野菜の収穫からイノシシ料理、箸作りまで!命の循環を感じるツアーを、ケーキデザイナー太田さちかさん一家が体験【クルックフィールズお出かけレポ】

千葉県木更津市にある『クルックフィールズ』は、「農」と「食」と「自然」が融合した複合施設。畑で収穫した野菜やハーブはレストランやベーカリーに運ばれ、出来立てのパンやチーズと共に、自然の恵みがふんだんに詰まった料理として楽しみます。ゴミや排水についてもフィールズ内で循環しているので、大人も子どももサステナブルな力を体感でき、学びもいっぱい。子どもも大人も楽しめる、クルックフィールズでの体験を詳しくレポートします!

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『クルックフィールズ』ってどんなところ?

音楽プロデューサー・小林武史さんが2019年に開いた、サステナブル ファーム&パーク「KURKKU FIELDS(クルックフィールズ)」

千葉県木更津の広大なスペースで、「農」と「食」「自然の循環」を体感することがコンセプト。東京ドーム9個分の敷地内には、オーガニックファームや鶏舎、牛舎、場内で育まれた素材を扱うレストランやベーカリーなどがあります。自然と調和するかのように佇むアート作品があり、宿泊施設「cocoon(コクーン)」で滞在も可能。

食や農、アートなどを通じて、どこから楽しんでもひとつの環(わ)でつながっていることを実感できる場所です。

排水は、微生物や植物の力を借りたバイオジオフィルターで浄化され、場内の活動で出たごみや生き物の排泄物は堆肥となり、資源として他の生物たちと再びつながって森を作っているのだそう。

雄大な自然の中に身を置くことで、日常では見落としがちな季節の変化や移ろいゆく時間の流れをじっくりと味わったり考えさせられたり、自然の循環を体感できます。

「命の循環を感じるツアー」に家族で参加

クロモジの葉

この日、家族で参加したのはクルックフィールズの「命の循環を感じるツアー」。すごく壮大なテーマですが、どんなことが楽しめるのかワクワクしながら参加しました。

まずはスタッフの解説を聞きながら、フィールズ内を散策。いろんな木々の説明を受けながら、芳香のあるクロモジやどんぐりを発見!

スタッフの方が「これは食べられる。食べられない。今日は、これを料理してみましょう」など、自然に触れながら瞬時に判断し、クリエーションするので大人も話に釘付けです。子どもたちは、どんぐりを拾ったり、葉っぱの説明を受けたり興味津々。

プログラムの後半では、拾ったどんぐりやクロモジをいただきました。クロモジの葉は、少々煎じてお茶に、どんぐりは炒っていただきます。

クロモジのお茶
ほのかに香ばしい、炒った「どんぐり」

フィールズの畑で、野菜を収穫!

カブを収穫!
お野菜いっぱい!クルックフィールズの畑

次は、フィールズの畑で野菜を収穫。新鮮なカブやルッコラ、サラダ菜などみずみずしく力強く育っています。その場で、そのまま味見してもおいしい!調味料なしでも、野菜はこんなにも味わい深いとは正直驚きです。五感をフル活用して味わいます。

子どもたちも、気になる野菜や好きな野菜を、黙々と収穫。

黙々とお気に入りのお野菜を剪定して収穫中

インパクト大!火を起こして、イノシシ料理

続いてインパクトが大きかったのが、捕獲したイノシシを解体しての料理です。

ハーブでイノシシを味付け
イノシシを焼きやすいように鉄の棒にくくります

フィールズで採れたハーブで味付けをして、炭火で焼きます。

火の起こし方も教えてくださり、炭火の良さがお肉のジューシーな香りと共にやってきます!

イノシシを炭火で焼きます

しいたけの植菌作業に、クロモジの箸づくり

イノシシが焼けるまで、しいたけの植菌体験。(訪れたのは、11月でした)

クルックフィールズで育ったシイタケも収穫

駒菌を金槌で打ち込む作業は、家族で協力して行います。しいたけが本格的に発生するのは、植菌して夏を2回経過してからだそう。その後、4〜5年間は継続して発生します。

長期のプロジェクトですが、今、植菌するしいたけが2年後、4年後どうなるかをみんなで考えながら作業します。食べるまでにどのくらいの時間を要し、どのくらい手間ひまがかかるのか。そんな視点を持つことができますね。

クロモジの枝。箸にしやすい部分を選びます。

さらに、あのイノシシを食べるための箸づくりも!フィールズで見つけたクロモジは、もともと爪楊枝にも使われる素材です。クロモジの枝を、個々にカッターで削り上げて箸を作りました。

私は食べたい一心でただただ削りましたが、娘は丁寧に箸づくりに向き合い、出来上がった箸の綺麗なこと!こういうところに、家族それぞれの個性が出ます。

左が娘作。右が私の作った箸。いびつでも食べられるならよし!

フィールズの野菜とお肉をいただきます!

収穫した野菜のサラダ

収穫したお野菜は、とても美味しそうなサラダになりました。

クルックフィールズの焼き立てパンも登場。

そして、あのイノシシ肉が焼き上がりました!なんとボリューム満点のツアーでしょう。参加された皆さんと、家族と、その日の出来事や料理に至るまでを話しながら味わいます。

最後は、スタッフの皆さんのお話を伺い、それぞれに意見や感想を発表するワークの時間です。

「自然の循環」ってなんだろう?

ワークのテーマは、クルックフィールズのコンセプトでもある「自然の循環」。

このツアーでは、まずフィールドに生息する木々や栽培する野菜、飼育する動物を知り、その収穫や調理からスタートします。

料理を味わうための道具も自ら作り、料理を堪能したら、生ごみや排水がどのようにフィールドで自然に還るのかお話も伺うことができました。

生ごみや排水は、時間をかけて再び栄養のある土に還り、太陽のエネルギーをたっぷりと受けたら、また新しい生命や野菜を育むことになります。つまり、時間をかけて「自然が循環」していることを体感できます。

しいたけの植菌も時間を要するもの。そして、4〜5年後には再びただの原木に戻ります。この処分をどうするか?次の課題です。

さいごに

あっという間のツアー体験。半日のツアーでしたが、家族の会話はもっぱらクルックフィールズで体験したこと。帰路では、各々が自然環境のために何かできないかと考えさせられます。

さっそく、私も「コンポスト」を自宅に取り入れることに。まずは、家庭の生ごみを土に還す。そんな試みから。

クルックフィールズ
〒292-0812
千葉県木更津市矢那2503
営業時間:10:00-17:00
定休日:火・水曜

https://kurkkufields.jp

 

記事執筆

太田さちか
  • ケーキデザイナー、芸術教育士。フランスと日本で製菓を、京都芸術大学大学院で芸術を学ぶ。子どもとママのための製菓クラスやワークショップ「My little days」を主宰。子どもたちの興味や感性に寄り添う独自の世界観から提案している。かたわら、ウェディングやパーティ用のお菓子制作、雑誌やテレビ、Webなどで幅広く活躍。著書に「メレンゲのお菓子 パプロバ」(立東舎)「不思議なお菓子レシピ サイエンススイーツ」(マイルスタッフ)「太田さちかのサイエンススイーツ 魔法のおやつをめしあがれ」(文化出版局)などがある。

    今回の記事で取り組んだのはコレ!

    • 12 つくる責任つかう責任
    • 15 陸の豊かさも守ろう

    SDGsとは?

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