サンタは玄関から入ってくる!? スウェーデン流クリスマスのクッキーレシピも紹介【北欧パパと日本で子育て vol.3】

こんにちは。ライター・エッセイストの桒原さやかです。この連載ではスウェーデン人夫と日本で子育てしている日々のこと、子育てしながら気がついたことや考えたこと、またそれを私がどう捉えているのかというところまで書いていけたらと思っています。どうぞよろしくお願いします。

クリスマスムード一色の北欧

スウェーデン人の夫が一年の中で北欧がいちばん恋しくなるのは、クリスマスシーズン。クリスマスの当日は家族や親戚などみんなで集まって、料理を囲みながらお祝いします。日本のお正月に近いイメージかもしれません。

家の中は飾り付けをして、街にもイルミネーションが灯り、どこに行ってもみんなの頭のなかはクリスマスのことばかり。この時期にしか味わえないワクワクした空気があちこちに漂っています。

わが家ではクリスマスはスウェーデン流に、お正月は日本流にお祝いするのが、いつのまにか定番になりました。

子どもたちは、家にこもって工作を楽しむ

クリスマスが近づいたら、子どもたちとオーナメント作りなど工作をします

いつもクリスマスが近づいてくると、子どもたちとツリーや壁に飾るオーナメントをよく作ります。毛糸や枝を使ったり、紙を切ったり貼ったりしながら、今年もいろいろと作りました。

スウェーデンではこの時期にする工作を、「Julpyssel(ユールプッセル)」といいます。直訳するとクリスマス工作のこと。Panduro(パンドュロ)という名前の工作専門店には、クリスマス前にはオーナメントやトムテなどの手作りキットがたくさん並ぶのです。

スウェーデンの子どもたちはこの時期になると、家にこもって、とにかく手を動かして、せっせと何かを作っているはずです。

子どもたちと一緒に作った、ポマンダー。オレンジにクローブをさしたもので、夫にとってはクリスマスの香りなのだとか

24日の15時から、お祝いスタート!

スウェーデンでお祝いするのは、クリスマスイヴの1224日。25日は何もせず、家でゆっくりと過ごしています。

24日、お祝いが始まるのは15時。この時間をめがけて、親戚や家族みんなが集まります。なぜ15時かというと、この時間に「Kalle Anka」という、ドナルドダックのテレビ番組がスウェーデンで流れるからなのです。なんとこの習慣は1959年から続いているんだそう。

「これを見ないとクリスマスじゃない」と夫もよく言います。日本でいう、紅白歌合戦のような存在のようです。今年は日本で過ごしますが、わが家も15時にはディズニーの番組を家族そろって見ようと思っています。

スウェーデンのサンタは玄関からやってくる?

日本ではサンタさんは夜のうちに来て、プレゼントを置いていってくれることが多いのですが、スウェーデンではちょっと違います。

スウェーデンのサンタさんは、なんと玄関から堂々とはいってくるのです。

玄関から入ってくるサンタクロース

大きな袋を持ってヨイショヨイショと入ってくると、椅子にどっしりと腰をかけて、ガサガサとプレゼントを取り出します。そして、順番に名前を呼びながら、プレゼントを手渡していくのです。あちらでは子どもから大人までプレゼントをもらうので、渡すだけでけっこう時間がかかります。

お父さんがサンタクロースになることもあるのですが、小学生くらいになるとバレてしまうこともあるので、ご近所さんにお願いすることも多いのだとか。

昨年のクリスマスは夫がサンタクロースに。子どもたちは「サンタさんだ!!!」とびっくりして、固まっていました。笑

伝統的なスウェーデンのクリスマス料理

たのしみのひとつは、なんといっても、クリスマス料理。伝統的な料理がいくつも食卓に並びます。

定番はミートボール。ミートボールにリンゴンベリージャムをのせて食べるのは、クリスマスに欠かせない料理のひとつ。そのほかにも、ヤンソンの誘惑というポテトとアンチョビのグラタンや、ニシンの酢漬け、茹でたまごにKALLEという魚卵とディルをのせて食べたりします。

我が家でもたくさんスウェーデン料理をつくり、おしゃべりしながらゆっくりと食事をたのしもうと思っています。

ヤンソンの誘惑という名前の、ポテトとアンチョビのグラタン。我が家でも毎年クリスマスにつくります
スパイスたっぷりのホットワインも。スウェーデンではアーモンドとレーズンを入れてすくいながら飲むのが定番です

子どもと作る、ジンジャークッキーのレシピ

毎年クリスマスの時期になると、よく作るのが、Pepparkakor(ペッパルカーコル)。ジンジャークッキーです。

カルダモンやシナモンが香る、甘くてちょっとスパイスの効いたクッキーは、スウェーデンでは冬の時期に欠かせないもののひとつ。子どもたちと作っていると、「クリスマスの匂いがする〜!」と夫も嬉しそうにのぞきにきます。

今回は我が家でいつも作っているレシピをご紹介します。このクリスマスの時期ならではのクッキー、お子さんたちといっしょに作っていただけたら嬉しいです。

子どもたちも型抜きなど楽しく参加します

【Pepparkakor(ペッパルカーコル)の作り方】

<材料>


無塩バター80g
ココナツシュガー 70g
メイプルシロップ40ml
20ml


シナモンパウダー (大さじ2/3くらいたっぷり)
ジンジャーパウダー (ひとつまみくらい)
カルダモンパウダー(ひとつまみくらい)
クローブパウダー(ひとつまみくらい、なければOK
ベーキングパウダー(小さじ1/2くらい)
薄力粉 180g

<作り方>

1)バターを湯煎で溶かして、を入れてよく混ぜる
2)②
を追加して、よく混ぜる。
3)
小麦粉を少しずつ混ぜながら全量加える。
4)
生地は冷蔵庫で2時間以上おく(生地を扱いやすくするため)
5)
打ち粉をした台の上で好きなかたちに成形して、200度で10分くらい焼く
(途中で様子を見て、焼く長さを調整してください)

それぞれ自由な形のペッパーカーカ

ちょっとスパイスのきいた北欧の味、ぜひ、お子さんと一緒にたのしんでください。

 

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北欧パパと日本で子育て

プロフィール

桒原さやか|ライター・エッセイスト

イケア勤務を経て、ウェブメディア&ショップ「北欧、暮らしの道具店」の初期スタッフとして約6年間働く。その後、スウェーデン人の夫である、オリバー・ルンドクイスト氏と一緒にノルウェーのトロムソに移住。1年半滞在したのち帰国し、現在は長野県松本市に在住。著書に『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』(ワニブックス)、『北欧の日常、自分の暮らし』(ワニブックス)、夫との共著書に『家族が笑顔になる北欧流の暮らし方』(オレンジページ)がある。

Instagram @kuwabarasayaka
note 桒原さやか(くわばらさやか)/スウェーデン人夫と子育て奮闘中。

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文・構成・写真/桒原さやか

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