オリンピックとは?
オリンピックの基本情報
そもそもオリンピックとはどんな祭典なのでしょうか。
オリンピックとは、4年に1度開催される世界的なスポーツの祭典。究極の目的として、スポーツを通し、人間育成と世界平和を掲げています。オリンピックには、夏に行われる夏季大会と、冬に行われる冬季大会があります。
参加国と参加者の数
1896年にギリシャのアテネで行われた第1回オリンピックの参加国は、わずか14か国、選手は241人で男性のみの参加でした。しかし、回数を重ねるうちに徐々に参加国、参加者数は増えていきます。直近の夏季大会である東京2020オリンピック(2021年に実施)では、206か国・地域が参加し、参加選手数は11,420 人となっています。
オリンピックのシンボル
オリンピックのシンボルに、五輪マークで知られる「オリンピック・シンボル」があります。このシンボルは、近代オリンピックの始祖であるフランスのピエール・ド・クーベルタン男爵が考案しました。
オリンピック・シンボルは、青、黄、黒、緑、赤の5つの輪で構成されており、5つの輪にはアジア、ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカ、オセアニアの 5大陸の団結と、オリンピック競技大会に世界中から選手が集まることを表現しています。
また、青、黄、黒、緑、赤、地色の白は、世界の国旗のほとんどを描くことができるという理由でこの色が選ばれたそうです。
オリンピックの歴史
古代オリンピックの起源
近代オリンピックの前に行われていたのが「古代オリンピック」です。正式には「オリンピア祭典競技」と呼ばれます。
古代ギリシアで行われていたこの古代オリンピックは、紀元前9世紀ごろにはじまったとされており、ギリシアを中心にしたヘレニズム文化圏の宗教行事でした。
古代オリンピックの終焉
紀元前146年に、ギリシアがローマ帝国に支配されたことが古代オリンピックに大きな影響を与えます。
もともと古代オリンピックには、ギリシア人以外の参加を認めていなかったのですが、ローマが支配する地中海全域の国から競技者が参加するようになったのです。また、392年にローマのテオドシウス帝がキリスト教をローマ帝国の国教と定めます。
これらのことがきっかけで、オリンピア信仰を維持することは困難となり、393年に開催された古代オリンピックが最後となってしまいました。
近代オリンピックの再興
古代オリンピックが近代オリンピックとして復活するのは、古代オリンピックが終焉をむかえてから1500年もの時が流れた1892年のこと。フランスのピエール・ド・クーベルタン男爵が講演でオリンピック復興の構想を明らかにしたことがきっかけです。その構想に世界中の国が賛同しました。
第一回近代オリンピック(アテネ1896)
1896年に第1回近代オリンピックが開催されます。開催場所は、古代オリンピックのふるさとであるギリシアのアテネでした。
夏季オリンピックと冬季オリンピック
夏季オリンピックの特徴
夏季オリンピックはその名のとおり夏季に行われるオリンピックです。4年に1回開催され、世界中の多くの国と地域から選手が参加します。現代の夏季オリンピックでは、陸上、水泳、体操、サッカー、バスケットボール、テニス、レスリング、ボクシングなど、30以上もの競技が行われるのが特徴です。
冬季オリンピックの特徴
冬季オリンピックは冬季に行われるオリンピックです。こちらも4年に1回開催されます。冬季オリンピックで特徴的なのは、スキーなどの雪上競技と、フィギュアスケート、アイスホッケーなどの氷上競技が行われることです。
オリンピックの競技種目
夏季オリンピックの競技種目
パリ2024オリンピックでは、下記の32の競技が行われます。
水上競技(競泳、マラソンスイミング、飛込、水球、アーティスティックスイミング)、アーチェリー、陸上競技、バドミントン、バスケットボール(3×3、バスケットボール)、ボクシング、ブレイキン、カヌー(カヌースプリント、カヌースラローム)、自転車(BMXフリースタイル、BMXレーシング、ロードレース、トラックレース)、馬術(総合馬術、馬場馬術、障害馬術)、フェンシング、サッカー、ゴルフ、体操(体操競技、新体操、トランポリン)、ハンドボール、ホッケー、柔道、近代五種、ボート、ラグビー(ラグビーセブンス)、セーリング、射撃、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィン、卓球、テコンドー、テニス、トライアスロン、バレーボール(ビーチバレー、バレーボール)、ウエイトリフティング、レスリング(グレコローマン、フリースタイル)
冬季オリンピックの競技種目
ミラノ・コルティナ2026オリンピックでは、下記の8競技15種目が予定されています。
バイアスロン、ボブスレー(スケルトン、ボブスレー)、カーリング、アイスホッケー、リュージュ、スケート(フィギュアスケート、スピードスケート、ショートトラック)、山岳スキー、スキー(アルペンスキー、クロスカントリースキー、スキージャンプ、ノルディック複合、フリースタイルスキー、スノーボード)
新しい競技種目の追加
2024年パリオリンピックの正式競技として追加される競技には、ブレイキン(ブレイクダンス)、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの4競技があります。このうち、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンは2021年に行われた東京オリンピックでも採用されました。
実質、パリオリンピックで新競技となるのがブレイキンです。選手は流れる音楽に合わせて即興で個々にダンスを披露します。高度なパフォーマンスやアクロバティックな要素を盛り込んで創造性を競い合います。
日本とオリンピック
日本で開催されたオリンピック
日本でこれまでに開催されたオリンピックは、夏季2回、冬季2回です。
夏季は、1964年と2021年に行われ、2回とも会場は東京でした。1964年の東京オリンピックは、アジア初の夏季オリンピック開催だったのが特徴的です。なかでも「東洋の魔女」と呼ばれていた女子バレーボール日本代表が金メダルを獲得し、多くの国民がその活躍に盛り上がりました。
記憶にも新しい2021年に行われた東京オリンピックでは、コロナウイルスの影響により、開催が1年延期になりました。また、無観客で行われたことも話題となりましたが、アスリートの熱戦は多くの人の記憶に残りました。
冬季は、1972年に札幌で、1998年に長野で行われました。札幌オリンピックでは、スキージャンプ70m級(現在のノーマルヒル)で表彰台を日本選手が独占。長野オリンピックでは、日本選手はスキージャンプ、スピードスケート、ショートトラック、フリースタイルスキーで5個の金メダルを獲得しています。
日本のオリンピック選手の活躍
日本の代表選手がオリンピックではじめてメダルを獲得したのは、第7回アントワープ大会です。テニスで熊谷一弥が銀メダル、また柏尾誠一郎と組んだテニス男子ダブルスでも銀メダルを獲得していました。
東京2020オリンピックでは、日本選手団の金メダル数は27個、総メダル数は58個で過去最多のメダルを獲得しています。
パリオリンピックの見どころ
2024年7月26日から8月11日まで、第33回夏季オリンピック競技大会がフランス・パリで開催されます。パリオリンピックで注目されていることにはいくつかありますが、ひとつは、開会式がセーヌ川で行われることです。ボートに選手たちが乗り、水上を入場行進します。
また、今大会で新たに採用された競技、ブレイキンも見どころです。ブレイキンの日本の代表選手に内定しているのは、男子は大能寛飛選手、女子は湯浅亜実選手と福島あゆみ選手で、活躍が期待されます。
パリオリンピックを楽しもう!
オリンピックの歴史を知れば、ますますオリンピックが楽しめます。パリオリンピックでは、水上パレードが行われる開会式や、新競技・ブレイキンにも注目してみてくださいね。
文・構成/Hugkum編集部