大分銘菓って?
九州の北東部で、福岡や熊本、宮崎に隣接する大分県。別府温泉や湯布院温泉などの有名温泉地があることでもよく知られています。そんな大分では、ここでしか食べられないご当地スイーツが目白押し。お土産にもチェックしたい、大分の銘菓をご紹介します。
まずはこれ!│大分銘菓【定番編】
ユニークなご当地スイーツが多い大分ですが、まずは定番のお菓子をチェックしましょう。大分土産に選べば間違いのない、大人気のお菓子をご紹介します。
ざびえる
大分のご当地スイーツとして必ず名前が挙がるのが「ざびえる」。餡をバター風味豊かな洋風の皮で包んだ、和洋折衷のお菓子です。
銘菓ポイント
豊後の地を訪れ南蛮文化をもたらした、フランシスコ・ザビエルの功績をたたえて生まれたお菓子です。黒いパッケージが目印です。
「ざびえる」
ラム酒漬けしたレーズンを刻んで入れた「金のざびえる」と、純和風の白餡を包んだ「銀のざびえる」の2つの味があります。日本茶にも、コーヒーや紅茶にも合うスイーツです。
瑠異沙
すみれ色の餡をカステラ生地で包み、アルミホイルに包んで焼き上げたお菓子「瑠異沙(るいさ)」。ネーミングは、大分県佐伯市にあり、江戸時代に作られたキリシタンの墓石に「るいさ」という女性の名前が刻まれていたことが由来です。
銘菓ポイント
「ざびえる」と同じ「ざびえる本舗」が作るお菓子で、「ざびえる」に並ぶメジャーな大分銘菓です。
「瑠異沙」
中の餡がすみれ色なのは、バイオレットリキュールで味つけされているから。口の中に広がる淡いすみれの香りと、やさしい口あたりで人気を集めています。
ボンディア
「ボンディア」とは、砕いたくるみを練り込んで入れた小豆あんを、パイ生地で包んで焼いたお菓子。バターの香ばしい風味とくるみの食感がアクセントになっています。
銘菓ポイント
1978年に大分がポルトガル・アベイロ市と姉妹都市になったことを記念して誕生したお菓子です。パイ生地といった異国の素材と、日本ならではの小豆を組み合わせたスイーツで、大分といえば「ボンディア」というほどメジャーな存在です。
「ボンディア」
くるみ入りの小豆餡がたっぷり入って、ボリューム満点。レモン、抹茶、チョコなど、季節限定や期間限定の味にも注目してください。
荒城の月
大分でもっとも古い和菓子店「但馬屋」が作る代表的和菓子が「荒城の月」です。黄身餡をあわ雪で優しく包んだお菓子です。
銘菓ポイント
「但馬屋」は1840年創業。過去の戦火をくぐり、歴代の当主が守ってきたという貴重な木型などを利用し、伝統的な製法を守り続けています。
「荒城の月」
大分県竹田市にある岡城をイメージして、瀧廉太郎が作った名曲「荒城の月」にちなんで生まれました。「但馬屋」のもうひとつの銘菓「三笠野」とあわせてぜひどうぞ。
やせうま
「やせうま」とは、小麦粉で作られた麺を茹でて、きなこと黒蜜をかけて食べる和菓子のこと。大分ならではのご当地スイーツです。
銘菓ポイント
平安時代に八瀬(やせ)という乳母が、お腹をすかせた若君に、小麦粉でできた生地を薄くのばしてきなこをまぶして食べさせたそう。そんな由来から「やせうま」と呼ばれるようになり、大分の郷土料理となって伝わっています。
「やせうま」
もちもち食感の麺と、きなこ&黒蜜の組み合わせが最高。ココアパウダーや抹茶をまぶすアレンジもあるそうですが、まずはスタンダードな「やせうま」の味をどうぞ。
一伯
「一伯(いっぱく)」とは、求肥でこし餡を包み、餅米を焼いて作った薄い種で挟んだ和菓子です。甘すぎず、素朴なのに上品な味わいです。
銘菓ポイント
徳川家康の孫にあたる松平忠直は、大坂夏の陣で活躍した人物。しかしその後、豊後の地で出家して「一伯」と名乗りました。松平忠直が茶席で用いていたお菓子から着想を得て生まれたのが、この「一伯」です。
「一伯」
大分の地で茶の湯を愛したという松平忠直。そんな歴史に思いをはせながら頂きたいお菓子です。
鶏・関さば・レモンも!│大分銘菓【名産品を使ったお菓子編】
ご当地のお菓子には、その土地ならではの名産品が欠かせません。大分の名産品を使ったお菓子をご紹介します。
関さば最中・関あじ最中
大分の特産品である関さばと関あじに見立てた最中です。関さばの中には、羽二重餅入りの粒餡が、関あじにはこし餡が入っています。
銘菓ポイント
瀬戸内海と太平洋がぶつかりあう豊後水道で、一本釣りによって獲れるさばとあじが「関さば」「関あじ」です。そんな大分ならではの海の幸をモチーフにしています。
「関さば最中・関あじ最中」
米粉やかぼすは大分県産のものを使うなど、できるだけ地元産の素材を使用しています。大分の豊かな食を堪能できるお菓子です。
佐伯マリンレモン
大分県佐伯市で育った、鮮やかな緑色のマリンレモンを使ったお菓子です。マリンレモンで自家製ジャムを作り、自家製の手亡餡(てぼうあん:インゲン豆の一種「手亡豆」で作った餡)の中に練り込んでいます。
銘菓ポイント
黄色ではなく緑色の外観であるマリンレモン。未成熟のときに収穫する佐伯の特産品です。豊後水道の海風と太陽が育てたフルーティな味わいをスイーツで感じてみてください。
「佐伯マリンレモン」
小麦粉も小豆も国産の良質な素材を選び、毎日自社工場で丁寧に作っています。風味豊かなもっちり食感のスイーツです。
謎のとり天せんべい
別府のご当地グルメとして生まれ、大分県民のソウルフードともいえる「とり天」がせんべいになりました。せんべいを食べているのに、「とり天」を味わっている気分になれます。
銘菓ポイント
大分県産の鶏肉を使い、生地には愛情もたっぷり練り込み仕上げています。「謎の」と書かれているのは、大分の独特の空気や文化などをひっくるめてそのように表現しているのだそうです。
「謎のとり天せんべい」
大分県民の多くが「とり天」を全国区の料理だと思っているのだとか。それほど大分ではメジャーな「とり天」を、気軽にせんべいでどうぞ。
東洋軒のとり皮天
こちらも「とり天」由来のお菓子。鶏肉に醤油やニンニクで下味をつけして、天ぷら粉で揚げ、かぼすを絞ったとり天を、「とり皮」で再現したチップス状のスナックです。
銘菓ポイント
別府にある、とり天発祥の店が「レストラン東洋軒」。昭和初期にとり天が誕生し、サクサクとやわらかなとり天がたちまち評判になったそうです。そんな別府のとり天を気軽に食べられるスナック菓子です。
「東洋軒のとり皮天」
とり天の調理時に剥ぎ取る皮を使用。油で揚げた後、オーブンで焼き上げ、余分な脂を落として作られています。さっぱりと軽い食感が特長です。
おしゃれスイーツだってお手の物│大分銘菓【洋菓子編】
大分には、おしゃれな洋菓子も数多くあります。おすすめ洋菓子5品をご紹介しましょう。
ビーンズショコラ
「ビーンズショコラ」は、ピスタチオやヘーゼルナッツなどの素材を上質のクーベルチュールで包んだ、一口サイズのスイーツです。
銘菓ポイント
大分の湯布院にあるチョコレートショップ「theomurata(テオムラタ)」。同店の代表格が、この「ビーンズショコラ」です。カラフルなバトン型のパッケージに入っているところもおしゃれですね。
「ビーンズショコラ」
ピスタチオショコラ・アマンドミルク・ヘーゼルナッツショコラ・マカダミアショコラ・エスプレッソビーンズの5種類がラインアップ。ぜひお気に入りの味を見つけてみてください。
地卵はちみつぷりん
累計出荷983万個(2022年4月時点)の大ヒットプリン。世界モンドセレクションでも複数回、最高金賞を受賞しています。
銘菓ポイント
大分にある久住高原で、ストレスの少ない昔ながらの平飼い飼育で育った鶏の卵を使用。さらにはちみつをブレンドして、濃厚でコクのある風味を生み出しています。
「地卵はちみつぷりん」
加圧加熱(レトルト)殺菌されているため、賞味期限が常温で約2~3か月と長く、ギフトにもピッタリです。別添えになっているカラメルソースをかけてどうぞ。
ぷりんどら
大きなプリンがまるごと入ったどらやき「ぷりんどら」。少し固めに作られているプリンと、ふわふわのやわらか生地とのバランスが絶妙です。
銘菓ポイント
「ぷりんどら」を作るのは、大分湯布院にある老舗和菓子店「菊家」。和菓子店が手掛ける、和洋折衷のユニークなスイーツです。
「ぷりんどら」
ボリューム満点で、見た目のインパクトも大。プリンとどら皮の間には、生クリームを加えたカスタードクリームが入っています。ほろ苦さを感じるプリンのカラメルソースと合わさって、おいしさが何倍にも膨らみます。
大分地獄プリンラングドシャ
ネーミングの通り、プリン味のラングドシャです。サックリ生地で、プリン風味のチョコレートをサンドしています。
銘菓ポイント
温泉の蒸気を利用して食材を蒸し上げる地獄蒸し。このラングドシャは、大分の別府温泉で名物のプリンの地獄蒸しをイメージして作られたスイーツです。
「大分地獄プリンラングドシャ」
プリンを食べているような香りと味。上品な甘さで、ついつい食べたくなるおいしさです。
由布院盆地米ボウロ
小麦粉を一切使わず、大分の由布市産の米粉で作ったグルテンフリーのスイーツ。卵も不使用で、ソイバターを使って焼き上げています。
銘菓ポイント
このボウロを作るのはスイーツ店「ときの色」。由布市で収穫される季節の果物や農産品などとコラボレーションもしており、地元産の原料を積極的に採用しています。
「由布院盆地米ボウロ」
サクッ&ホロッとやさしく溶けていく食感。チョコレート・抹茶・ほうじ茶・和紅茶の4種類の味がラインアップしています。
個性的な銘菓に出会える県・大分
「ざびえる」「ボンディア」など、聞いたことがない人にとっては謎がいっぱいのお菓子がある大分。地元では、よく親しまれた存在です。
大分では、そんな個性的なお菓子が数多く生まれてきました。大分にお出かけするときや、大分について気になったときは、ぜひこれらのお菓子についても調べ、実際に手に取ってみてくださいね。
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文・構成/HugKum編集部