セーシェルってどんな国?
インド洋に浮かぶ115の島からなるセーシェル。そのうちの約3分の1は無人島です。息を飲むような美しいビーチや海があるこの国は「インド洋の真珠」などと表現されています。世界遺産もあり、旅行先としても魅力的なこの地について、どんな国なのか見ていきましょう。
セーシェル基本情報
まずは、場所や首都、面積、人口などの基本情報からご紹介します。
国名
セーシェル共和国
首都
ビクトリア(マヘ島)
場所
アフリカ大陸、オーストラリア大陸、ユーラシア大陸に囲まれたインド洋。セーシェルはそのインド洋にあり、ケニアの東側に位置しています。
日本との時差
5時間
日本はセーシェルより5時間進んでいます。
面積
460㎢
種子島の面積は444.3㎢なので、セーシェルの面積は種子島より少し大きい程度です。
115の島のうち、最も大きいのが首都ビクトリアがあるマヘ島で、マヘ島の面積は約154㎢で、小豆島と同じくらいです。
エリア
セーシェルは25の行政区分に分かれています。
人口
119,878人
広島市の人口が約118万人なので、セーシェルの人口は広島市の約10分の1と言えます。
言語・公用語
英語、仏語、クレオール語
クレオールとはヨーロッパ人とアフリカ人の混血のことで、国民の多くがクレオールです。
通貨
セーシェル・ルピー
1セーシェル・ルピー=11円(2024年3月27日時点)
宗教
キリスト教(約90%)
歴史
セーシェルの歴史は、1502年にポルトガルの探検家、バスコ・ダ・ガマが初めて発見してから始まったと言われています。それ以来、アラブ人やポルトガル人が訪れるようになります。
1756年にはフランス領となったのですが、イギリス海軍も占領をはじめ、1814年のパリ条約でイギリスの植民地となりました。その後、1975年にイギリス連邦内の共和国として独立しました。
国名のセーシェルは、もともと1756年にフランス領となった際、当時のフランスの蔵相セシェルの名前にちなんで「セシェル」と名付けられたもの。それが、1814年のイギリス領に移行された際、現在の「セーシェル」に変更されました。
ちなみに、セーシェルの国旗は5つの色が放射状に並んだとても鮮やかなデザイン。青は空とセーシェル諸島を囲むインド洋、黄色は生命の源である太陽、赤は未来に向けて働く人々の決意と情熱、白は社会正義と調和、緑は自然豊かな国土を表しています。
天気・気候
セーシェルはほぼ赤道直下にあるため、1年を通じて暑い日が続く熱帯性気候。湿度も高く、蒸し暑さを感じるような天気です。
セーシェルの治安・住みやすさ
セーシェルの治安や住みやすさについてはどうでしょうか?
治安は良好
セーシェルの治安は良く、他のアフリカ諸国に比べてとても落ち着いています。外務省「海外安全ホームページ」でも特に危険情報は発令されていません。
しかし、凶悪犯罪の発生は少ない一方で、置き引き、スリといった一般犯罪が発生しています。また、特に若い人々を中心にした違法薬物の使用が増えており、現地では違法薬物の売買の取り締まりを強化しています。
さらに、現地にあるセーシェル日本国大使館では、セーシェルを訪れる日本人に対して、防犯対策などの注意を呼び掛けています。貴重品を放置せず目を離さないこと、徒歩で移動するなら複数人で歩いて、人通りの少ない場所や不審な人がいるような場所は絶対に避けること。さらに、首都ビクトリア市内でも、夕方5時以降は人がまばらになるため、一人で出歩かないことが大切です。
住みやすさは疑問
アフリカ諸国と比較すれば、セーシェルは治安が比較的良い場所です。とはいえ、セーシェルは小さな島々で構成された国。生水の引用は危険でミネラルウォーターの利用が必要であったり、医療体制が不十分なため、病気やケガなどがあった場合は医療面で進んでいる国への移送が必要になったりします。そのようなことを考えると、セーシェルでは日本と同じような生活をすることは難しいと言えるでしょう。
セーシェルの見どころ・観光
セーシェルを訪れるならぜひ見ておきたい見どころや観光スポットをご紹介しましょう。
ビクトリア
セーシェルの観光では、まず首都ビクトリアを訪れておきたいところ。ビクトリアのシンボルのひとつになっているのが、時計塔。これはロンドンにある時計塔をイメージして作られています。また、あちこちに植民地時代の面影を残す建物があり、それらを見てまわるのもいいでしょう。
さらに、地元の人々の台所となっている「サー・セルウィン・クラーク・マーケット」では、新鮮な魚やフルーツ、香辛料などが販売されていて、お土産を探したり、現地での食事を楽しんだりできるスポットです。
ヴァレ・ド・メ自然保護区
セーシェルで2番目の大きさをもつプララン島にある自然保護区です。セーシェルでしか生息しない「ココ・デ・メール」と呼ばれる世界最大の種子の原生林で、世界遺産として登録されています。緑豊かな場所に囲まれ、ココ・デ・メールを見るなど、ここでしかできない体験がきっとできるはず。
アンス・スルス・ダルジャン・ビーチ
セーシェルにはいくつもの美しいビーチがありますが、ラディーグ島にあるこのビーチもそのひとつ。白砂とグラデーションに輝く海は、まさに絶景。サンゴ礁に囲まれ、シュノーケリングをしたり、ビーチでのんびり過ごしたり、思い思いに楽しめます。
セーシェルの特徴・有名なもの
セーシェルで有名なものや特徴は何でしょうか?
世界最大の種子「ココ・ド・メール」
ココ・ド・メールとは、フタゴヤシ(双子椰子)の実。お尻のようなかたちをした、直径が50㎝ほどになる実です。世界最大の種子として有名で、ギネスブックにも掲載されています。そんなココ・ド・メールがあるのがセーシェル。プララン島とキュリューズ島の2つの島でしか自生しないといわれています。
歌や映画の題材にも
セーシェルは美しいビーチのある島で、「インド洋の真珠」や「地上最後の楽園」などと表現されます。そして、これまでにも歌や映画の題材にもなってきました。
例えば、サザンオールスターズの「セイシェル~海の聖者~」や、松田聖子の「セイシェルの夕陽」。映画「マンマ ミーア」のロケ地にもなりました。
ウィリアム王子&キャサリン妃の新婚旅行先
イギリスのウィリアム王子とキャサリン妃がハネムーンで訪れたのが、セーシェルでした。「1アイランド、1リゾート」と表現されるように、115ある島それぞれに極上のリゾートがあるとまで言われます。セーシェルには、人々が非日常の空間でバカンスに浸れる、そんな楽園があります。
アフリカでは国民所得が高水準
セーシェルはアフリカに属する国。開発途上国や貧しい国が多いアフリカでは、セーシェルは国民所得がとても高いことで知られています。
これは、セーシェルでは観光業と漁業が主な産業で、とくにマグロや海老などの魚介類の輸出が盛んに行われていることが理由です。さらに、ココナッツやコプラといった輸出も行っています。そのため、国の豊かさを表す1人あたりの名目GDPがアフリカ諸国のなかでトップクラスを誇っています。
美しい島々セーシェル
インド洋に浮かぶ美しいセーシェルは、人々にとって楽園のような存在。歌や映画の題材になったり、ウィリアム王子&キャサリン妃がハネムーンで訪れたり、セーシェルは人々にとって特別な場所と考えられています。
ビーチでのバカンスにうっとりと思いをはせて、「いつか訪れてみたい旅行先」のひとつに、セーシェルを加えてみてはいかがですか?
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文・構成/HugKum編集部