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「キッコーマン」といえばしょうゆ!大人気の『ものしりしょうゆ館』って?
今回は、日本を代表するしょうゆメーカー「キッコーマン」の工場見学施設、千葉県野田市にある『もの知りしょうゆ館』に行ってきました。
取材に同行して工場見学を体験したのは、小学3年生のじん君とあおと君。今回は特別に工場見学後、小学校の社会科見学で実施している「しょうゆづくり体験」もさせていただきました。 (小学校の学校単位での見学時にしょうゆづくり体験があります。一般、個人参加は現在対応しておりませんのでご了承ください)
野田市駅から徒歩3分。駅前から見える「キッコーマン」のマーク付きサイロが目印
「キッコーマン」の『もの知りしょうゆ館』の最寄り駅・東武アーバンパークライン(野田線)野田市駅に降りると、駅前から六角形の赤い「キッコーマン」のマークが付いた大きなサイロが立ち並ぶ姿が見えます。それが「キッコーマン」の野田工場です。『もの知りしょうゆ館』は、この工場内に設置された施設となります。サイロを目指しながら歩くと、駅から約3分で到着しました。
エントランスから館内へと続く廊下を歩いていくと、3名の方が私たちを迎えてくださいました。偶然にも訪問した4月4日は、新旧の館長さんが勢ぞろい。スタッフの出口さんと共に私たちを待っていてくださったのです。
早速工場見学へ!まずはシアタールームで映像を視聴して、しょうゆづくりの基礎を学習
「今日は遠いところ来てくれてありがとう! しょうゆのお勉強をたくさんしていってくださいね。行ってらっしゃい!」
ご挨拶の後、早速工場見学がスタートしました。まず体験したのがシアタールームでの視聴。『しょうゆづくりのひみつ』と題した10分程度の子ども向けの映像を観賞しました。
映像は、しょうゆの原材料にはじまって、それをどのように加工してしょうゆをつくっていくのかを解説したもの。醸造に欠かせない複雑な発酵のしくみも、こうじ菌やブドウ糖などのかわいいキャラクターたちが登場して、楽しくやさしく解説してくれます。じん君も、あおと君も興味津々!
ガイドさんの説明を聞きながらしょうゆづくりの工程を見学していきます
映像を視聴したあとは、いよいよ実際の工場見学がスタート。ガイドさんに連れられて、工場内を巡りながらしょうゆづくりについて学んで行きます。
今回、工場案内をしてくださったのはガイドの秋山きみ子さん。最初はパネルを見ながらしょうゆの原料について紹介いただきました。
その後、見学コースの壁一面に映像が映し出されて、先ほど説明されたばかりの工程を、まるで機械の中に没入したかのようなリアルな感覚で見ることができました。2人とも釘付けに!お子さんが楽しめる工夫がいっぱいです。
また、発酵していくもろみの様子を目で見たり、香りを確認したりと、五感を刺激されながらの見学が続きます!
こうした五感の刺激を受けつつの見学に、じん君も、あおと君も大興奮!
熟成が進むにつれて変化するもろみの香りに「いいにおいだね!」「ぼくはこのにおいのほうが好きだな」などと感想を言い合って、興味が尽きません。
しょうゆの素になるもろみを熟成させているタンクの大きさも体感することができました。
「う~ん、大きいな~!」「すごい!」と、2人とも思わず、想いが口からこぼれ出ます。
見学の終盤では、「キッコーマン」の会社の歴史や、国内外で製造されている「キッコーマン」製品がずらりと展示されていました。たくさんの商品群を観て、2人はまたビックリ!
秋山さんの説明によれば、「キッコーマンしょうゆ」は、現在、世界100カ国以上で親しまれ、国内3工場のほかに、海外の8つの工場で生産されているそうです。さすがユネスコ無形文化遺産にも認定された‶和食〟を代表する調味料!
その上、さらに驚いたのは、「キッコーマンのこいくちしょうゆ」は国内外どの場所で製造されている商品も、同じ品質、同じ味を保っているということ。まさに世界に誇れる高度な技術です。
見学終了後は記念品をもらってうれしい! カフェや売店も充実、レアなアイテムも売っています
見学の最後には、ガイドの秋山さんから記念品をプレゼントしていただきました。
取材したこの日は、「キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ」をいただきましたが、記念品は変更になる場合があるそうです。
館内にある「まめカフェ」で「しょうゆソフトクリーム」を食べて一息ついたり、工場限定のオリジナルグッズなどが販売されている売店でお土産を買うなど楽しみ方は他にも!
特別に体験させていただいた昔ながらのしょうゆづくり体験に大興奮
今回体験させていただいた「しょうゆづくり体験」は、「キッコーマン」が食育活動の一環として、通常は小学校(小学3~6年生)を対象に行われている見学コースです。学級・学年などの団体で申し込みができます。※今回の取材のために特別に開催いただきました。
「しょうゆづくり体験」は、工場見学をした『もの知りしょうゆ館』からいったん外へ出て、歩いてすぐの別館で行われました。じん君とあおと君は、持参したエプロンを着用して臨みました。
最初に、しょうゆづくりについて学ぶビデオを観賞。しょうゆのつくられ方がわかったところで早速体験です!
蒸した大豆や炒って砕いた小麦などのしょうゆの原料を触ったり、その香りを確かめながらまずは素材を確認。
次に麹を盛り込んだり、もろみの熟成度を観察したり、熟成したもろみを搾ったり。ガイドの方の説明をお聞きしながら、次々としょうゆづくりの工程を体験することができました。
焼きたてのおせんべいをパクリ!
最後は、2人が搾って完成したしょうゆの風味を味わって「しょうゆづくり体験」が終了となりました。その味わい方というのもまた子どもがワクワクする仕掛けがいっぱい。完成したしょうゆを無地のせんべいに刷毛で塗りながら焼いて、できたてのしょうゆせんべいを味わうというもの。おしょうゆに付けたおせんべいを炙り始めると香ばしいしょうゆの香りが立ち上り、食欲をそそります。
自ら手作りした温かいせんべいを食べて、2人とも大満足! 約60分間の体験はあっという間に終了しました。
じん君もあおと君も、先に体験した工場見学だけでもしょうゆのつくり方やその面白さは充分に理解できたと思います。でも、この「しょうゆづくり体験」は、2人のしょうゆへの関心をさらに高めたようです。
2人のママたちによれば、帰宅後、じん君は「キッコーマンのしょうゆはつくるのに時間がかかるから大事に使って!」と、ママにアドバイス。工場見学で学んだしょうゆについてたくさん話をしてくれたそうです。
また、あおと君は、お土産でもらったしょうゆをさっそく使い冷奴を食べたそうですが、しょうゆがつくられる過程を学び、普段はドバドバかけていたしょうゆを大切に使うようになったとのこと。
まさに‶体験に勝る学びはない〟ですね!
『もの知りしょうゆ館』は、東京駅から電車で約1時間の千葉県野田市にあります。これを機会に、ぜひ一度、親子で出かけてみてはいかがでしょうか。
キッコーマン「ものしりしょうゆ館」と野田市は見どころいっぱい
「もの知りしょうゆ館」のある千葉県野田市は、今から300年ほど前の17世紀にしょうゆ醸造が本格的に始まった町で、江戸川と利根川の水運の恵みを受けて、巨大都市・江戸へしょうゆを運ぶことでしょうゆ産業が発展。明治期以降の近代化によってしょうゆ産業はさらに大きくなり、全国に名高いしょうゆ産業の町になったそうです。そのため、野田市にはそうした繁栄の証となる明治・大正・昭和初期に建てられた古い建物が今も多く残っています。
工場の敷地内にはかつて宮内省に納めていたしょうゆの専用醸造所「御用醤油醸造所(通称・御用蔵)」【キッコーマン 御用蔵 | キッコーマングループ 企業情報サイト 】が移築され、現在も宮内庁へ納めるしょうゆを醸造しています。
『もの知りしょうゆ館』へ訪れた際は、そうした近代化産業の遺産である建築物巡り【「近代化産業遺産のまちー野田」第4版作成|野田市ホームページ 】もおすすめです。
キッコーマン もの知りしょうゆ館への見学はこちら→キッコーマンもの知りしょうゆ館 | キッコーマングループ 企業情報サイト
取材・文/山津京子