お祝いをいただいたことを子どもに伝えよう
お祝いをいただいたら、子どもにも誰に何をいただいたのか伝えましょう。
例えば、「子どもがいない時にママがお祝いを受け取った → 相手に内祝の手配はしたが子どもには伝えなかった → 次にお祝いをいただいた方とお会いする機会があったが、子どもは受け取ったことを知らなかったため、お礼のご挨拶ができなかった」…このようなことは避けたいですね。
伝え方のポイントは、送ってくださった方の気持ちが伝わるように子どもに伝えることです。その際は【報告+相手の気持ち+御礼の気持ち】で伝えるといいですよ。
「おばあちゃんから素敵な文房具をいただいたよ。学校のお勉強の時に使ってお勉強頑張ってね、だって。嬉しいね。あとでお手紙書こう。」
「おじいちゃんから、入学のお祝いでお金をいただいたよ。学校で使う体操着や靴とか、必要なものを買って頑張って欲しいって。これで〇〇ちゃんの学校の必要なもの揃えようね。あとでおじいちゃんにありがとうとお電話してみよう。」
皆が応援している、支えられているという気持ちを子どもが感じられたらいいですね。
また、直接お祝いをいただいたときにはその場で御礼をお伝えすることができますが、宅急便や書留で届いた場合は、まず相手へ自分たちの手元にきちんと届いたことを一報入れましょう。知らせが来るまでは、相手も届いたかどうか心配しているものです。内祝いでお返しを考えていたとしても“受け取りました”の報告は忘れずに。
内祝い(お返しの品)を贈る時期
入学祝いは、贈る側の事前準備に使ってもらいたいという思いから、実際の入学前にいただくことが多いです。受け取った側としては“いただいたらすぐに内祝いを手配しなければ”という気持ちになりますが、この入学の内祝いはすぐには贈りません。お贈りするのは無事に入学式を済ませたあとにしましょう。
入学式から遅くても1か月を目安に、内祝いが相手に届くように手配します。御礼を伝えるときに入学式の様子や、子どもたちの写真を報告メッセージに加えると喜ばれます。お子さんが書いた手紙などもいいですね。
内祝いの“のし紙”について
相手へ贈る品物を決めて配送の手配をしているとき、お店の方に「熨斗(のし)はどうされますか?」と聞かれて迷うことはありませんか。マナーに詳しい方がお店にいた場合「入学の内祝い用なのですが……」と伝えるとご提案くださることもあるでしょう。しかし、必ずしも詳しい方がいるとは限りません。どのお店でも正しくお伝えできるようにしておきましょう。
①のし(熨斗)
のしを付けるのは大切な贈り物であることを伝えるためです。
昔、贈りものと言えば神仏へ供えるもの。さらに、生ものが付いていると良いとされました。のし(熨斗)は鮑を薄くして干した熨斗鮑のことで“生ものであること”の象徴だったのです。ですから大切な贈り物にはのしが付いているのですが、現在では簡略化され、紙に印刷しているものを使用することが多いです。よく見ると、中央に小さな鮑をのしたものが描かれています。
②水引
紅白のひもを中央で結ぶ印刷がされています。紅白なのでおめでたいことに使用します。結び方もいろいろありますが、今回は代表的なもの2種類をご紹介します。
結び目と意味を知ると使い分けが簡単にできます。
[蝶結び]・・結び目が何度も結び直せ、何度あっても良いお祝い事に使われます
[結び切り]・・結び目が固く結ばれており簡単にはほどけないことから、一度きりを願うお祝い事に使われます。
そう考えると、入学はこの先も子どもたちに訪れて欲しいお祝い事なので入学内祝いは蝶結びを使うと分かりますね。
③表書き
水引の上、中央に今回の贈り物の目的を書きます。「内祝」だけでも伝わりますが入学では目的をさらに明確に「入学内祝」と記載すると相手も“入学のお祝いに対する御礼だ”と分かります。
④名前
表書きより少し小さめにお祝いをもらった子どもの名前を書きましょう。
⑤内のしか、外のしか
のしを付けるときに、のしは内と外どちらにするか確認されることがあります。違いは、贈り物を受け取った相手が最初に目にするものが包装紙か、のしかの違いです。
外のし・・のし紙が一番上にあるので、目にした相手には、贈り物の目的がはっきり伝わります。直接お会いしてお渡しするときはこちらがいいですね。
内のし・・のしの上から包装紙をかけるので、配送の際に破損などのリスクを減らすことができます。昔から慎ましさを表すとも言いますが、お子さんの名前も書いてありますので、配送で手配するときは内のしにすることをおすすめします。
今回は内祝いと、のしについてお伝えしました。地域やご家庭ごとのやり方もあると思います。分からない時は周りの方に確認してみましょう。お祝いをいただき内祝いをお返しするという、子どもの成長を楽しみに見守る素敵な習わしです。そのやり取りが温かく思いやり溢れるものになりますように。
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文・構成/赤名麻由子
赤名 麻由子