大人気「ポケモン化石博物館」でカセキポケモン・古生物について楽しく学ぼう!

「ポケモン化石博物館」とは、人気ゲーム『ポケットモンスター』シリーズに登場する「カセキ」と「カセキポケモン」を、わたしたちのいる世界の化石と見比べて、楽しく学習するという展示。国立科学博物館をはじめ、全国の博物館で開催されている巡回展です。そんな「ポケモン化石博物館」でできることや見どころを丸ごとご紹介しましょう。

ポケモン化石博物館とは?

「ポケモン化石博物館」をご存じですか? 人気ゲームの『ポケットモンスター』シリーズに登場する「カセキポケモン」と、私たちの世界の化石を見比べながら、古生物について楽しく学べる巡回展で、全国で評判を呼んでいます。

ポケモン化石博物館のコンセプト

『ポケットモンスター』シリーズは、子どもをはじめ大人でも夢中になっている人が多い大人気ゲーム。そんなポケモン好きの一人の学芸員のアイデアで生まれたというのが、この「ポケモン化石博物館」です。

ポケモン好きの子どもや大人なら「カセキポケモン」のことも詳しいはず。そんなカセキポケモンと、実在した古生物を取り上げ、ポケモンの世界にも化石や古生物の魅力にもどっぷり浸かってもらおうというコンセプトです。

今回は、株式会社ポケモン My First Pokémon プロジェクトで「ポケモン化石博物館」を担当された服部悦哉さんにお話をお聞きしました。

本展示を企画したきっかけや狙いを教えてください

この企画は、北海道の三笠市立博物館に勤務されていた学芸員の相場大佑さんからの、一通のメールがきっかけではじまりました。相場さんは子どもの頃からポケモンのゲームを遊んで育った大のポケモンファンで、現在は東京にある深田地質研究所でアンモナイトを中心に古生物学の研究をされています。

 

当時の相場さんからのメールには「ポケモン化石博物館」の企画について、ポケモンの世界のカセキから復元される「カセキポケモン」と、私たちの世界の「古生物」を比較した展示を行いたい、と書かれていました。それを読んで、すごくワクワクしたのを覚えています。

 

ただ、その企画を三笠市立博物館だけで実施するのは惜しいと思い、国立科学博物館を含む全国の博物館で巡回展として行えないかを相場さんに相談しました。そこから5つの博物館が集まり、巡回展「ポケモン化石博物館」の企画がスタートしたのです。

 

「My First Pokémon プロジェクト」は、ポケモンを通じて子どもたちに貢献することを目的としたプロジェクトです。今回の企画は、ポケモンを通じて子どもたちが古生物を楽しみながら学べる、私たちのプロジェクトにぴったりの企画だと思いました。

 

この巡回展を通じて、ポケモンを好きな子どもたちは古生物に興味を持ち、古生物を好きな子どもたちはポケモンに興味をもってくれるのでは…、そんな願いを込めて企画を実現しました。

化石という科学・学習的なテーマとポケモンが融合することによって、子どもたちにどのような発見や影響をもたらしているのでしょうか?

総合監修の相場さんが「研究の基本は比較と観察」と話してくれたことがあります。ポケモンと古生物を見比べながら観察すると、いくつか似ている部分があることに気づきます。

 

例えばうずまきポケモンの「オムナイト」と「オムスター」は、どちらも脚が10本ありますが、古生物の「アンモナイト」も10本の腕を持っていた可能性が高いといわれているそうです。

 

またこうらポケモンの「カブト」には、背中に2箇所と体の下の方に2箇所の、合わせて4つの目がありますが、古生物の「カブトガニ」には、目立つ複眼が2箇所、「鼻」のように見える眼が2箇所、体の腹側にも1つあって、合計5つの目があります。

 

子どもたちには、実際に展示会場で「カセキポケモン」と古生物を見比べて、似ているところや違うところを探して、自分なりに何かを発見してもらえればと思っています。「カセキポケモン」と見比べることで、新しい発見があるかもしれません。

子どもたちや親御さんにどのようなところを見て欲しいですか?

私たちの世界にたくさんの博物館があるように、ポケモンの世界にも「はくぶつかん」があります。『ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ』と『ポケットモンスター Let’s Go! イーブイ』に登場する、カントー地方の「ニビかがくはくぶつかん」では、こうらポケモンの「カブトプス」のカセキをゲームの中で見ることができます。

 

「ポケモン化石博物館」で展示されている、「カセキポケモン」の骨格想像模型は、この巡回展で初めて公開されたもので、実際のポケモンの高さに合わせて作られています。ぼうくんポケモンの「ガチゴラス」は2.5m、ツンドラポケモンの「アマルルガ」は2.7mもあります。ゲームに登場した、「カブトプス」のカセキの骨格想像模型も、実際の高さで見ることができるので、子どもたちはゲームの中に自分が入り込んだような感覚を覚えるかもしれません。

 

そんな、ゲームの中でしか見ることができなかったポケモンの世界の「カセキ」と、私たちのいる世界の「化石」の両方を見ることができる「ポケモン化石博物館」で、子どもたちの視点から見える何かを発見してもらえればと思っています。

開催館情報

2021年7月から、北海道の三笠市立博物館で始まった「ポケモン化石博物館」。これまでに島根県の島根県立三瓶自然館サヒメル、東京の国立科学博物館、愛知県の豊橋市自然史博物館、大分県の大分県立美術館、新潟県の新潟県立自然科学館、群馬県の群馬県立自然史博物館、岩手県の岩手県立博物館で行われました。2024年2月時点で開催が決まっている博物館は、次の通りです。

御船町恐竜博物館(熊本県)
2024年3月20日~6月23日
ポケモン化石博物館(御船町恐竜博物館)

岐阜県博物館(岐阜県)
2024年7月19日~10月27日
ポケモン化石博物館(岐阜県博物館)

これ以降の巡回先は、「ポケモン化石博物館」のホームページで随時紹介されますので、そちらをチェックしてみましょう。
ポケモン化石博物館

ポケモン化石博物館で体験できること

ポケモン化石博物館開時の国立科学博物館外観  © National Museum of Nature and Science/© 2024 Pokémon. © 1995-2024 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
ポケモン化石博物館開時の国立科学博物館外観

ポケモン化石博物館で、どんなことができるでしょうか?

ゲームの中のカセキポケモンが目の前に登場!

ふだんからゲーム『ポケットモンスター』シリーズに親しんでいる子どもや大人なら、おなじみの「カセキポケモン」。ポケモン化石博物館では、そんな「カセキポケモン」が実物大の骨格想像模型になって目の前に展示されているから、リアルにポケモンのゲームの世界に迷い込んだような体験を楽しめます。

いつもは画面の中にあった世界が、リアルに展示されているから、博物館をめぐる間中、ワクワクする気持ちが止まらなくなるはずです!

カセキポケモンと古生物の化石を比較できる

ポケモン化石博物館では、「カセキポケモン」の実物大の骨格想像模型が展示されています。

そんな「カセキポケモン」は、私たちの世界で発見されてきた化石と似ているところがとても多いもの。例えば、「カセキポケモン」の「チゴラス」は、ティラノサウルス・レックスとどこか似ている部分が多くあります。そんな標本などが並べてあり、「カセキポケモン」と私たちの世界の化石を見比べて、どんなところが似ているのか、どんなところが違うのかを発見し、楽しむことができます。

子ども向けにフリガナ付きのわかりやすい解説

ポケモン化石博物館のそれぞれの標本などには、小さな子どもでもわかりやすいように、解説には細かくフリガナがふられています。イラストも数多く使われていて、ポケモンの世界と私たちの世界には、どんな違いや共通点があるのか、わかるように展示されています。だから、大人はもちろん、子どもも楽しみながら見て回れるのです。

限定・発掘ピカチュウにも出会える

ポケモン化石博物館に登場するピカチュウは、化石の発掘などを行う調査員の姿をした「発掘ピカチュウ」です。ぬいぐるみが限定グッズとして販売もされており、ピカチュウ好きは迷わずゲットしたくなるかもしれません。

そのほかにもポケモン化石博物館ならではのグッズも数多く販売されています。

ポケモン化石博物館の見どころセレクション

では、ポケモン化石博物館の見どころをピックアップしてご紹介します。

カセキポケモンの骨格想像図

ポケモン化石博物館では、「カセキポケモン」の骨格想像図がイラスト化されて展示されています。イラストには、古生物の骨格図を描く専門のイラストレーターが、「カセキポケモン」の動きなどを考慮して作成したものもあり、骨格想像図はなんと初公開です!

カセキポケモンの実物大模型

「カセキポケモン」の実物大の模型も展示されています。ゲームに登場する「カセキポケモン」が復元されており、見どころもたっぷりです。

書き下ろしアートも

ポケモン化石博物館では、さまざまな書き下ろしのアートが登場。古生物と「カセキポケモン」の共通点や違うところを、そのアートで見比べて探すこともできます。

お得な利用のコツと計画の立て方

ポケモン化石博物館の利用方法と計画を立てるポイントをご紹介しましょう。

入館の方法

入館方法は、ポケモン化石博物館を開催している全国の博物館により異なりますが、事前予約が必要な場合が一般的。博物館のホームページから、事前に行きたい日にちや時間を決めて予約しましょう。

楽しむための計画の立て方

事前に「カセキポケモン」について詳しく調べておくと、ポケモン化石博物館の展示を見たときに、その理解がさらに深まります。

子どもとの楽しい一日を安全に過ごすために

子どもにも人気のポケモン化石博物館。安全に子どもたちと楽しく過ごすために、事前に安全対策や持物を確認しておきましょう。

ポケモン化石博物館での安全対策

新型コロナウイルス感染症は落ち着いたものの、多くの人が集まる博物館のような場所は、いつでも感染するリスクがあります。特に免疫力の弱い子どもは、感染する可能性も高まります。帰宅後はしっかりうがいと手洗いを徹底するなどの安全対策を忘れずに行いましょう。

ポケモン化石博物館に行くときのおすすめ持ち物

ポケモン化石博物館に行くときは、ポケモン図鑑を持参するのがおすすめ。気になる「カセキポケモン」を調べたり確認したりできます。また、写真撮影は博物館によって認められる場合と認められない場合があります。事前に博物館のホームページ等で確認しましょう。

子どもが化石や古生物に興味を持つきっかけに

ポケモン化石博物館開時の国立科学博物館中央ホール © National Museum of Nature and Science/© 2024 Pokémon. © 1995-2024 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
ポケモン化石博物館開時の国立科学博物館中央ホール

子どもたちにおなじみのポケモン。ふだんからゲームの世界でよく親しんでいる「カセキポケモン」が、イラストや実物大の模型で展示されていたら、それだけで夢中になりそう。さらに、よく似た実際の化石と見比べることで、「カセキポケモン」も化石や古生物のことも、これまで以上に深く知ることができるはず。そして、子どもが化石や古生物について興味を持つきっかけになるかもしれません。

そんなポケモン化石博物館に、ポケモン好きの子どもと一緒にぜひお出かけしてみませんか?

ポケモン化石博物館

© 2024 Pokémon. © 1995-2024 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは 任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
© 2022 National Museum of Nature and Science, Tokyo. All rights reserved.

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