「その服かわいくないよ」友達の嫌な言葉で傷ついている小一の我が子。親がとるべき対応は?現役教諭のアドバイスは「傷ついた子どもの心に寄り添い、先生にも相談を」

月刊誌『小学一年生』に寄せられたパパママからのお悩みに、現役の小学校の先生がアドバイス。今回のお悩みは、子ども同士のトラブルへの関与の仕方。親はどんな距離感でどう対応するべきなのでしょうか。

Q:友達に嫌なことを言われているようです。親はどう対処すればよいでしょうか?

わが子には、保育園の頃から仲良くしている子がいます。ところが、入学してからちょこちょこ「その服かわいくないよ」「早く準備して」など、わが子が嫌だなと感じる言葉をかけてくるようです。担任の先生には相談していません。
低学年の子ども同士のトラブルについて、親がとるべき対応の方法、やってはいけない声かけなどを教えてください。(くろこっぺママ)

A:学校で起きたことは先生に相談し、解決に導いてもらいましょう。

これが一度きりの会話であれば、気にしなくてもいいのかなとは思います。子どもですから、会話の流れでたまたまそう言ってしまった、ということもありますからね。けれど、これを日常的に繰り返し言われるのであれば、先生に相談されたほうがいいと思います。このまま放っておくとエスカレートしていく可能性もあり、いじめにつながりかねない案件だからです。

保育園時代からの友だちでしたら、お母さん同士のつながりもあるのでしょうか。ネガティブなことでもお互いに言い合える関係でしたら、直接相手の親御さんに伝えてもいいのかなとは思います。けれどそうでない場合、直接伝えることで親同士の関係性が崩れてしまうだけでなく、子ども同士の仲までおかしくしてしまうことにもなりかねません。子ども同士のことで、学校で起きているのであれば、やはり担任の先生に相談するのがベストだと思います。

放課後、電話などで「先生、ちょっと気になることがあるのですが」と、子どもから聞いたことをできるだけ正確に伝えましょう。その際、相手の子を「悪者」と決めつけるのは尚早です。先生に実際はどうなのかを見てもらえるようにお願いするのがポイントです。

1年生の担任は、一日のほとんどを教室で過ごしています。とはいえ、約40人の子どもたちを一人で見なくてはなりません。ですから、子どもに関する保護者からの情報は、先生にとってとても助かるのです。

先生が子どもたちの様子を見て、まずいなと思えば、きちんと指導してくれるでしょう。相手の子が先生に指摘されたことで、「いけないことなのだ」と気づいてくれたら、それでよし、ではないでしょうか。

お父さんお母さんは、心ない言葉で傷ついたわが子の気持ちに寄り添うことはもちろん大切です。そして、実際はどうなのかを先生に確認してもらうこと。その後の対処もお任せしましょう。よい方向に解決できるといいですね。

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私がお答えしました

佐々木陽子先生 | 公立小学校教諭
低学年の担任経験が豊富で、現在は主幹教諭として教鞭をとる傍ら、先生が読む教育情報サイト『みんなの教育技術』に執筆も行う。
『小学一年生』2024年2‐3月号別冊『HugKum』
イラスト/かまたいくよ
構成/天辰陽子

1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。

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