【アグネス・チャンさん】「AI時代は、とんがっている人間を育てることが大切。まわりから非難されたり比べられても、ユーモアでかわして」子どもの好きを伸ばすアグネス流子育て流儀とは

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歌手やエッセイスト、ユニセフ協会大使としても幅広く活躍し、教育に深く関わってきたアグネス・チャンさん。3人のお子さんがスタンフォード大学に進学したことでも話題となりました。そこで今回はアグネスさんに、多くのママパパが抱える悩みへのアドバイスをしてもらいました。

AI時代を生きる子どもたちの教育で必要なこと

__今を生きる子どもたちに必要な力とはどんな力でしょうか?

アグネスさん:どの時代でも一番大切なのは「自己肯定力」だと思います。自分のことを「価値のある人間」だと信じることです。日本の社会では、誰かと比べたり、ルールを守ってはみださないことが求めれがちなので、まわりと異なった考えが出しにくいんですよね。

ですが、これからのAI時代は、とんがっている人間を育てることが大切親は、まわりから非難されたり比べられようとも、ユーモアでかわして子どもを応援していくこと。平均点を求めるよりも、その子の特別な部分を伸ばしてあげるほうがいいと思います。

子どもの興味関心を応援することには無駄はない!

例えば、うちの長男は料理が好きで「将来はコックになる」というので、3歳くらいから料理を教えて、食についてとことん興味を持たせました。でも9歳になって、「やっぱりコックになるのはや~めた」って言ったんです(笑)。

まわりからみたら無駄な時間だとか、おかしな育て方だと思われるかもしれないけれど、私はそれでもいいんです。彼は心の中で、「みんなと一緒じゃなくてもいいんだ、自分のその時に興味があるものを追及していけばいいんだ」という考えができるようになったと思います。ひとつのことを突き詰めたことで料理ができる子になりましたしね。彼はいまでも料理がすごく上手ですよ。

また、次男は昔から音楽が好きなのですが、仕事を1年休み、スペインに行ったんです。フラメンコとスペイン語を学びに行くって。そこで彼、ギターを自分の手でいちから作ってきたんですよ!私も弾かせてもらったんですけど、良い音色でとっても感動しました。

好きなことがあると、それが直接仕事に活かせなくても人生がとっても豊かなものになりますよね。だから子どもの好きなものを応援して一緒に楽しむことは、今の子育てにはとても大事だと思います。子どもの興味を応援することにひとつも無駄なんてないんです!

子どもの自己肯定感を育むポイント

子どもと正直に向き合って

__自己肯定感が低い子どもに自信を持たせる秘訣はありますか?

アグネスさん:子どもってすごく敏感ですから嘘はすぐにわかります。「ハンサムだね!」って言っても嘘だってわかって余計に落ち込んじゃう(笑)。だから嘘で褒めないこと。褒めるときは心から褒めよう!

例えば、「字はまあまあだけど、力強さがあっていいね」など、本当に良いところを褒める。あんまり良くないところもきちんと伝えると信じてもらえるので、正直に子どもと付き合うことは大切です。うちの子たちも、みんなそれぞれ上手なところが違うから、それぞれのいいところを見つけてとことん褒めて育てました。

例えば、ファッションセンスがある子なら、「ママのお洋服も選んでくれる?」と言ってやってもらうことで、その子に自信がつきます。自分がやったことで人をちょっと幸せな気持ちにできるような場面をたくさん作ってあげて、プラスの経験を増やしてあげるのもいいですね。

働きながら子育てをするうえで意識していたこと

 

__働きながら子育てをしていると子どもと一緒に過ごす時間が限られますが、意識していたことはありますか?

アグネスさん:子どもが私と一緒にいる時間が楽しくてしょうがないように、毎日工夫をしていました。とにかくママが帰ってくるとなにが起こるのかわからない!なにが起きるんだろうって思わせるために、仕事の帰り道に一生懸命考えていました。時間は長くなくても大丈夫。夜の15分、20分でも本当に楽しければ一日のさみしさが全部消えますよね。

疲れている時に、「テレビ見てるから黙ってて」などと子どもを突き放すと余計に疲れるんですよ。なぜかと言うと脳内環境が悪くなるから。幸せホルモンが足りないと人間は落ち込むし、疲れちゃうんです。帰ってきて座っているより、子どもと一緒に手をつないでアイスを買いに行ったり、公園で少しだけ遊んだり。そうすると不思議なことに自分の一日の疲れも消えるんです。

自分の脳内のホルモンをコントロールして、むしろ子どもに付き合ったほうが元気になれる。子どもも自分も幸せな気持ちで良く眠れるし。よく寝る子は早く起きて元気に学校に行くという良い循環ができます!

ママ友との上手な付き合い方

__子育てをする中でママ友との付き合い方で気をつけていたことはありますか?

アグネスさん:ママ友とは、仲良くし過ぎないないほうがいいんです。なぜかというと、複雑じゃないですか(笑)。子どもの友情関係に影響するのが嫌なので、感謝の気持ちを忘れずに最低限のことはするけれど、仲良くなって秘密を交換したり、一緒に買い物やお茶会などはやりませんでした。学校のボランティア活動には積極的に参加していたので、学校に行けば子どもたちの様子もわかるし、必要な情報は先生から聞けます。

親同士の付き合いがあると、子ども同士が喧嘩したときに変な圧力がかかってしまうことがあったり、子どもは仲が良いのに親同士の仲が悪いと子どもの付き合いの邪魔になってしまうのが嫌なんです。だから子どもの誕生日会には親は呼ばない、呼ばれても行かない。子どもの世界を大人は邪魔しないようにして、本当に仲良くしたい人がいれば卒業してから連絡を取るのがいいですね。

アグネスチャンさんの子育てインタビューの続きは、次の記事で

スタンフォード大学へ進学した息子3人を自ら学ぶ子に。アグネス・チャンさんの「愛情たっぷりな戦略的子育て」とは?「勉強は自由を手にするための手段」
子どものスマホ・ゲームとの付き合い方 __スマホやゲームとの付き合い方で気を付けることはありますか? アグネスさん:私が子育てをして...

いまからでも取り入れたい!アグネス流子育て

アグネスさんは、たくさんの子育て本を執筆しています。その中の一冊『未知に勝つ子育て』は、2019年に発売されたのですが、今の時代を先読みしていたかのような内容に驚きます。今回のインタビューに出てきた自己肯定感についての話や、子どもたちに毎日違うことを体験させたエピソードなども書いてあるので気になる人はぜひチェックしてみてください。

著/アグネス・チャン|1540円(税込)

三人の息子を母校スタンフォード大へ送り出し、
注目を集める教育学博士アグネス・チャン氏が、
王道なきAI時代の家庭教育 = 「未知への賭け」に勝利するための、
覚悟、知恵、技術、賭けドコロを伝授。

 

プロフィール

アグネスチャン|歌手・エッセイスト・教育学博士
1955年香港生まれ。72年、日本歌手デビュー。上智大学国際学部を経て、カナダのトロント大学(社会児童心理学)を卒業。85年に結婚、翌年の86年に長男を出産。89年、米国スタンフォード大学教育学部博士課程に留学。留学中の89年に次男を出産。94年同大で教育博士号(Ph.D)取得。96年に三男を出産。息子3人全員がスタンフォード大学に合格したことでも話題に。ユニセフ・アジア親善大使、日本対がん協「ほほえみ大使」など芸能界のみならず幅広く活躍。

撮影/五十嵐美弥 取材・文/やまさきけいこ

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