休日に子どもと二人で出かけると不機嫌になる妻。ゆっくりする時間をつくってあげているつもりなのですが…
4歳の男児の父です。休日に子どもと二人出かけて帰って来ると、必ずと言っていい程妻の機嫌が悪いのです。妻は専業主婦です。息子はやんちゃな盛りで、日頃、ひとりで育児でくたくたになっている妻を休ませるつもりで、休日には息子が好きな電車を見に行ったり、二人で出かける機会を積極的に作ってきました。本音を言えば、自分だって仕事で疲れているからゆっくりしたいのですが。しかし!出かけるときは快く送り出してくれているように思うのですが、帰ってくると、決まって妻はふくれ顔で「あなたはいつも いいとこ取りばかり!」と言われます。せっかく、妻の時間を作ってあげたいと思っているのに…。
よかれと思った「自分のつもり」は、たとえ夫婦でも伝わらないのよね!日常にはない「妻の開放日」を考えてみてあげてください。
笑っちゃいました! ありそうだからです。
夫が子どもを引き受けて出かけてくれたときは、妻だってうれしかったのです。きっと。
ところが、ふたりは楽しさが溢れるような表情で帰ってきた!だって、子どもが好きな場所を選んで行ってくるんですから、満足そうな顔をしているのでしょう。
ここで「お帰り、楽しかったのね。(夫に)ありがとう!」と言うと思いきや、機嫌が悪くなる。そう、妻にすればいいとこ取り。妻は日々時間に追われ、子どもの世話や家事に追われ、にこにこ過ごしているわけではありません。「なにやってんの!」「はやくしなさい」「どうして、こんなことするの」・・と、子どもを追い立て、しかったりおだてたりしながら、いちにちのの業務をこなしているのです。そればかりではありません、先生とのやりとり、ママ友との関係、子どもの評価など、今までの自分には考えられなかった「子どものため」に心砕いてるのです。子どもの笑顔ばかりを見ちゃあいられません。
夫が子どもを請け負って、妻だけの時間を用意してくれたのはうれしいのですが、その間に洗濯、家事の手の届かないこと、掃除などであっという間。妻の留守中の時間の使い方があなたのイメージしているのとは違うのではないですか? ひとり、コーヒーでも飲みながらテレビドラマでも見ていればいいのにね。ひとりおいしいものを食べに行っちゃえばいいのにね。その時間の使い方を自分だけのために有効に使っていたら、もしかしたら「おかえり!」とお互いに笑顔になれるのかも知れません。
あなたがそう提案してみたらどうでしょう?たぶん「そうはいかないのよ!」と反撃が来るかも知れませんね。そこが妻の主婦としての誠意やまじめさが出てしまうのでしょう。
今の時代は家族でファミレス、家族でテーマパーク、家族が一緒に解放されるために家から出かけていくリフレッシュが多くなっている気がします。みんなが一緒に手を抜く、開放される、笑い合えるのが円満なやり方なのかもしれませんね。
もしくは、子どもを預けて夫婦で出かけるというのはいかがですか?もしくは、妻が友人と出かけ、夫と子どもが留守をしている。日頃はない妻の開放日を考えてみてあげてください。
いずれにしても「自分のつもり」は、たとえ夫婦でも伝わらないってことですね!
「いいとこ取りさせていただいています! いつもありがとうございます」そんな謙虚な気持ちで妻を和ませてあげてください。
そうそう、子どもと出かけたらおみやげのひとつでも持って帰ったら、気持ちがほぐれるかも知れませんよ。「ママが喜ぶといいねって、ふたりで選んだんだ!」ってね。
記事監修

保育者。自主幼稚園「りんごの木」代表。子供の気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて半世紀。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。親向けの最新刊に『保育歴50年!愛子さんの子育てお悩み相談室』(小学館)がある。
構成/Hugkum編集部 イラスト/海谷泰水