ナスカの地上絵で有名な「ペルー」ってどんな国? キヌアやアルパカで知られる国の〝有名なもの〟を紹介 【HugKum世界紀行】

ペルーは南米にある国で、世界遺産に登録されたマチュピチュをはじめ、12の古代遺跡が数多く残されていることで知られています。そんなペルーはどんな国なのか、さっそく見ていきましょう。

ペルー基本情報

まずは、ペルーの場所、面積、人口などの基本情報から見てみましょう。

国名

ペルー共和国

首都

リマ

場所

ペルーがあるのは南米大陸の西部です。北にエクアドル、コロンビア、東にブラジル、南東にボリビア、南にチリと接しています。また、西側は太平洋に面しています。

日本との時差

14時間。日本のほうがペルーより14時間進んでいます。

面積

129万㎢。日本の面積が約38万㎢ですから、ペルーの面積は日本の約3.4倍です。ペルーは南米で3番目に面積の大きな国です

エリア

ペルーには24の県とカヤオ特別区があります。

ペルーの行政区 I, AgainErick, CC 表示-継承 3.0, Wikimedia Commons

人口

3,297万人。日本の人口が1億2,389万人ですから、ペルーの人口は日本の約27%です。

言語・公用語

スペイン語。それ以外にケチュア語、アイマラ語などが使われています。

首都リマの旧市街

通貨

ペルー・ソル。1 ペルー・ソル=39円(2024年8月20日現在)

宗教

カトリック(81%)、プロテスタント(13%)、その他(6%)。

歴史

アンデス山脈があるペルーは、16世紀までインカ帝国が繁栄してきた地です。インカ帝国が消滅すると、16世紀頃からスペイン人の入植がはじまり、やがてスペインの植民地となりました。

しかし18世紀末から19世紀になると、フランス革命などの欧州での混乱の影響により、ペルーでもスペインから独立する動きが出てきました。これがペルー独立戦争で、1821年にスペインから独立を果たすこととなりました。

国旗

ペルーの国旗は、赤と白の縦のストライプのデザインです。赤は勇気や愛国心を、白は平和や名誉を象徴しています。中央には国章が描かれています。

ペルーの国旗
ペルーの国旗

天気・気候

ペルーの気候は地域によって、大きく3つに分類できます。

首都リマは海岸地帯にあり、年間平均気温は20℃前後で、年間を通じて雨はあまり降りません。アンデス山脈がある山岳地帯は、日中と朝晩の気温差が大きく、朝と夜は10℃以下になり、5月から8月には0℃以下になることもあるほどです。アマゾン地域の森林地帯は、年間平均気温が24℃ほどです。

ペルーの治安・住みやすさ

首都リマの中心地

マチュピチュの観光など、ペルーを旅行で訪れる人もいるでしょう。そのときに気になるのが、現地の治安についてです。

治安はよくない

ペルーには観光スポットが多くありますが、治安の面では決していいとはいえません。2022年12月からペルー全土で政権に対する抗議活動が激化し、ペルー政府はペルー全土で非常事態を宣言。治安が悪化していましたが、デモから1年が過ぎ、集会でも暴力的な活動が減少したことから、危険レベルが引き下げられました。

外務省「海外安全ホームページ」によると、ペルーは全土で「十分注意」のレベル1以上が発令されています。注意が必要なのは、コロンビア及びブラジルとの国境地帯とプーノ州。さらにフニン州の一部地域などでは、渡航中止勧告のレベル3が発令されています。

首都リマでは観光客を狙った犯罪が発生していて、拳銃を使用した強盗事件、スリ、ひったくり、置き引きなどもあり、日本人観光客が巻き込まれたケースも報告されています。一人で行動している観光客は標的になりやすいため、とくに注意する必要があります。

首都リマ郊外の丘陵地で市民の足として利用されるモトタクシー Photo by quinet – flickr, CC 表示 2.0

住みやすさは疑問

ペルーには日本大使館があり、現地で生活している日本人もいます。ただ治安がいいとはいえないことから、日本人にとって住みやすい国とはいいがたいでしょう。

ペルーの見どころ・観光

ペルーの観光スポットといえば、マチュピチュなどの古代遺跡があります。

マチュピチュ

世界遺産に登録されているマチュピチュは、標高2400mのアンデス山脈の尾根に沿って築かれた15世紀頃の古代インカ帝国の遺跡です。山裾には遺跡の存在がないことから、神秘的な「空中都市」と呼ばれています。

ペルーのマチュピチュ
マチュピチュはペルーを代表する観光スポット

これだけの高地に、神殿のほか住居やかんがい施設などもほぼ完全な形で残されており、高いレベルの文明があったことが伺えます。山は天気が変わりやすいため、晴れになったり曇りになったりしますが、いずれも幻想的な世界を楽しめるでしょう。

インカ帝国の都市、クスコ

クスコはインカ帝国の都市です。マチュピチュよりもさらに標高の高い、3400mに位置します。インカ帝国ならではの石を積む技術が集約された街があり、建物の美しさとスペインの文化を感じられる場所です。

クスコのアルマス広場

アルマス広場という街の中心には、レストランやホテル、教会などの観光スポットが集まっています。

ナスカの地上絵

ナスカ川とインヘニオ川に囲まれた砂漠地に刻まれた巨大な図形や絵は、とても有名です。

ナスカの地上絵
ナスカの地上絵

ナスカ文化の時代に描かれたとされるナスカの地上絵は、今でも作られた理由や描き方について謎とされています。世界遺産に登録されており、観光客が一度は目にしたいと思うもののひとつでしょう。

チチカカ湖

ペルーのチチカカ湖
チチカカ湖

チチカカ湖はペルーとボリビアの国境にある淡水湖で、琵琶湖が10個以上入るほどの大きさです。チチカカ湖があるのは標高3800mと、富士山よりも高地です。世界で最も高い場所にあるこの湖では、大型船に乗ったり、ボリビア側の街コパカバーナを訪れたりできます。

ペルーの特徴・有名なもの

ペルーを代表する食べものに、キヌアなどのスーパーフードやカカオがあります。

スーパーフード

栄養価が高いことで知られる「キヌア」はペルーが原産地のひとつで、アンデス山脈などで作られています。このほかに、マカ、アマランサスなどのスーパーフードもペルー産のものがあります。

スーパーフードのひとつキヌア
スーパーフードのひとつキヌア

カカオ

赤道を挟んで、北緯20度から南緯20度のエリアが栽培に適しているといわれるカカオ。ペルーもそんなエリアに入っており、カカオの生産量が多い国として知られています。クリスマスにはホットチョコレートを飲む習慣があり、ペルー土産としてもチョコレートが人気です。クスコやリマなどには、チョコレートの歴史を紹介する博物館もあります。

アルパカ

アルパカは、ふわふわの毛におおわれた南米原産のラクダ科の動物です。アルパカの毛はカシミヤと並ぶほど上質な素材として知られています。そんなアルパカは、ペルーのアンデス山脈などで飼われています。

マチュピチュのアルパカ

古代遺跡と美しい自然が魅力の国、ペルー

南米にあるペルーは、マチュピチュなどの古代遺跡でよく知られている場所です。世界遺産の数が多く、観光旅行先としても人気の高い国です。しかし治安面では不安が多く、訪れるなら十分な注意が必要です。遺跡などに興味がある方は、ペルーの歴史や民族文化とともに調べてみるといいでしょう。

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文・構成/HugKum編集部

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