実写映画化!「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」
原作の「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」とは、廣嶋玲子/作、jyajya/絵(偕成社刊)による日本の児童
幸運な人だけがたどりつける、ふしぎな駄菓子屋「銭天堂」。店の女主人・紅子がすすめる駄菓子は、どれもその人の悩みにあったぴったりのもの。でも、食べ方や使い方をまちがえると…。幸福をよぶか、不幸をまねくかはその人次第。
運よく「銭天堂」を訪れた人たちが、なにを求めてどのように願いを叶えるのか…ハッピーエンドだけではない、わくわくソワソワするような展開で一度読んだらハマること間違いなしの作品です。
本当にあるのかも!?と思うような再現度に感激
「銭天堂」に続く路地やお店の中もレトロな雰囲気が漂い、小さい頃に行った駄菓子屋さんを思い出す親御さんも多いのではないでしょうか。本当に「銭天堂」は、存在するのかもしれない!?と思ってしまうような再現度に感激します。
そして、お店には原作で登場した商品がずらりと並んでいて、見ているだけでわくわくします。中には見たことがないお菓子も並んでいるのですが、それは映画用に原作者の廣嶋玲子さん、jyajya さんが新たに考えた駄菓子なのだそう!なんと20個近くの新商品が店先に並んでいるとのことなので、ぜひ探してみてください♪ 筆者は数個しか見つけられなかったので、もう一度映画を観てチェックしてみたいです。
紅子を演じるのは天海祐希!意外なキャストにも注目
「銭天堂」の女主人の紅子を演じるのは天海祐希。約3時間掛かるという特殊メイクでふっくらとした姿は貫録があり、紅子のお客さんに対する揺るがないまなざしや堂々とした姿が、かっこいい!まさに適役です。
「~でござんす」と言う、独特な話し方もそのままで、本の世界から飛び出してきたかのよう。「銭天堂」でお菓子作りや箱の組みたてなどしてはたらく金色の招き猫たちもちゃんと実写化されていて、思わず「かわいい」と声が出そうになりました。
謎の駄菓子屋「たたりめ堂」の店主で、紅子をライバル視しながらも相手の心の隙につけこみ、良からぬことを企んで人々を惑わせる少女よどみ役は、自身初の悪役を演じる上白石萌音。
原作で、よどみが出てくると不穏な空気が漂うのですが、映画に登場するよどみは、もちろん嫌なやつなのですが、なんだかかわいらしくてずっと見ていたくなるほど。「銭天堂」と「たたりめ堂」の路地の違いや、お店、登場するお菓子にもぜひ注目してみてください。壁に貼ってあるポスターなどをよく見ると手が込んでいておもしろいですよ。映画オリジナルの紅子VSよどみのシーンもあるのでお楽しみに!
また、映画オリジナルキャラクターとなる小学校の新米教師・等々力小太郎役はなにわ男子・大橋和也、等々力の大学の後輩役を伊原六花が演じます。映画の中でこちらのふたりの関係がどうなるのか!?も気になるポイントです。
「欲望との向き合い方で運命が変わる」大人も共感できるテーマに引き込まれる
幸運な人しかたどり着けない「銭天堂」で、自分の意志で手に入れた駄菓子を食べたら願いが叶うけれど、そこから先はその人の行動次第で幸運にも不幸にもなる。映画を観ていても、「ちゃんと駄菓子の説明書読んだのかな」、「なにをお願いするのかな」とソワソワしてしまうシーンがたくさんあります。子どもと一緒に映画を観たあとに、自分だったらどうするのか話し合うのも楽しそう。
楽をして幸せを手に入れたいという気持ちには誰にでもあって、結果だけを求めてしまいがちですが、この映画は願いを叶えるための努力や過程の大切さも教えてくれます。登場する人たちが、どのような願いを叶えたくて、駄菓子を食べた後にどうやって行動をするのか、ぜひ映画館で見届けてください。
映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」
【ストーリー】
小学校の新米教師 等々力小太郎は、15 年ぶりに母と妹と故郷の町へ戻って来た。
母校の教壇に立つことになったが、生徒たちにも慕われ、順風満帆な出だしの様子。しかし実は内向的な性格で、子どもの頃からずっと悩んでいる。
そんな中、小太郎は生徒たちからふしぎな駄菓子屋の噂を聞く。「そこの駄菓子は願いを叶えてくれるって。でも、食べ方や使い方を間違えると大変なことになるんだそうです……。」その駄菓子屋の名前は、「銭天堂」。そこには、色とりどりのガラス玉のかんざしで結いあげた真っ白い髪に、真っ赤な口紅と古銭柄の赤紫色の着物を着た、店主・紅子がいるという。最初は都市伝説だと取り合わなかった小太郎だが、銭天堂の駄菓子を買ったらしい周囲の人々の様子が、少しずつおかしくなってゆく…。
出 演 : 天海祐希 大橋和也 伊原六花 平澤宏々路 伊礼姫奈 白山乃愛 番家天嵩 今濱夕輝乃 山本未來 渡邊圭祐 田中里衣 じろう(シソンヌ)上白石萌音
原 作 : 「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」シリーズ 廣嶋玲子・作 jyajya・絵 (偕成社刊)
監 督 : 中田秀夫
脚 本 : 吉田玲子
音 楽 : 横山克
主 題 歌 : 水曜日のカンパネラ「願いはぎょうさん」 (Atlantic Japan / Warner Music Japan)
制作プロダクション : KADOKAWA
製 作 : 映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」製作委員会
配 給 : 東宝
公 開 : 2024年12月13日(金)全国東宝系にて公開
©2024 映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」製作委員会
公式サイトは>こちら
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文/やまさきけいこ