「哺乳類」とはどのような生き物? 定義や特徴、起源から種類まで解説【親子で学ぶ生物】

哺乳類は地球上のさまざまな場所で暮らしています。姿やすんでいる場所が違うのに、なぜ同じ種類に分類されるのだろうか、と思う人も多いかもしれません。哺乳類の定義や特徴、間違えやすい動物などを知り、理解を深めましょう。

哺乳類の定義とは?

哺乳類は人間にとって身近な存在であり、ヒトも哺乳類の仲間です。哺乳類の意味を何となく知っていても、分類法や共通点などを詳しく知らない人も多いでしょう。哺乳類の定義や、特徴などを紹介します。

学問上では脊椎動物の一つ

哺乳類は分類学上、脊椎動物の哺乳綱(ほにゅうこう)に分類される動物です。哺乳綱の「綱」は分類階級の一つで、上位から順に界・門・綱・目・科・属・種で分けられます。

哺乳類と呼ばれるようになった理由は、メスが乳腺から出した母乳を子どもに与えて育てるためです。以前は爬虫類から進化したと考えられていましたが、現在は両生類から進化した単弓類が哺乳類の祖先と考えられています。

単弓類は古生代に出現し、陸上で繁栄した種類です。ほとんどが絶滅しましたが、一部が生き残り哺乳類が誕生したとされます。

哺乳類の特徴は視覚・聴覚・嗅覚のいずれもが発達し、大きな脳を持っていること
哺乳類の特徴は視覚・聴覚・嗅覚のいずれもが発達し、大きな脳を持っていること

哺乳類が持つ特徴と主な種類

哺乳類は「恒温動物」であり、体が毛で覆われていることが特徴です。一部を除き胎内で十分に育ってから生まれてくるので、厳しい環境に耐えられ、熱帯から寒冷地までさまざまな地域に分布しています。

視覚・聴覚・嗅覚のいずれもが発達し、大きな脳を持っていることもポイントです。多くが陸上で生活していますが、クジラやイルカのように海にすむ哺乳類もいます。

一般的に「獣」と呼ばれる動物は哺乳類に属し、ウサギ目・ゾウ目・アルマジロ目・ネコ目・ウマ目など、多くの種類に分類されています。

世界で見られる哺乳類の数

世界中にいる哺乳類の数は、約6,000種です。多いと感じるかもしれませんが、他の生物と比較すると少ないほうだといえます。例えば、鳥類は約1万種、魚類は3万5,000種、爬虫類は1万種以上です。

気候変動や環境の変化などにより、絶滅してしまう種類もいるので数は変動します。また、絶滅したと思われていた鳥類や魚類などの新種が発見され、話題になることも珍しくありません。

哺乳類の起源

哺乳類の起源は恐竜の時代にまで遡ります。最古の哺乳類や、現在のように繁栄できた理由などを見ていきましょう。

最古の哺乳類は2億2,500万年前

これまでに分かっている最古の哺乳類は、2億2,500万年前に存在した「Brasilodon quadrangularis」です。体長は約20cmでモグラに似た姿をしており、最古の恐竜が生きていた時代と同じころに穴を掘って生活していたとされます。

発見された当初は爬虫類だと考えられていましたが、歯の化石を調査したところ哺乳類の特徴が見つかりました。爬虫類の歯は一生の間に何度も生え替わりますが、哺乳類は乳歯から永久歯に生え替わるのみです。Brasilodonには乳歯と永久歯が確認できたため、哺乳類だと判明しました。

哺乳類が繁栄できた理由

哺乳類は体が小さかったことが幸いして恐竜に捕食されない場所に逃げ込み生き残ったと考える研究者も。
哺乳類は体が小さかったことが幸いして、恐竜に捕食されない場所に逃げ込み生き残ったと考える研究者も。Internet Archive Book Images, No restrictions, Wikimedia Commons

哺乳類が絶滅することなく今日まで生き残り、地上で繁栄できた理由にはさまざまな説が考えられます。

例えば、哺乳類はワニや鳥類とは違い、特定の場所に特化した進化をしなかったのでさまざまな場所に適応できたとする説があります。新しい環境や、手に入る食べ物に合わせて進化できたのです。

また、体が小さかったことが幸いし、恐竜に捕食されない場所に逃げ込み生き残ったと考える研究者もいます。体が小さければ少量のエサでも生き残れるため、絶滅せずに済んだとも考えられています。

他と間違えやすい哺乳類とは?

哺乳類の中には海や空などで見かける種類もいるので、魚類や鳥類と混同してしまうことがあります。他の種類と間違えやすい哺乳類について、理解を深めましょう。

海にすむ哺乳類

イルカは、海にすんでいる代表的な哺乳類です
イルカは、海にすんでいる代表的な哺乳類

クジラやイルカなどは、海にすんでいる代表的な哺乳類です。魚と同じ空間で泳ぐので魚類だと勘違いしてしまいがちですが、れっきとした哺乳類で「鯨偶蹄(くじらぐうてい)目」に分類されます。

人魚のモデルとも言われるジュゴン
人魚のモデルとも言われるジュゴン

他にも、ジュゴン・マナティなどの「海牛(かいぎゅう)目」やアシカ・アザラシなどの「鰭脚(ききゃく)目」が海に生息する哺乳類です。

彼らが海にすんでいる理由には、さまざまな説があります。今のところ、魚類から進化して一度は陸での生活を試みたものの、うまく適応できなかったため再び水中へ戻っていったとする説が有力です。

なお、以前は鯨目と偶蹄目は分けられていましたが、DNAの研究が進みクジラとカバが近い種類であることが分かったので、近年では鯨偶蹄目として同じグループに分けるようになりました。

空を飛ぶ哺乳類

コウモリは、トガリネズミなどの食虫目を祖先に持つ哺乳類
コウモリは、トガリネズミなどの食虫目を祖先に持つ哺乳類

コウモリは空を飛ぶので鳥類と混同されやすいですが、哺乳類の仲間でも、げっ歯類の次に種類が多い「翼手(よくしゅ)目」に分類されます。翼は5本の指からなり、トガリネズミなどの食虫目を祖先に持ちます。

翼手目は哺乳類の中でも種類が多いことで知られ、大きさは30cm程度の小型のものから翼を広げたときの大きさが1mを超えるものまで、さまざまです。日本でも多くの種類が生息していますが、洞窟のような人目に付かない場所を好む夜行性動物なので、目にする機会は少ないでしょう。

モモンガやムササビなども空を飛ぶイメージがあります。しかし、それらは皮膜を広げて滑空移動しているだけなので、自由に羽ばたいて飛んでいるわけではありません。

卵を産む哺乳類

ハリモグラは、卵を産む哺乳類
ハリモグラは、卵を産む哺乳類

哺乳類は胎内で子どもを育てますが、その特徴に当てはまらないものもいます。カモノハシとハリモグラは、卵を産む哺乳類です。

カモノハシはくちばし・水かきを持ち、卵からかえった子どもに母乳を与えて育てます。ハリモグラは土の中で暮らし、アリなどを食べる動物です。背中に針状の毛があり、外敵から身を守っています。

カモノハシとハリモグラは分類学上「単孔類」に分類され、哺乳類の中でも原始的なグループに属しています。

身近な哺乳類の仲間を探してみよう

哺乳類の仲間はさまざまな場所にすみ、ネズミのように小さなものからクジラのように最大級のものまで幅広い種類がいます。哺乳類の分類がどうなっているのかを調べると、無関係だと思っていた種類同士のつながりが分かるなど、新しい発見があるかもしれません。

卵として生まれてくる種類がいることや、空を飛べるものもいることを知っておくと、より哺乳類への理解が深まります。身近にいる動物の中から、哺乳類の仲間を探してみましょう。

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構成・文/HugKum編集部

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