万年筆ってどんなもの?
万年筆って聞いてどんなイメージを持ちますか?髭を生やしたおじいさんが使うもの?なんだか高くて触るのも怖いもの?
万年筆は液体のインクを中に入れて使うペンです。逆にいうと、インクを入れないと書くことができないですし、インクを使い切った時にはインクを入れる作業が必要になります。量もたくさんは入りません。ですから、シャープペンやボールペンと比べて手がかかります。でも、その手のかかるところが愛おしくなってくる不思議な魅力があります。書くことを楽しむための筆記具なのです。
昨今は、リーズナブルなお値段のものも増えて、万年筆を楽しく使う人が増えてきました。この記事をきっかけに万年筆に触ってみませんか?
万年筆に使えるインクの種類
万年筆にはインクを入れる必要があります。Fonteには2種類のインクが用意されています。
インクカートリッジ
カートリッジという、細長い容器にあらかじめインクが入っていて、万年筆に差し込むことで使えるタイプのインクです。
Fonteでは2種類のセットがあります。
「Fonte インクカートリッジ」は、ブラック、ブルーブラック 、グレー、コバルトブルー、ライトブルー、ピーコックグリーン、ブラウン、レッド、ピンク、パープルの10色展開されていて、1箱に同じ色が6本入りのものです。
「Fonte インクカートリッジ ミックス」は定番のブラック、ブルーブラックが各2本、グレー、コバルトブルー、ライトブルー、ピーコックグリーン、ブラウン、レッド、ピンク、パープルが各1本の計12本セットになっています。
ボトルインク
Fonteでは万年筆に付属している「コンバーター」という道具があります。それにボトルインクを吸い込ませて使います。
Fonteのボトルインクカラーは?
・あなたがすき〈アメジスト〉
・まっすぐつよく〈サファイア〉
・うごきだそう〈カイヤナイト〉
・ひろいこころで〈トルマリン〉
・ひとやすみ〈マラカイト〉
・ゆっくりいこう〈アイドクレース〉
・しなやかに〈オーロベルディ〉
・あかるいほうへ〈モッカイト〉
・しんこきゅう〈スモーキークォーツ〉
・まずやってみよう〈サヌカイト〉
の全10色
(ボトルインクと同じ形の瓶に入っている「パール(写真右下/ゴールドパール・シルバーパール)」は万年筆には使えません)
純正のものしか使えない?
Fonteは欧州共通規格に合わせて作られているため、他のメーカーでも同じ規格のカートリッジを使うことや、他のメーカーのボトルインクをコンバーターで吸い込んで使うこともできますが、初めのうちは純正のものを使うことをお勧めします。万年筆メーカーによっては純正以外のインクの使用を保証しないこともあるからです。まず、基本を押さえてから自分の楽しみ方を見つけられるといいですね。
カートリッジのいいところ、ボトルインクのいいところ
カートリッジは簡単にインクをセットできます。またセットするときに手が汚れづらいのもいい点だと言えます。カートリッジは密閉されているので予備を持ち歩くこともできます。ただし、カートリッジになっているインクの色数はボトルインクと比べるととても少ないです。
一方、ボトルインクの1番の長所は色数の多さです。特にFonteのボトルインクは混ぜて自分の好きな色を作ることができます。しかし持ち歩くことは難しいので、特にお出かけ先でたくさん書く予定がある時にはインクの残りの量を確認しておくと良いでしょう。インクをコンバーターに吸わせるときに手が汚れやすいので、手袋をするなど対処するのも1つの方法です。
インクを入れてみよう
インクカートリッジを使ってみよう
1.万年筆の胴軸を外し、次にコンバーターを外します
2.カートリッジを用意します
左側(指で差している・首が細くなっている側)が万年筆のペン先に差し込む側です。ちなみに万年筆インク色は濃くて判別がしづらいので、Fonteでは差し込み口と反対端の部品がインクの色になっています。
3.カートリッジを差し込みます
少し硬いのでグッと押し込むように気をつけながら差し込みます。
4.胴軸を取り付けます。ペン先までインクが届くと書けるようになります
なかなかインクがペン先まで届かない場合は、
ペン先を少し水につけるか、ペン先を柔らかい布(ガーゼのハンカチなど)に包んでペン先を下にして軽く振ると、インクがペン先まで行き渡ります。
このように文字が書けるようになりました。
コンバーターを使ったボトルインクの使い方
1.万年筆の胴軸を外します。コンバーターを外している場合はしっかりと差し込んでください
2.コンバーターはつまみを回すことで弁が動き、インクを吸うことができます。コンバーターの先端にあるつまみを回して弁をペン先(写真で指さしているところ)まで動かします
3.ボトルインクを用意して(前回ご紹介したオリジナルの混色インクもOK。ただし、パール入りのものはNGです)、蓋を開けます。首軸(指さしている部分)までインクの中に浸します
4.コンバーターのつまみを動かすことでインクを吸い上げます
5.インクを吸い終わったら柔らかい布(ガーゼのハンカチなど)でペン先についたインクを拭き取ります。また胴軸を取り付けます
インクがペン先まで行き渡り、このように書けるようになりました
万年筆の洗い方
1.水を入れた容器と水を捨てるための容器を用意します。キレイに洗ったプリンカップなども使えます。
2.コンバーターにインクを入れて使っていて、インクがまだ中に残っているならば、先に別のところに出します(写真では少量だったので布に吸わせました)。カートリッジの時はカートリッジを外し、コンバーターを取り付けます。
3.コンバーターで洗うための水をいっぱいに吸い込み、捨てる容器に出します。途中、洗うための水が汚れたときは交換します。
4.布などにペン先を当ててもインクの色が出なくなったら洗い終わりです。
長い間使っていなかった時などでは、ペン先やコンバーターの中でインクが乾いてしまい、なかなかキレイにならない場合があります。その時は一晩水に浸しておきます。
その後の洗い方は先ほどと同じです。
「万年筆」と「インク」 気をつけることは?
万年筆を使うときに気をつけることがあります。
1.力を入れずに書くことができるペンです。肩の力を抜いて書いてみましょう。
2.1番のお手入れ方法はなるべく毎日使うことです。使わない期間が長くなるとペンの中でインクが詰まったり、インクが出なくなることがあります。日記やスケジュールを書くと毎日使う可能性が高いので良いかもしれません。また、しばらく使わないと思ったら、洗ってよく乾かして保管しましょう。
3.違う色のインクを混ぜないようにしましょう。インクの色を変えたい場合は一度キレイに洗ってから新たに使う色のインク(カートリッジ・コンバーター)を入れます。
4.同じ色のインクでも瓶には戻さないようにしましょう。インクの劣化につながります。
5.洗うときは必ず「水」を使いましょう。お湯を使ったり薬品を使ったりすると万年筆が傷む場合があります。
ヨーロッパの中には
ヨーロッパの中には文字の書き方を万年筆で学ぶ国もあるそうです。日本では大人の筆記具のイメージが強い万年筆ですが、子どもも使える筆記具です。もちろん日本のメーカーでも子ども向けの商品があります。ぜひ、トライしてみてください!
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文・構成/ふじいなおみ