自宅での「ウニ」はミョウバン処理がポイント。高級食材をリーズナブルに! 種類と食べ方、相場価格と購入ガイド

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ウニは磯の香りと旨味がおいしい希少な海産物です。その独特な味と食感を保つために施されたミョウバン処理について、知識があるとよりおいしく味わうことができるかもしれません。人気の高い高級食材、ウニについてまとめました。

ウニは棘皮(きょくひ)動物に分類され、ヒトデやナマコの仲間です。口に入れた時に広がる独特の甘みやクリーミーな食感は、他にないおいしさですよね。そんな特別な海産物が手に入った時にはどんな下処理が必要なのか、いざという時のためにも、ぜひ一度お読みください。ウニの種類や下処理、おいしい食べ方をみていきましょう。

ウニの魅力

ウニの産地、旬、市場に出回るウニの種類についてまとめました。

旬の時期とその価値

日本一のウニの産地、北海道で獲れるのは主に、エゾバフンウニやキタムラサキウニの2種類で、6〜8月が旬です。次に水揚げ量が多い東北地方では、旬が4〜8月とされています。

一方、水揚げ量は少なくなりますが、中国地方の山口県ではムラサキウニが3〜4月、バフンウニは6〜7月、アカウニは6〜8月が旬です。

また、九州地方では春にムラサキウニ、夏はアカウニが水揚げされます。

バフンウニの由来

身は小粒ですが、濃厚な味が魅力のバフンウニ。この名前は、見た目が馬糞に似ていることからつけられたそう。名前に似合わない、高級な食材です。

バフンウニ。トゲが短めなのが特徴 Photo by Totti, Wikimedia Commons

東北から北海道に棲息するエゾバフンウニは濃い橙色をしていて、味も濃厚です。

特選A品 エゾバフンウニ 80g

北海道最北端の地、根室で獲れるエゾバフンウニを、添加物不使用の苦みのない味でお届けします。ご自宅で贅沢なウニ丼が楽しめますよ。

 

ムラサキウニ

バフンウニに比べて淡白な味ですが、引けをとらないおいしさをもつのが、ムラサキウニです。

ムラサキウニ。光に透かすとトゲが暗紫色に見えることから Photo by Naotake Murayama from San Francisco, Wikimedia Commons

特に東北地方から北海道にかけて棲息するキタムラサキウニは漁獲量が最も多く、年間水揚げ量の半分程度を占めています。主に市場に出回るのはこれで、比較的値段も抑えられてる傾向が。

 北海道 礼文・利尻島産 生キタムラサキウニ 180g

水揚げ次第発送のため、天候次第ではお届けが遅れる場合も。その分、獲れたてで新鮮なウニが味わえます。

 

市場価格

ひとつのウニからとれる房は、たったの5つ。手作業で行われる加工には手間がかかるうえ、ウニは鮮度が落ちやすい繊細な海産物です。さらに国内での水揚げ量が減少していることから、市場価格は上昇が続いています。

その値段は100g当たり5,000円を超えることも。ウニは品種や鮮度によって価格が大きく異なるため、注意が必要です。手に入った際は、じっくりと味わいたいものですね。

また、回転寿司や宅配寿司などでは、外国産の輸入ものが多く提供されています。1kg当たりの卸値は3万円程。国内産と比較して安価で手に入り、輸入先はアメリカ・チリ・中国・カナダが上位を占めています。

ウニとミョウバン

ウニは空気に触れていると溶けたり、身崩れしたり、鮮度が落ちやすい特徴があります。そこで、ウニをミョウバン水に浸け、型崩れを防ぐ方法がとられることが、しばしばあることをご存じでしょうか?

ミョウバン不使用のウニとその理由

ミョウバン水に浸け、箱に盛り付けられたウニは「箱ウニ」「板ウニ」と呼ばれます。これは、粒が揃って美しい一方で、ミョウバンの加減には技術を要することから、場合によってはミョウバン自体の苦みや、薬っぽさが感じられることも。

箱ウニ

最近は、ミョウバンを使わずに、塩水に浸けられただけの「塩水ウニ」が人気の加工法なんだとか。安定した流通技術の発展によって、出回るようになりました。

これならばエグミがなく、味を損ねません。その反面、崩れやすいデメリットが生じ、賞味期限も2日程度と短くなります。

塩水パックのウニ

ミョウバンなしのウニを見分ける⁉

お寿司屋さんなどでも、箱に詰められたウニが並んでいますが、これは絶妙の加減でミョウバン水に浸けられた、品質の良いもの。味が良く嫌な臭いもしない下処理ができる加工所とのお付き合いが、その味を支えています。

素人目でこれを見分けるのは難しいものです。購入したら以下の方法で下処理を行い、ミョウバンの苦みを軽減する方法があるので、ご参考にしてください。

ミョウバンの抜き方

【1】海水に近い濃度の塩水を用意します。

【2】ミョウバンを抜きたいウニを入れて、しばらく浸けます。

【3】ザルなどで静かに引き上げ、水気を軽く切ります。

これで、ミョウバンの匂いを気にせず、おいしく口にすることができます。

ウニの可食部位と食べ方

漁港周辺の地域でなければ、スーパーで殻付きウニが売られていることは、めったにありません。手に入った際は、殻を開けて可食部の卵巣と精巣を取り出します。

ウニの殻を開ける方法

ウニの殻には棘があるので、必ず軍手などでケガを防ぎます。また、海水程度の塩水を用意することも忘れずに。

【1】身体の下にあるウニの口を見つけてください。その周辺をハサミ、またはナイフで切ります。

生きて動いているウニは、なかなか手ごわいものですから、慣れない場合は殻を開けた状態で購入するのもおすすめです。

【2】切った部分から指を入れて、半分に割ります。割れない場合は、スプーンなどを使って中身を取り出してください。すくった中身は、塩水に入れます。

オレンジ色の身が食べられる部分で、黒い部分は内臓なので食べられません。また、ゴミが付着している場合は、取り除きます。

塩ウニの食べ方

ウニに直接塩を振ることで保存した塩蔵ウニも、別格の味わいです。1か月程の保存ができるうえ、余分な水が取り除かれ、旨味も濃厚。瓶詰めで販売されており、「粒ウニ」「練りウニ」の種類があります。

塩ウニは、炊き立てのご飯にのせて食べたり、お酒のアテとしてそのまま食べたりすれば、絶品です。また、オリーブオイルと混ぜてソースにするなど、ご家庭で簡単な調理も楽しめます。

生ウニがおいしいのはもちろんですが、塩ウニも珍味として味わうと、大人の味覚にはたまらないおいしさです。

信頼できる購入先を

ウニは加工によって鮮度が保たれ、私たちの手元に届けられる繊細な海産物です。加工方法によって味が大きく左右されることから、信頼できる販売店での購入が不可欠。そんなウニを入手できた時には、海から届いたおいしさを存分に堪能してください。

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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)

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