調査データから判明!イヤイヤ期の「なぜ?」「どうする?」効果的な対処法を大研究!【イヤイヤ期専門家監修】

1・2・3歳の子育てで悩みの種となるのが「イヤイヤ期」。でも、他のご家庭がどんなイヤイヤに悩み、どう対処しているかがわかれば、この時期を乗り切るヒントになるはずです。そこで今回は、イヤイヤに関する全国規模の調査結果を専門家のアドバイスとともにお届けします!

注目データ その1【イヤイヤの時期】

歳半になると親の2人に1人がイヤイヤを実感

1歳後半で半数以上のママ・パパがイヤイヤを感じているという調査結果からもわかるように、自分で取りたかったおもちゃを親が取ると泣くなど、2歳代になる前にもイヤイヤの予兆はあります。「そろそろイヤイヤ期かも」と感じたら、子どもの主張を何でも受け入れるのではなく、「最低限これだけは守ってほしい」という“わが家のルール”を決めて、子どもに伝えていくことが大切です。

イヤイヤ期を長引かせないコツは、わが家のルールで「これはダメ」と決めたことに対しては、毅然とした態度をとることです。例えば、買い物の際に余分なお菓子は買わないと決めているのであれば、店に入る前に子どもと買わないことを約束し、ダダをこねたとしてもルールは守りましょう。「泣けば買ってもらえる」と思ってしまうと、イヤイヤをくり返すことにもつながりかねません。

注目データ その2【イヤイヤの行動】

「イヤ」だけじゃない!表れ方は多種多様

【イヤイヤ行動トップ10】

1位 食べている最中に遊び始める   83.5%

2位 遊び道具やおもちゃを片づけない 73.0%

3位 出かけた先から帰りたがらない  68.8%

4位 ごはんを食べない   68.2%

5位 自分で歩かない  58.1%

6位 歯みがきをさせない  57.3%

7位 おもちゃやお菓子を買いたいと言う    57.1%

8位 「お出かけしたい」と言って聞かない   53.0%

9位 おもちゃや遊具を友だちや兄弟姉妹に譲れない  52.6%

10位 スプーンや箸で食器をたたく、スプーンや箸を投げる  51.3%

赤線 …食事に関するイヤイヤは3つがランクイン。

黄線 …その場に居座るパターンのイヤイヤも多い。

青線 …「〇〇したい!」と自己主張して欲求を通そうとすることも。

成長するにつれてイヤイヤにも変化が

調査データからは、食事中のイヤイヤが多いことがわかります。遊び食べに悩むケースは多いですが、これは食べることより遊ぶことに興味がいっている状態なので、その時点で食事を切り上げてかまいません。子どもが座っていられるのは15分が限界だと考え、外食をするときは特別なおもちゃを用意するなどして飽きさせない工夫をしましょう。

赤ちゃんの頃から続けてきた「泣く」という方法のほかに多種多様なイヤイヤが出てきたら、それは知恵がついた証拠。子ども自身が自分をコントロールする方法を学ぶとイヤイヤは減るので、イヤイヤは増えることも減ることも成長の表れなのです。子どもが何に対してどんなイヤイヤをしたかを書きとめておくと、同じ主張でも表現の仕方が変わっていることに気づき、成長を実感しやすくなります。

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注目データ その3【イヤイヤの原因】

自己主張のほか眠さや疲れなども原因に

【イヤイヤ原因トップ15】

1位 思いどおりにならない 94.5%

2位 眠い    83.6%

3位 遊びを続けたい(帰らない、寝ないなど)  83.1%

4位 伝えたい内容がうまく伝えられない 78.8%

5位 だっこしてほしい、スキンシップがほしい 78.3%

6位 自分で選びたい、自分のものにしたい(ほしい)  76.1%

6位 何でも自分でやりたい 76.1%

8位 自分でやりたいことがうまくできない  71.9%

9位 疲れている     69.9%

10位 暇だから遊んでほしい、かまってほしい 68.9%

11位 直前に嫌なことがあり、不機嫌になった 66.5%

12位 行きたい方向ではない、別に行きたいところがある 65.8%

13位 おなかが空いている    57.5%

14位 痛い、気持ち悪い       52.9%

15位 自分に目が向いていないと感じる 49.8%

赤線 …体調に関することもイヤイヤの原因に!

イヤイヤ期は「考える脳」が育つ時期

調査データからもわかるように、「眠い」「疲れている」といった体調に関することもイヤイヤの原因になります。ですが、この年代の子どもにとって、イヤイヤをしながら気持ちや行動のコントロール方法を学ぶのは大切なことです。おうちの方がある程度は対応できることもありますが、イヤイヤの原因をすべて解決しようとする必要はありません。

脳科学の専門家によると、2歳前後は脳の神経回路が急速に発達し、「考える脳」が育つ時期だそうです。おうちの方は、「今はまだ脳が発達している途中で、気持ちや行動をうまくコントロールできない時期だからイヤイヤをするんだ」ということを理解しておきましょう。そして、イヤイヤをさせないことを目的にするのではなく、「脳が育っている時期なんだね」とあたたかく見守っていけるといいですね。

注目データ その4【イヤイヤの対処法】

うまくかわすコツはあの手この手の合わせ技

【イヤイヤ対処法トップ10】

1位 イヤイヤの原因から気をそらす、気分転換させる    90.4%

2位 抱きしめてあげる、スキンシップをはかる    90.3%

3位 しばらく放置して、気持ちがしずまるのを待つ 88.3%

4位 笑わせる   77.2%

5位 テレビやDVDを見せる   76.6%

6位 やりたがっていることを、できるだけやらせてあげる  75.9%

7位 お菓子や飲み物をあげる  73.6%

8位 手伝いをして、本人がやった気にさせる  72.8%

9位 「これをしないと、次に○○しない」と言い聞かせ、実行する  71.3%

10位 2択・3択で子どもに選ばせる   70.0%

赤線 …好きなおもちゃでの遊びに誘うなど、「気をそらす」という答えが1位に!

 

黄線 …「抱きしめて落ち着かせる」は、外出先でのイヤイヤにも有効。

 

青線 …くすぐるなどして笑わせるのも、別のことに注意を向けさせるきっかけに。

真っ向勝負をしすぎずに「うまくかわす」のもアリ

イヤイヤの対処法を考えるにあたっては、「わが家ではどんな行動はダメなのか」という基準を家族で話し合っておきましょう。身の危険があるとき、人を傷つけることをしたとき、わが家のルールで「ダメ」と決められている行動をしたときは、毅然とした対応をする必要があります。

ただ、そのほかのイヤイヤに関してはすべて真正面から向き合うのではなく、調査データにあるような複数の対処法を柔軟に使い分けながら「うまくかわす」ことも大切です。アンパンマンが好きな子なら、外に出ようと誘うときに「そこに行けばアンパンマンに会えるかもしれないよ」と声をかけるなど、「うちの子に合うやり方が見つかればラッキー」くらいの気持ちで、子どもの気持ちが切り替わりやすくなる方法を探してみましょう。

「自分でやりたい」の気持ちも尊重して

時間に余裕があるときは、子どもがやりたいと主張したことをやらせてあげると、「できた!」という達成感が自己肯定感につながっていきます。おうちの方の負担感を減らすには、「おやつのときの飲み物は〇〇ちゃんが注いで、ごはんのときはママが注ぐね」というように、時間や場面を区切ってやらせてあげるという方法も。「ここまでなら許容できる」という基準を決めて、無理のない対応をしていきましょう。手助けするときは「お手伝いさせてね」という言い方をすると、子どものプライドを傷つけずにすみます。

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この記事で使用した調査結果について

【注目データその1】2017年9月に博報堂イヤイヤ研が全国の0~5歳の子どもを持つママ・パパ9,250人にインターネットで実施した「イヤイヤ出現率調査」の結果。

【注目データその2~4】上記「イヤイヤ出現率調査」で該当年齢の子がイヤイヤ期に当てはまると思うと回答したママ1,200人に行った「イヤイヤ実態調査」の結果の一部。

データ提供

 

博報堂イヤイヤ研

博報堂こそだて家族研究所と次世代育児アイテム「ペチャット」の開発チームが共同で運営する研究チーム。2017年に「イヤイヤ実態調査」を実施。

https://iya-iya.jp/

 

お話をうかがったのは

 

西村 史子先生

イヤイヤ期専門家。NLP心理学を学び、100人以上のイヤイヤ期の子どもの行動パターンや心理状態を観察して対処法を体系化。4歳・1歳児のママ。

 

『ベビーブック』2019年6月号 イラスト/まあこ デザイン/平野 晶 文/安永 美穂 構成/童夢

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