投資初心者のママパパがやりがちなNG行動と対策
株価が下がると、不安になりますよね。特に新NISAをきっかけに「初めての投資」に挑戦したばかりの方なら、「やっぱり投資って怖い…」と感じるのも無理はありません。
ここでは、投資初心者にありがちなNG行動を4つピックアップして、それぞれどう対処すればいいか解説します。
NG行動① 暴落したら怖くて売ってしまう

「新NISAはじめたのに、マイナスになってる〜!!」
せっかく勇気を出して投資をはじめたのに、株価が暴落したり、元本割れしたりしたらショックですよね。その不安から売却したくなる気持ちはとても自然なことです。
でも、マイナスになったからといって慌てて売却するのはおすすめしません。売却した時点で「損確定」になってしまうからです。
資産運用は人生と同じで、良いときもあれば悪いときもあります。どん底の谷はいつまでも続くわけではありません。
歴史を振り返ると、2008年のリーマン・ショックや2020年のコロナショックなど大きな暴落を経験した市場も、時間とともに回復して高値を更新してきました。
対策:暴落は「バーゲンセール」ととらえる
「好きなブランド品がバーゲンセールで半額になってる!」
買い物で、欲しいものが通常より安くなっているとうれしいですよね。投資も買い物と同じ感覚を身につけておくと挫折しにくいですよ。
株価が暴落したら「損をした!」とネガティブにとらえるのではなく「いつもより安く買えてラッキー!」と前向きにとらえるようにしましょう。
全世界株やアメリカの主要な500社に投資できるS&P500などは、長期的に見ると右肩上がりで成長し続けています。長期目線で判断できるようになれば、暴落がきても「今が一番安いからお買い得!」と思えますよ。
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NG行動② 毎日値動きをチェックする

「今日はプラス? マイナス?」と毎日のように株価や基準価額をチェックしていませんか? スマホで簡単に確認できるからこそ、つい頻繁にチェックしてしまいがちですよね。
しかし、日々の値動きに一喜一憂することで、冷静な判断ができなくなるリスクがあります。
たとえば、新NISA1年目の2024年は、8月6日に日経平均株価が過去最大の下げ幅を記録しました。この結果、こまめに株価をチェックしていた一部の投資初心者が、新NISAを「損切り(マイナスになった状態で解約)」する事態に。
対策:長期投資を前提にチェックは年に1回でOK
投資とは長期で考えるものです。日々の値動きをチェックして一喜一憂するのは投資家ではなく「投機家」になります。
「投資家」として資産形成を行うのであれば、株価をチェックするのは年に1回程度で十分です。「毎年、年末に資産状況を確認する」といったルールを作るといいでしょう。
資産形成は「植えて、水をやって、あとは待つ」のが基本です。植物を育てるように、資産形成には時間がかかります。長い目で資産を育てましょう。
NG行動③ 流行に左右される銘柄を買う

「今はAI関連銘柄がアツい!」
「これからはインド株の時代だ」
このように、高い成長率が話題の銘柄や投資信託を買っていませんか?
時代の流れに合ったテーマ株は短期間で大きなリターンが期待できます。しかし、高い成長率が長期にわたって続くわけではありません。トレンドが終了すれば暴落するリスクが高いので、投資初心者にはおすすめしません。
対策:資産運用するならインデックスファンドがおすすめ
資産運用の基本は「長期、分散、低コスト」です。投資初心者のママパパには、これらの条件を満たした「インデックスファンド」への投資をおすすめします。
「全世界株式」「先進国株式」米国の代表的な500銘柄に投資できる「S&P500」といった広く分散された定番ファンドを選んで、あとは黙々と積み立てるスタイルが、ほとんどの家庭にとって最適解です。
NG行動④ SNSやネット上の情報を鵜呑みにする

「この銘柄、バズってるから買った方がいいかも」
「インフルエンサーが言ってたから間違いない」
気になる気持ちはわかります。しかし、SNSやネット上の情報は、必ずしもあなたに合った助言とは限りません。
たとえば「子どもの教育費を準備したいママ」と「短期でハイリターンを狙う投資家」では、リスク許容度も時間軸も全く異なります。
また、トレンド性の高い銘柄の場合、売買のタイミングが大事です。紹介されている銘柄はすでに多くの人が買い込んだ後かもしれません。
インフルエンサーが紹介する銘柄は、企業案件で紹介しているだけの誇張広告というケースもあります。
対策:自分の目的に合ったスタイルを貫こう
「教育資金を準備したい」「老後に備えたい」など、あなた自身の目的を明確にしましょう。そうすれば、一時的な流行や話題に惑わされることなく、自分に合った投資を続けられますよ。
情報は参考にするだけにして、最終判断は自分の目的に照らして行うことが大切です。
これだけは知っておきたい! 長期投資の心構え3か条
暴落や値動きに一喜一憂せず、投資を続けていくためには「正しい心構え」が大切です。特に子育て世代にとっては、“家族の未来の安心”が投資の目的。だからこそ、焦らず、地に足のついた考え方を持っていたいですよね。
ここでは、私がこれまでの経験から得た「長期投資の心構え3か条」をご紹介します。
① 長期で見ると世界経済は成長し続けている
投資デビューしたての頃は「今日はいくら増えたかな?」「1年で増えたのはたったのこれだけか」など、短期的な値動きに一喜一憂する方が多いでしょう。
しかし、資産運用でもっとも大事なのは「時間」です。
市場は短期的には予測不可能な値動きをしますが、時間軸を10年、20年と伸ばすと、世界経済は右肩上がりで成長し続けています。
「子どもが大学に入るとき」「老後の生活をはじめるとき」など将来に必要なお金を育てるイメージを持つことで、短期的な変動に左右されずに心の余裕が生まれますよ。
② 継続は力なり! 複利の力で資産を増やそう
毎月の積み立て投資は、まさに「お金の筋トレ」です。筋トレとは、一日や一週間で効果は見えにくいもの。でも継続すれば、確実に力がついていきます。
たとえば、毎月1万円の積立投資を20年間、年利5%で運用できた場合、元本240万円に対して、運用収益は171万円になります。

上記シミュレーションの通り、最初の5年間程度は複利の効果が実感しにくいですが、年数の経過とともに利益が雪だるま式に増えていくのが、長期投資の特徴です。
このように、家計に無理のない範囲で細く長く続けることが、将来の大きな違いを生み出します。
③ 株価の急落は“バーゲンセール”
株価が下がったとき、多くの人は「損した!」と恐怖を感じます。
でも、発想を変えてみてください。好きなブランドがバーゲンセールで安くなったらうれしくないですか? 投資も同じで、株価が下がれば株がお買い得になるということです。
株価が上がれば資産が増えるので純粋にうれしいし、株価が下がっても安く買えるのでうれしい。このようなマインドを保つことができれば、長期的な資産運用が苦になりません。
【まとめ】正しい知識を身につけて長期投資しよう
投資初心者の多くは、知識と経験不足による不安が原因で「損切りする」「いろんな銘柄に手をだす」といったNG行動をしがちです。
以下の3点を心がければ、投資を続けやすくなりますよ。
- 長期投資を信じよう! 世界経済は成長し続けている
- 複利の力を味方につけよう
- 暴落はバーゲンセール
トランプショックのような下落があっても、そこに振り回されずにいられたら、それはもう“投資初心者卒業”の合図かもしれません。
投資は、家族の未来を守るための大切な道具です。だからこそ投資方針を明確にして、少しずつ大切な資産を育てていきましょう。
記事執筆

独立系ファイナンシャルプランナー(FP)として執筆業を中心に活動中。2児の父親でもあり、家計や資産形成に関する執筆が得意。また、マンションの売買も経験しており、実体験に基づいたライティングを強みとしている。各種金融メディアでの執筆・監修業のほか、自身のメディアとして「もにゅら親子の節約ブログ」「もにゅらのクリプト部屋」を運営中。