子どもの小さな嘘が気になります。放置したら嘘つきの常習犯になりませんか?【現役教諭がアドバイス】

月刊誌『小学一年生』に寄せられたパパママからのお悩みに、現役の小学校の先生がお答えします。今回のお悩みは、子どもの「小さな嘘」。親はどう受け止めればいいのでしょうか。

Q:子どもの小さな嘘。どう反応すればいいでしょう?

娘の小さな嘘が気になります。内容は、お兄ちゃんが「縄跳び100回できた」と言うと「私は200回跳べた」と張り合うような他愛もないものです。「そうなの」と笑って受け流していますが、同じことを外でやって嘘つきと責められないか、このまま嘘をつく性格にならないか心配です。子どもが嘘をついた時、どう反応したらよいのでしょうか。 (R さん)

A:笑って受け流し、自分自身に向き合える声かけをしましょう。

この年頃の子どもがつく嘘は、かわいいものです。自分を大きく見せたい、人より優れていることを認められたいといった気持ちから嘘をついてしまうのです。成長の証でもあるので、心配はいりませんよ。娘さんも、お兄ちゃんと張り合って、お母さんに自分のいいところを見せようとしたのかもしれませんね。

ただ、ここで「すごいね!」と驚いて見せるなど、過大に評価してしまうのはNGです。嘘でも褒めてくれるのだと子どもは勘違いをしてしまいます。だからといって、嘘をついたことを責めたり、とがめたりするのは子どもを追いつめるだけで何も解決はしません。

最善は、Rさんのように「そうなの」と笑顔で受け流すことです。そして、「次は250回跳べるようになるといいね」と、自分の記録と向き合えるように仕向けるのです。そうすれば、誰かと比べるのではなく、自分を高めることが大切なのだと気づいてくれるでしょう。

学校でも、日頃から人と比べるのではなく、自分自身と向き合うよう指導しています。それによって例えば、体育の授業では、今持っている記録を誰かと比べたりせず、次はどのくらい伸ばせるか、そのために何をしたらいいかを考えるようになっていくのです。

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私がお答えしました

佐々木陽子先生 | 公立小学校教諭
低学年の担任経験が豊富で、現在は主幹教諭として教鞭をとる傍ら、先生が読む教育情報サイト『みんなの教育技術』に執筆も行う。
『小学一年生』2023年12月号別冊『HugKum』
イラスト/かまたいくよ
構成/天辰陽子

1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。

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