中学では部活動はしていますか。

天音さん:はい、歴史研究部です。周りは世界史が好きな子が多いんですけど(苦笑)。

お母さん:娘は、歴史研究部初の女子部員なんです。初めての女子部員で今も1人しかいないから、合宿に行っても一人部屋をもらえるって喜んでます。OBの皆さんにもかわいがってもらえて楽しんでいるようで安心しています。

天音さんの活躍が楽しみ!

「熊本城の防災力。籠城戦の備蓄から学ぶ防災」プレゼンテーションをする様子

「歴史」から「防災」まで、興味をもったことをとことん追求し楽しんでいる天音さん。“戦国プリンセス”としても、“ジュニア防災検定アンバサダー”としても、お母さんと二人三脚で歩んでいく天音さんの今後の活躍が楽しみです。

歴史好きになったきっかけを語った前編はこちら

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カメラマン/五十嵐美弥 取材・文/綱島深雪

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