オーストラリアでは子どものSNS利用が禁止に
みなさんは、LINEやYouTube、TikTokなどといった、SNSを使っていますか? 友達とつながったり、楽しい動画を見たりするのに便利ですよね。でも、2025年4月時点で、オーストラリアでは「16歳未満の子どもはSNSを使ってはいけない」という法律が作られました。
これは世界で初めての大きなルールで、びっくりする人も多いと思います。では、日本ではこの話題についてどんな議論があるのでしょうか。
SNSの子どもへの影響が深刻になってきた
まず、オーストラリアの新しい法律を見てみましょう。この法律は、2024年11月にオーストラリアの国会で決まりました。16歳未満の子どもがSNSを使うのを禁止し、もしルールを破るSNS運営会社があれば、罰金を払わせるというものです。
なぜこんな法律ができたかというと、SNSを使っていじめが起きたり、怖い情報を見たりして、子どもの心が傷つくことが増えたからです。
例えば、SNSを通じて変なメッセージが来たり、知らない人から連絡が来たりすると、子どもが困ってしまうことがあります。オーストラリアの政府は、「子どもを守るために、SNSの利用は16歳以上になってからで良い」と考えたのです。

日本で巻き起こっている議論
日本ではどうでしょう。日本ではまだSNSを禁止するという法律はありません。しかし、子どもとSNSについて、多くの人が話し合っています。SNS禁止に対して、賛成する意見と反対する意見がありますので、それぞれ見ていきましょう。
「SNS禁止」に賛成する意見は、子どもを守りたいという気持ちからです。日本でも、SNSをきっかけにいじめが起きたり、知らない大人と連絡を取って危ない目に遭ったりする事件が起こっています。
2023年のデータでは、SNSが原因でトラブルに巻き込まれた子どもが数百人に上りました。学校の先生やお父さん、お母さんの中には、「小学生や中学生がSNSを使うのは危ないから、制限したほうがいい」と言う人がいます。オーストラリアの法律を見て、「日本も同じようにすれば、子どもが安全になるかも」と考える人もいます。

一方、「SNS禁止」に反対する意見は「SNSにもいいところがある」という考えです。SNSは、友達と話したり、勉強に役立つ情報を探したりするのに便利ですよね。
例えば、YouTubeで科学の実験を見たり、LINEで友達と宿題の相談をしたりできます。禁止すると、そういった楽しいことや役立つことができなくなると心配する人がいます。
また、「禁止するより、使い方を教えるほうが大事」と言う人もいます。学校で「SNSの安全な使い方」を教えれば、子どもが自分で気をつけられるようになるんじゃないかとの意見があります。
日本政府は慎重に検討中
日本政府はどうしているかというと、まだ様子をみている状況です。2025年4月時点で、総務省は「子どもがSNSを使うときのルール」を考えています。例えば、親が子どものスマホを見守るアプリを使ったり、学校でSNSの使い方を教えたりする案が出ています。しかし「16歳未満は禁止」という強いルールにするかどうかは、まだ決まっていません。日本の法律は、子どもの自由と安全のバランスを取るのが難しいため、慎重に考えているのです。
このように、日本では「子どもを守るためにSNSを禁止すべき」と「SNSの正しい使い方を教えるほうがいい」という2つの意見があり、議論が続いています。みなさんはどう思いますか? SNSを使うとき、気をつけることがあれば、友達や家族と話してみるのもいいかもしれませんね。
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記事執筆/国際政治先生
国際政治学者として米中対立やグローバルサウスの研究に取り組む。大学で教鞭に立つ一方、民間シンクタンクの外部有識者、学術雑誌の査読委員、中央省庁向けの助言や講演などを行う。