漫画とか図鑑とか。字が多い本を読みたがらない我が子をどうしたら…【読書教育オンラインYondemy代表に訊く】

多彩な読書体験は人生を豊かにしてくれます。できれば我が子にもたくさんの良書に出あってほしい。そう考えるパパママは多いものの、実際は漫画や図表中心の本ばかり、ということも多いようで・・・。
読書教育のプロである「ヨンデミーオンライン」代表の笹沼颯太さんに、「文字の多い本」に親しむためのポイントを伺いました。

子どもが「本好き」を自覚する絶好のチャンス!

本を読むことへの自信がつくきっかけに

漫画や図鑑しか読まないという場合であっても、本が好きという自覚が芽生えるチャンスはあります。子どもが本好きであることを自覚することで、本を読むことへの自信につながっていきます。

漫画や図鑑を読んでいる姿を見かけたら、「〇〇ちゃんは本が好きなんだね」「本を読むのって楽しいよね」と声をかけてあげると、「自分は読書が好きなんだ!」と気づかせてあげることができます。読書好きであることを自覚することで、さまざまな本を読む意欲が湧くきっかけともなるでしょう。

また、日常の会話で読書経験を繋げるのもおすすめです。「このお花、こないだ読んだ図鑑に載っていたよね」「この漫画の主人公は、〇〇ちゃんの性格にそっくりだね」などと、日常会話のネタとして本を使ってみてください。そうすることで、子どもは本を身近に感じられるようにもなり、さまざまなジャンルの本への挑戦もしやすくなるでしょう。

読みたい本を楽しくたくさん読むことから始めよう

文字の多い本を読みたがらないお子さんのほとんどが、本を楽しくたくさん読めていないケースが多くみられます。ヨンデミーでは、①楽しく、②たくさん、③幅広くの順番で読書習慣を身に着ける方法を推奨しています。文字の多い本や難易度の高い本、異なるジャンルの本は最後のステップの「幅広く」のカテゴリーであり、そこにたどり着くまでには、1番と2番の「楽しく、たくさん読む」というステップをしっかり踏んでおく必要があります。

子どもが選んで読む本が漫画や図鑑などであっても、読書として認めてあげ、思う存分たくさん読ませてあげてましょう。文字を読むのに慣れ、読書習慣がついてくると、徐々にジャンルの違う本や文字が多い本に手を伸ばしやすくなります。

文字の多い本が読めるようになるコツってあるの?

読書習慣がついてきたら、いよいよ次のステップ。タイミングを見計らいながら少しずつ幅広いジャンルの本に挑戦してみましょう。

お子さんが、文字の多い本に挑戦するのに苦戦しているようであれば、ちょっとしたサポートをしてあげて、お子さんの興味や関心を引き出すお手伝いをしてあげてみてください。その時にできる効果的なサポート方法をご紹介します。

冒頭だけ「読み聞かせ」で読書をスタート

文字の多い本を読む時のいちばん高いハードルは、本の読み始めです。子どもが文字の多い本を手に取ったとき、読み始める前から「本当にこの本おもしろいのかな…」「文字が多すぎて読み終わるのに時間がかかりそう…」などと本に対して抵抗感をもつ傾向があります。しかし、文字の多い本の読み始めのハードルをちょっと下げてあげるだけで、子どもの読書意欲を掻き立ててあげることができます。

その具体的な方法としておすすめしているのが、読み聞かせです。文字の多い本を読む時のいちばん高いハードルである本の冒頭部分を、読み聞かせでスタートしてみましょう。そうすることで、本の中に入っていきやすくなり、子どもは話の続きがどんどん気になるように。読み聞かせをしているうちに、「なんだか面白そう!」「自分で早く読んでみたい!」と自分で読書する意欲が湧いてくるでしょう。

1日に読むページ数を決めておく

また、1日に読むページ数を決めておくのもおすすめです。「文字の多い分厚い本」に対する抵抗感をなくすためにも、毎日5ページずつ読むなどと読むページ数の目標を決めておくと、負担に感じることなく気軽に読めるようなります。

子どもは、興味を持てばどんな難しい本でも読めるように! 子どもが「この本、読んでみたい!」という気持ちが湧くまで伴走してあげると、文字の多い本を読むことの楽しさを見つけることができるでしょう。

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◆お話を伺ったのは…

笹沼颯太 | 株式会社Yondemy代表
2023年、東京大学経済学部経営学部卒。
教育に読書を取り入れる分野で第一人者の澤田英輔氏の指導を受ける。英語多読講師の経験も活かし、大学在学中の2020年4月に中学以来の友人と「Yondemy」を起業。「子どもの読書離れ」という課題の解決に向けて、同年12月にオンライン読書教育「ヨンデミーオンライン」のサービス提供を開始。2年間で累計3500人以上の会員登録者数を誇る。

文・構成/小学館 HugKum編集部
©︎株式会社Yondemy, 2020 – 2023

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