「トーゴ」ってどんな国? 世界遺産の少数民族、有名サッカー選手、フェティッシュマーケット…ほか何が有名?【HugKum世界紀行】

トーゴは西アフリカにある小さな国で、南北に細長く、北側がギニア湾に面しています。もともとドイツの植民地で、その後フランスに統治された歴史があります。
そんなトーゴとは、いったいどんな国なのでしょうか? 首都、面積、人口、通貨といった基本情報から、治安情報、観光スポット、特徴などをご紹介します。

トーゴってどんな国?

ガーナ、ブルキナファソ、ベナンと隣接する、西アフリカの国トーゴ。九州地方よりやや大きいくらいの面積に、885万人の人々が暮らしています。

またトーゴには、世界遺産に登録された先住民族が暮らしています。そんなトーゴとはどんな国なのか、さっそく見ていきましょう。

トーゴ基本情報

まずはトーゴの場所や首都、面積、人口、通貨などの基本情報から見てみましょう。

国名

トーゴ共和国

首都

ロメ

場所

トーゴがあるのはアフリカ西部です。北にブルキナファソ、東にベナン、西にガーナと隣接しており、南は大西洋のギニア湾に面しています。

南北に500㎞以上ある、細長い形をしています。

日本との時差

9時間

日本のほうがトーゴより9時間進んでいます。

面積

54,390㎢

九州の面積が約42,000㎢ですから、トーゴの面積は九州の約1.3倍です。

エリア

トーゴは5つの州に分かれていて、首都ロメがあるのは沿岸州です。

トーゴの地図 Wikimedia Commons(PD)

人口

885万人

大阪府の人口が約876万人ですから、トーゴの人口は大阪府の人口とほぼ同じです。

言語・公用語

フランス語(公用語)、エヴェ語、カビエ語他

通貨

CFAフラン

1 CFAフラン=0.25円(2024年12月14日現在)
※CFAフランは西アフリカ諸国で共通で使用されている通貨

首都ロメの街並み CC 表示-継承 1.0,Wikimedia Commons

伝統的宗教67%、カトリック18%、イスラム教10%、プロテスタント5%

歴史

トーゴには、15世紀頃にポルトガル人が初めて渡来したといわれています。

1884年にはドイツがベルリン会議でトーゴをドイツ領とすることを宣言し、ドイツ領トーゴランドと呼ばれました。

そして第一次世界大戦後、トーゴランドの統治はフランスに移りました。

1919年に東トーゴランドはフランスの委任統治が開始され、第二次世界大戦後の1946年にはフランスの信託統治が始まりました。

そして1960年には独立を果たし、現在のトーゴとなったのです。

トーゴの国旗
トーゴの国旗

トーゴの国旗は、緑と黄色のラインが5本ストライプ状になり、赤色と白の星マークがついたデザインです。

緑は農業、黄色は富や精神面の向上を象徴し、5本のラインは5つの地域を表しています。また赤は博愛と忠誠、白い星は光明と自由、独立を表現しています。

天気・気候

トーゴがあるのは赤道近くの西アフリカ地域です。熱帯気候で、高温多湿の日が続きます。雨季と乾季にわかれ、雨季になると特に湿度が高くなります。

トーゴの治安・住みやすさ

首都ロメの市場 Photo by Dan Sloan, CC 表示-継承 2.0, Wikimedia Commons

トーゴの治安面や住みやすさはどうでしょうか?

治安は注意が必要

西アフリカの国々は、治安面で不安な国が少なくありません。トーゴもそんな国のひとつです。以前より良くなったといわれていますが、外務省「海外安全ホームページ」では、一部のエリアを除いて「十分注意してください」のレベル1が発令されています。

ただし、北部は危険レベルが上がります。「不要不急の渡航中止」のレベル2、「渡航中止勧告」のレベル3の場所があります。特に注意したいのは、ブルキナファソとの国境地帯です。このエリアではテロ組織が活動を拡大しており、テロに巻き込まれたり誘拐されたりする危険が高くなり非常に危険です。

また首都ロメの海岸エリアでは、強盗事件が多発しています。外国人は目立ちますから、単独行動は危険です。日中であっても狙われやすいため、十分な警戒が必要。窃盗事件、強盗事件などに巻き込まれないように、注意を怠らないようにしましょう。

住みやすさは×

トーゴは西アフリカの発展途上国です。インフラの整備が進んでおらず、井戸がなくて安全な水を入手できない人々も少なくありません。

子どもたちが水くみに手伝わされ、学校に行けないことも珍しくないのです。そのため子どものマラリアや下痢の罹患率が高く、衛生面も不十分です。

治安面でも不安が残ることから、これらを総合的に考えると住みやすい国とはいえないでしょう。

トーゴの見どころ・観光

カラフルな伝統衣装に身を包むトーゴの女性 Photo by PhReym, CC 表示-継承 3.0, Wikimedia Commons

トーゴの見どころや観光スポットを見てみましょう。

ロメ

首都ロメは、大きな市場があることで有名です。野菜、果物といった食材のほか、工芸品、装飾品、木彫り彫刻なども販売されています。トーゴのお土産としても人気ですから、それらを見てまわるだけでも、現地での人々の暮らしをかいま見ることができるでしょう。

陽気なアフリカ音楽が流れ、子どもたちが遊びまわるにぎやかな光景は、アフリカらしいシーンのひとつです。

トーゴ独立記念碑

トーゴが独立したことを記念して、首都ロメに建てられている記念碑です。トーゴのギニア湾に面したエリアは植民地時代、ギニア、ナイジェリアなどの国々の沿岸とあわせて奴隷海岸と呼ばれていました。

奴隷海岸の当時の地図 Wikimedia Commons(PD)

これは植民地開発のための労働力として、多くのアフリカ住民が奴隷として商品のように貿易された場所だったからです。そんな負の歴史を経て、トーゴが独立したことを祝った記念碑です。

フェティッシュマーケット

トーゴ南部で行われているフェティッシュマーケットは、ブードゥー教という信仰で使われるグッズがそろう市場です。

動物の頭蓋骨、ヘビ、カエルなどの動物の干物などが儀式や占いで使われ、それらのアイテムが販売されています。

日本人からすると異様な雰囲気に包まれていて、異世界に迷い込んだよう。きっとここならではの体験ができるでしょう。

トーゴの特徴・有名なもの

ほかにも、トーゴで有名なものをご紹介していきましょう。

少数民族

トーゴには、多くの少数民族が暮らしています。例えば、北東部のクタマクと呼ばれるエリアに暮らすバタマリバ人は、タキエンタという塔のような住居に暮らしています。

トーゴのバタマリバ人の住居
バタマリバ人の住居「タキエンタ」

タキエンタは、社会構造や自然と人々との結びつきを反映しているとされています。

キリスト教やイスラム教とは離れ、独自の文化的景観を有していることが評価され、バタマリバ人はトーゴで唯一ユネスコ世界遺産に登録されています。

主食はプランテーンバナナ

トーゴで主食として食べられているのが、プランテーンと呼ばれるバナナ。一見するとふつうのバナナと同じですが、長さが1.5倍ほどあります。

甘みがほとんどない料理用のバナナで、現地ではこれを焼いたり揚げたりして食べます。プランテーンバナナは、トーゴ以外でもカリブ諸国や東南アジアなどで食されていますが、トーゴなどアフリカのものは特に長くて大きい特徴があります。

プランテーンバナナの花 Photo by Devanshy, CC 表示-継承 2.5, Wikimedia Commons

サッカー

スポーツでは、サッカーで世界トップクラスのチームに所属した選手が生まれています。それが、ロメ出身のアデバヨール選手。イングランド、スペインといった強豪チームに所属して活躍し、2008年にはアフリカ年間最優秀選手にトーゴ人として初めて選ばれました。

ちなみに2006年のサッカーワールドカップドイツ大会で、トーゴは初めて出場を果たしています。

西アフリカの小さな国トーゴ

トーゴという名前を聞いたことがあっても、どんな国か知っている方は少ないかもしれません。かつてドイツやフランスに支配され、今でも少数民族が暮らしているという特徴があります。

トーゴは、その土地に根付いた豊かな文化と歴史を持っています。訪れる機会は少なくても、西アフリカの心臓部に位置するこの国について思いをはせてみましょう。

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文・構成/HugKum編集部

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