「実は九九が超苦手な小学生だった…」東大クイズ王・伊沢拓司から卒業を迎える小学生へ!子どもたちへどうしても伝えたかった想いとは?

知ることや学ぶことの楽しさを多くの人に伝えていくことを目的に、QuizKnockが2019年4月から取り組んでいるプロジェクト「QK GO」。卒業シーズン特別編として、都内小学校で実施された卒業生向けの講座をレポートします!東大クイズ王・伊沢拓司さんに、活動に込めた想いやご自身の小学生時代についてお話を聞きました。

QK GOの活動内容とは?

QK GOは、QuizKnockが全国の中学校・高校を訪問し、レクリエーションや講演会、ワークショップを無料で行うプロジェクト。QuizKnockは47都道府県制覇を目標にクイズ・教育をテーマにしたレクリエーションを実施し、現在38の都道府県を訪問しています。

卒業スペシャル特別編!伊沢拓司さんが小学校で授業を開催

正解率とタイムを競う!チーム対抗クイズ大会

中学校・高校を訪問しているQK GOですが、今回は通算訪問50校突破を記念して小学校で「卒業シーズン特別編」だけの講座が実施されました。クイズ大会は4人1組のチーム戦でチームごと1台のタブレットを使います。10問の4択クイズは、考えた時間のタイムも競い合います。

クイズの内容は、学校で学んだことで答えられる問題や知らないと答えられないような問題などジャンルはさまざま。チームの中でそれぞれが得意なことを活かして答えを出していきます。

今度は、子どもたちから伊沢さんにクイズを出題!子どもたちは全力でクイズ王に立ち向かっていきます。

面白いと思うものを見つけて一生懸命になろう

伊沢さんは子どもたちにクイズが強くなるためには好奇心、いろいろなことに対して面白がることが大事だということを実体験を交えて伝えます。子どもたちは、伊沢さんが言ったことは本当に正しいのか?ディスカッションを行っていく中で自分たちの考えをまとめました。

伊沢さん
効率だけを求めず、好奇心をもってまず何でも知ってみることが大事という伊沢さん

講座の最後に、伊沢さんから子どもたちにオリジナルクイズがついた卒業お祝いカードをプレゼント♪

クイズ大会、講演会の間、子どもたちと目線を合わせて会話をしていく伊沢さんに対してしっかり向き合っていた子どもたち。友だちの意見に耳を傾けながら自分の考えをまとめていく姿が印象的でした。

好奇心に素直に立ち向かってほしい!伊沢拓司さんからのメッセージ

-「QK GO」に込めた想いを教えてください。

伊沢さん:QuizKnockはクイズやYouTubeだけをやっているグループだと思われがちですが、楽しいから始まる学びをコンセプトにクイズや講演会など様々なエンタメコンテンツを通して、教育に関わる活動をしています。

子どもたちには「知る」ということにもっと能動的になってほしいと思っています。QK GOの講座を通して、もう一歩踏み込んで調べるきっかけをつくり、知るということのハードルを下げていきたいです。

僕たちがスタジオやオフィスの中で考えてたことで、子どもたちと向かい合っているような気持ちになってはだめだということで、この活動を始めました。

僕たちがメッセージを届けたい相手が普段どのようなことを考えているのだろうというのをちゃんと現場に行って見る。それは東京だけではなくて、空港から車で2時間掛かるような場所でも行く。常に子どもたちの目線に合わせ続けると言う目的で続けているプロジェクトになります。


講座のプログラムは複数のパターンを用意しており、それをベースにしつつ学校の先生方のご要望に合わせてオーダーメイドで作っていることが多いのですが、今回の特別編は1から作りました。

「効率」ではなく自分の「好奇心」に素直に立ち向かっていくということを体験を通して伝えたくて、プログラムを組みました。全員じゃなくても参加した何人かが思い出してくれたらいいなと思います。

-伊沢さんはどのような小学生でしたか?

伊沢さん:九九が超苦手で前に立たされたりするようなタイプで算数は特に苦手科目でした。勉強が得意だなと思い始めたのは4年生の頃で、ゲームソフトにつられて塾に行くようになったら塾の友達と会うのが好きで勉強がちょっと楽しいと感じるようになりました。

学校ではない場所を求めていたような小学生で、ガツガツしてるわけでもなく何かを得意になるようなノウハウも持っていない、目の前のことに飛びついているようなタイプで雑多な趣味を持っている子どもでしたね。
小学校の頃は、目的があってやっていた訳でもないようなことが今の仕事に繋がっていることがたくさんあるので、僕としてはいろいろなことに好奇心を持てる小学生時代を過ごせたことがよかったなと思っています。

-いつもは中学生・高校生が対象ですが、小学生に対して心掛けたことはありますか?

伊沢さん:今回の講座で、すばらしいと思ったのは子どもたちが立ち向かってくれたこと。僕はテレビに出ている知識がすごい人みたいな感じで見られがちで、僕のことを変にリスペクトしてしまうと対話が生まれないわけですよ。子どもたちがいま考えていることを知るためには対等にやりたいわけです。


はじめて来た奴が上から言っちゃうとなにも聞き出せないんですよ。だからイベントをやるときは、なるべく短時間で子どもたちと対等になろうと意識しています。それって子どもたちの心構えが無いとできない事なので、今回は子どもたちが目線を合わせてくれてこんな奴にクイズに負けないぞ!と思ったり、きちんと対話してくれたのが嬉しかったです。

もちろん僕自身も子ども扱いはしないことを常に心掛けているし、中高生よりも気を付けたことは話の中に僕のエピソードを交えたりして具体性を持たせたことです。中高生は自分の考えを持っていたり防衛本能が働いたりしますけど、小学生は無防備に言葉や考えが入ってしまうので今回は一度考えを提示した後に疑うパートをつくり、伝えるという感じで、言われたことに対して一度疑う時間をつくりました

-保護者が家庭で意識できることがあれば教えてください

子どもたちに見せられる姿があるのだとしたら前向きで積極的であることは誰にとってもよい効果なのではないかと思います。

勉強に対してもそうですが体験や知識に対しても前向きで積極的に、そして子どもたちが挑戦しようとしたときに背中を押してあげること。ご家庭の事情などで応援できない挑戦があれば、違う選択肢を提示してあげることは大人のチカラが必要な部分だと思うので子どもの視野を広げながら積極性を担保してあげるということはご家庭で意識できることだと思います。

-最後に、子どもたちに向けてメッセージをお願いします

「好き」に立ち向かってください。好きなことを忘れないでください。これから中学生、大人になるに向けて効率を優先したり役に立つ・立たないと言うものさしを押し付けられてしまうことがあります。効率を優先した方が考えるのが簡単なのですが、便利な言葉に飲み込まれる前に効率が悪くてもいろんなことを飲み込んでいくような 楽しい体験をいっぱいして欲しいです!

好きなことに夢中になる力は宝物

「目の前のことに飛びついていたらこんなところまで来ていた」という伊沢さん。いろいろなことに興味を持ち探究することが知識となり、その人の個性をつくりあげていくこと、結果よりも過程を楽しむことが大事だということを教えてくれました。

あなたの町にもやってくるかもしれない!?QK GO、QuizKnockのこれからの活動も楽しみです。

QuizKnockとは

QuizKnock
QuizKnock

QuizKnock(クイズノック)は、東大クイズ王・伊沢拓司が中心となって運営する、エンタメと知を融合させたメディア。「楽しいから始まる学び」をコンセプトに、何かを「知る」きっかけとなるような記事や動画を毎日発信中。YouTubeチャンネル登録者は217万人を突破しています。(20243月時点) 

こちらの記事もおすすめ

QuizKnockメンバーが伊沢拓司の母校、暁星小学校で授業!「答えのない道徳の問題」について考える
マクドナルドの「答えのない道徳の問題 みんなで!どう解く?」プロジェクト マクドナルドは、ポプラ社が発行する「答えのない道徳の問題 ど...

QK GOの特設サイトは>こちら

取材・文/やまさきけいこ

編集部おすすめ

関連記事