世界的なダンサーs**t kingz・NOPPOさんが絵本「ちぐハグ」製作に挑戦!「主人公オタマは子どもの頃の僕!」という絵本に込めた想いとは?

世界で活躍するダンスパフォーマンスグループs**t kingzのNOPPOさんが作画と原案を手掛けた絵本「ちぐハグ」が、4月27日に出版されます。
絵本に込めた想いやNOPPOさんの子ども時代についてお話を聞きました。

自分と違う価値観の人を認め合いたい

s**t kingzのNOPPOさんが作画と原案を手掛け、原作は脚本家の高田亮さん。タイトルの「ちぐハグ」は、「ちぐはぐ=くいちがい」「ちぐ=出会う」「ハグ=HUG/抱きしめる」。“自分とは違う価値観の人に出会っても、ハグするようにお互いが受け入れて、認め合って、愛情を持ちながら生きていけたらいいなぁ”というNOPPOさんの想いが込められています。

絵を描くことがダンスの演出にもつながる

ダンスと絵を描くことが動と静といった対極のもののように感じられますが、NOPPOさんにとって、それぞれがあることでもう一方が充実するというような関係性にあるのでしょうか

絵を描き始めると集中してやり続けてしまうので、体が鈍っちゃうんですよ。小さい頃もプラモデルが好きで完成するまで絶対やる!みたいな感じで、途中で終わらせることができない性格で…。やり始めるとライフスタイルも乱れちゃうんで、それぞれの関係性はあまり良くはないかもしれません(笑)。

でも、絵を描くときにストーリーを伝えることも大事なんですけど、まず芝居に見立てて、このシーンをどこから見て描いたら面白いかなというふうに画角から考えています。同じようにダンスの仕事でも、パフォーマンスビデオのカメラワークをを考えるのも好きです。どう見たら面白いとか、画角的なものを普段から考えているなと。
自分はパントマイムが得意なので空間把握能力があるほうだと思っていて、そういうのがすごく好きなんだな!と、この質問で改めて気がつきました(笑)。画角もですが映像まで考え抜いたダンスの仕事にも挑戦してみたいですね。

絵を描き始めたきっかけ

母が若い頃ファッション関係の学校に通っていたのですが、おばあちゃんちに遊びに行ったときに母が描いていた色鮮やかなデッサンを見るのが好きでした。小学生の頃に絵の教室に通っていて、両親が家のドアに絵を描くスペースを作ってくれて友だちが遊びに来たときに一緒に描いたりしていましたね。
子どもの頃から絵に触れることが多かったのですが、前回の絵本でまた改めてちゃんと絵に触れる事が出来たのでそこからまた、独学ですがしっかりと絵と向き合っています。

子どもの頃に夢中になっていたこと

低学年の頃は絵を習っていて、小学4年生からダンス1本でやっていましたね。親がサーフィンが趣味だったので一緒に行ったりはしてましたけど、友だちと遊んでいた記憶がないくらいダンスをしていました。小学校の時の夢は、世界一歌って踊れるサーファーって書いてました(笑)。

習い事として始めたダンスにハマったきっかけ

家のルールで習い事は1つと決まっていたんです。妹が先にダンスをやっていてその時、僕は算数の塾に通っていて算数がちょっと嫌だなと思ってダンスの見学にいきました(笑)。そこに男の子が1人いて、遊びに行くついでにダンスをする感じでスタートしました。僕はすごいシャイで基本はインドアなんですけど、その子のおかげで続いた感じですね。

事務所と仮契約をしながら大会に出場したり、それで優勝してアメリカに行ったりいろいろな経験をさせてもらいました。でもそのうちダンス漬けの生活に疲れてしまい、もっと楽しくダンスをしたいなと思って一度休憩することにしました。

しばらくダンスから離れていたのですが、僕が高校を卒業する前に子どもの頃にダンススクールで一緒だったあの男の子と久しぶりに会ったんです。彼はアメリカ留学から帰国していて、それでダンスをみせてもらったら「なんだこれは!」と衝撃を受けて。それでまたダンスの道にもどり、僕がアメリカに行くきっかけとなりました。

いつでも応援してくれた両親との関係

やりたいようにやれという感じです。父は建築業をしていたのですが、アメリカにダンスを習いに行きたいって言った時も、「お前金ないだろ?俺の現場で働け」みたいな感じで、応援してくれました。
両親は僕のことが大好きなんですよ。ダンスの映像とかビデオに撮って夜通し見ていて、ここは良いこれは悪いみたいなことを言ってくるので、「うっせーわ踊ってみろ」みたいな感じで言い返したりして(笑)。

人間関係や人との距離感をテーマにして生まれた「ちぐハグ」

四大元素で人間関係を表現!?

人間関係や人との距離感についてをテーマにしようということは、はじめから決めていました。それで、一番最初は主人公を僕に見立ててコミュニケーションを題材にしようと考えていました。僕が小学生の頃、絵本に登場する少年「オタマ」みたいなおかっぱヘアで分厚い眼鏡をかけていて、まさにあのビジュアルであんまりコミュケーションが上手いほうではなかったんです。

小さい頃から海の近くに住んでいて自然に触れることが多かったので、自然が関係する物語がいいなと思ってからですかね。火と水が妖精として登場したら面白いな、でも火と水って喧嘩するよな…など考えていく中で物語がつくられていきました。

 

NOPPOさんが「ちぐハグ」に込めた想い

「ちぐハグ」の好きなシーンは?

主人公が、途中で1人になるシーンがあるんですよ。そこがすごい好きですね。言葉は書かずに絵だけで表現したいと思って、引き算の美学を意識しながら見ている人にも伝わるように意識しました。

一番思い入れのあるキャラクターは誰?

もちろん主人公の「オタマ」ですね。一緒に居るとしたら、喋ってくれる人が好きなので水の妖精の「チナミ」かな。

s**t kingz のメンバーをキャラクターに当てはめると?

リーダーのshoji君は、火。いつも元気で明るくて疲れてる時も掻き立ててくれる。現場でもいろんなスタッフさんを巻き込んで、いいもの作りましょう!みたいな。一週間ずっと一緒に居たら疲れるタイプですね(笑)。

kazukiは、風かな。フットワークが軽くて、やってみないとわからない!みたいな感じで行動力がありますね。面白くて、頭の回転がいい。

Oguriは難しいな…土かな。普段はボケーッとしているけど、ちゃんとまわりを見て出たり引いたりするのが上手い。経験値が高くて頭がいい感じ。

絵本「ちぐハグ」を通して伝えたいこととは

自粛期間でいろいろ閉ざされたりした中でコミュニケーションや仕事の仕方も変わっていきました。振り返ってみると、自分の日常から得られたものを物語にアウトプットしている感じですね。

絵本を読んで「私いま火の感じに近いな」とかその時の自分にキャラクターを当てはめたり、読んだ後にある人を思い出したり、もっと人に優しくしようとか…考えたり行動するきっかけになったら嬉しいです。気持ちがブレたときに自分を取り戻せるものにもなってほしいな。

子どもは多分絵を見て直感的に感じ取ってくれると思うので、この絵がおもしろいなとか風ってこんなかたちなの!?って自由に楽しんでみてもらえたらなと。大人になって意味が分かるようになったら繋がりや優しさを感じ取ってほしい。絵本の中に大事なメッセージが書いてあるので、悩んだ時に読んでもらえたら嬉しいです。

絵本「ちぐハグ」

発売日:2024年4月27日(土)
価格:3,000 円+税
発行:株式会社アミューズ

絵・原案:NOPPO(s**t kingz)
原作:高田亮
アートディレクション・デザイン:芝野健太
編集:三條陽平(ORDINARY BOOKS)
進行:小林花

絵本「ちぐハグ」/原作本「もりのこえ」セット

子どもから大人まで楽しめる絵本「ちぐハグ」は、読むときの気持ちや状況でストーリーの受け取り方が変わるので、何度も読み返したくなります。NOPPOさんのポップでかわいらしいイラストにも注目です。

■原作本「もりのこえ」
著:高田亮
編集:三條陽平(ORDINARY BOOKS)

絵本の出版に合わせて個展の開催も決定!

絵本の出版にあわせて、横浜・象の鼻テラスにて初の個展を開催。個展では、絵本「ちぐハグ」のイラストや、初公開のアート作品の展示をする予定とのことで今から楽しみですね♪また、個展最終日の5/5(日祝)には、子ども向けのワークショップも開催予定なのだそう。詳細情報は、公式のページからご確認ください。

【 NOPPO個展 「ちぐハグ展」 】 
■会場 象の鼻テラス
〒231-0002 神奈川県横浜市中区海岸通1丁目
・みなとみらい線「日本大通り駅」A1出口より徒歩約3分
・JR京浜東北・根岸線/横浜市営地下鉄ブルーライン「関内駅」より徒歩20分

■開催スケジュール 2024年5月1日(水)〜5月5日(日祝)
■開館時間 10:00~18:00
※入場無料。
※入場整理券はございません。
※どなたでも自由にご入場いただけますが、混雑時には、安全面を考慮し一部入場を制限させていただく場合もございますので、あらかじめご了承ください。

【 NOPPOプロデュース公演 「GOOFY〜マヌケな2人の間で〜」 】
横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホールでは、4/27(土)〜5/6(月祝)にかけてNOPPOさんがプロデュース・出演する公演「GOOFY〜マヌケな2人の間で〜」も上演されます。

作・演出・振付・出演:NOPPO(s**t kingz)
振付・出演:Jillian Meyers
音楽・出演:植松陽介 / 高橋あず美
「GOOFY」特設サイトは>こちら

s**t kingz公式サイトは>こちら

撮影/五十嵐美弥 取材・文/やまさきけいこ

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