「子育て支援センター」ってどんな施設?子供が何歳から行ける?活動内容や利用方法を調査!

子育てを誰かに助けてもらいたい、相談に乗ってもらいたいと思ったら、どうしていますか? 夫の転勤に伴って新しい土地に来たばかりなど、近くに助けてくれる、相談に乗ってくれる人が居ない場合もあって大変ですよね。

そこで今回は地域子育て支援拠点事業の1つ、「子育て支援センター」についてまとめました。どの自治体にも存在する支援場所です。1人で子育てに向き合い追い込まれている方は、ぜひとも利用してみてください。

「子育て支援センター」とは?

そもそも「子育て支援センター」とは何なのでしょうか。1993年に「保育所地域子育てモデル事業」としてスタートし、1995年に「地域子育て支援センター事業」に名前が変わったところで、「子育て支援センター」という名前が出てきます。

2002年には子育て中の親子が気軽に集まって交流できる「つどいの広場事業」が始まり、2007年には児童館を活用する「児童館型」が生まれました。その結果、従来の(1)地域子育て支援センター(センター型)、(2)つどいの広場(ひろば型)と(3)児童館型を併せて、地域子育て支援拠点事業が3拠点に整理されます。

2013年には、(1)地域子育て支援センター(センター型)と(2)つどいの広場(ひろば型)を「一般型」に統合し、(3)児童館型を「連携型」と呼ぶようになりました。つまり、3拠点が2拠点に再整理されたのですね。その上で、一般型((1)と(2)の合体)の中から、利用者支援と地域支援の機能を強化した、「地域機能強化型」に移行する道も作られました。

以上を踏まえると、いわゆる「子育て支援センター」とは、一般型の地域子育て支援拠点という位置づけになります。さらにその中に、利用者の支援や地域支援を強化した、地域機能強化型に移行する拠点もあるのですね。

「子育て支援センター」の活動内容

「子育て支援センター」の歴史や経緯が分かりました。現在はどこで何をしている拠点なのでしょうか。

親子の交流の場の提供

いわゆる「子育て支援センター」、具体的に言えば一般型の地域子育て支援拠点は、子育て中の親子に交流の場を与え、交流を促す機能を持っています。

子育て中はどうしても孤立してしまいがち。孤立は親子にとってストレスですし、時には好ましくない事態をもたらす恐れまであります。その意味で同じ地域に暮らす親子が交流を持てる場と機会を、「子育て支援センター」の運営者が、地域の保育所や認定こども園、幼稚園、公民館、公共施設、商業施設などを使って提供してくれるのですね。

育児相談や援助

子育ては悩みの連続です。育児に絶望したり、経済的な不安を抱えて焦ったり。それらの悩みを受け止めてくれる、相談の場所として「子育て支援センター」は機能しています。

それほど深刻な相談でなくても、「いい小児科を教えてほしい」「子どもと遊びに行ける場所は?」などの相談も含めて、職員が話を聞いてくれます。時には可能な範囲で専門的な見地から助言や具体的な援助の手も差し伸べてくれます。例えば、子育て世帯のマイホームづくりに関する相談会を実施してくれる「子育て支援センター」もあります。受け付けてくれる相談内容は、多種多様なのです。

子育て関連情報の提供

「子育て支援センター」は子育てに必要な各種の情報を、さまざまな方法で発信しています。夏に赤ちゃんの脱水症状についての情報を、定期発行のお便りやホームページで発信したり、地域の子育てイベントをSNSで告知したりと、親子がより良く暮らせる情報を提供してくれています。

子育てに関する講習やイベントの実施

「子育て支援センター」は、市町村や社会福祉法人、NPO法人、学校法人、民間事業者など、さまざまな運営者が、さまざまな場所に常設で設置しています。その多彩な背景を生かして、例えば地域の公園を皆で散歩する自然観察会を開催したり、ベビー用品のフリーマーケットを開催したりと、各種の講演やイベントを開催してくれています。それらの催しに参加すれば、自然と友達や相談相手が見つけられるようになっているのです。

「子育て支援センター」の利用はいつから?

「子育て支援センター」が提供するサービスを紹介しました。では、具体的に「子育て支援センターはいつから使えるのでしょうか。

結論を言えば、子どもが生まれた瞬間から、子どもが一定の年齢に達するまで、何歳の子どもまで面倒を見てくれるかは、「子育て支援センター」によって異なります。例えば筆者の暮らす富山市の場合、

<対象 乳幼児・小学生・中学生及びその家族>(富山市のホームページより引用)

と書かれています。基本的には乳幼児、プラスして小学生(場合によっては中学生)の子どもを持つ親であればだれでも利用できます。

何歳くらいの子どもを持つ親が最も多く利用しているの?

とはいえ、高学年の小学生や中学生の子どもを持つ親が、「子育て支援センター」を利用しているイメージは正直、少ないです。実際にはもっと小さい子どもを育てている親の利用が目立つ印象があります。実際に、何歳くらいの子どもを持つ親が利用しているケースが最も多いのでしょうか。

参考になる情報の1つに、名古屋市の子ども青少年局保育部保育運営課・保育企画室が行った『地域子育て支援センター利用者アンケート』があります。同調査は実際に地域子育て支援センターを利用した人2,400人に行われていて、回答者の子どもの年齢も明らかにされています。利用者の子どもの年齢を多い順に並べると、

  • 1歳以上~2歳未満・・・753人(41.4%)
  • 2歳以上~3歳未満・・・481人(26.5%)
  • 6カ月以上~1歳未満・・・321人(17.7%)
  • 3歳以上~4歳未満・・・152人(8.4%)
  • 6カ月未満・・・82人(4.5%)
  • 4歳以上・・・10人(0.6%)

となっていました。やはり小学生の子どもを持つ親の利用はほぼなく、3歳までの子どもを持つ親の利用がほとんどだと分かります。日本保育協会が行った別の調査『地域における子育て支援』の第3章[調査編]も同じく参考になります。同調査では、「子育て支援センター」の利用者100名に「施設の利用期間は?」と聞いています。

  • 6カ月未満・・・34人
  • 1~3年未満・・・32人
  • 3年以上・・・19人
  • 6カ月~1年未満・・・15人

多くの人が年単位で「子育て支援センター」を利用している点を考えると、0歳や1歳から利用を始めて、子どもが3歳くらいになるまで通うといった保護者が、一般的だと分かってきます。

みんなは、利用し始めたきっかけは?

何でも初めて利用するサービスには、緊張が伴います。「子育て支援センター」に通う人は、どのようなきっかけで利用を開始したのでしょうか?

先ほど紹介した日本保育協会の調査『地域における子育て支援』の第3章[調査編]を見ると、「センターを知るきっかけは?」という問いがあると分かります。その回答として、

  • 友人・知人から・・・803人(49.8%)
  • チラシ・・・316人(19.6%)
  • その他・・・246人(15.3%)
  • ウェブサイト・・・145人(9.0%)

といった答えが並んでいました。友人、知人の紹介や誘いで知る人が圧倒的に多い一方で、チラシやウェブサイトを自分でチェックして、「子育て支援センター」の情報をキャッチしている人も多いと分かります。

「子育て支援センター」を利用する人の感想も、日本保育協会の調査『地域における子育て支援』[調査編]には掲載されていて、

<始めの一歩を出すのに少し勇気がいりましたが、支援センターに行き出してから、親子共々生活が変わりました。友達もたくさんできました>(日本保育協会『地域における子育て支援』より引用)

といった利用者の言葉もありました。最初の利用は少し緊張するかもしれません。それでも、友人や知人の誘い、チラシやウェブサイトで情報に触れる回数を重ねて、最終的に「行ってみようかな」と利用をスタートすれば、勇気を出した見返りがきっちりと待っているのですね。

「子育て支援センター」の利用方法

最後は、どのような形で「子育て支援センター」を利用すればいいのか、その利用方法をチェックしてみましょう。

利用は予約不要。飛び込みでもOK

「子育て支援センター」は地域の親子に開かれた場所です。その意味では予約不要で、飛び込みで足を運んでも対応してくれる場合が一般的です。費用も無料、予約も不要で参加者を募集する子育てイベントも多数、開催されています。

 

<いろいろな方と交流でき、子どもも楽しそうに遊んでいるので良かったです。また自分だけだと出来ないイベントなどもあるので、子どもが楽しめてよいと思います>

<子どもたちだけでなく、親もママ友達ができてよかった。小さなことでも相談にのってくれるのでうれしい>

色々な情報を交換出来たりしてとても参考になります。気分転換になります。子どもにとっても刺激にもなるみたいです>(全て日本保育協会『地域における子育て支援』より引用)

 

など、前向きな利用者の声も多く、各種の調査で「子育て支援センター」への満足度はとても高いと分かります。

育児で疲れている真っただ中に見知らぬ場所へ出かけるとなると、おっくうかもしれません。しかし、重い腰を上げて顔を出せば、前向きな見返りも大いに期待できます。子育ての最もしんどい時期こそ、どんどん利用したいですね。

利用回数に制限はなし。みんなの利用頻度は?

最初は回数について。基本的に「子育て支援センター」が開所している日であれば、週に・月に何回利用しても問題はありません。では実際にみなさん、どの程度の頻度で利用しているのでしょうか。日本保育協会の調査『地域における子育て支援』[調査編]を見ると、週の利用頻度として最も多い回数は、

【週の利用回数】

  • 0~1回・・・58人(回答者100人中)
  • 2回・・・28人
  • 3回・・・7人
  • 4回以上・・・6人

となっていました。月の利用回数については、先ほども紹介した名古屋市の子ども青少年局保育部保育運営課・保育企画室『地域子育て支援センター利用者アンケート』が参考になります。多い順に並べると、

【月の利用回数】

  • 2回・・・19.9%
  • 3回・・・19.9%
  • 5回以上・・・15.8%
  • 4回・・・14.7%
  • 1回・・・13.1%
  • 1回未満・・・12.8%

といった感じです。週に1回のペースで月4回行く人も居れば、月に2~3回、月に行っても1回などと、皆さん自由に使っている様子が伝わってきます。5回以上行く人も15.8%も居ますから、「子育て支援センター」に前向きな意味や意義を感じている人の多さも伝わってきますよね。

文/坂本正敬 写真/石川厚志

 

【参考】

地域子育て支援拠点事業について – 厚生労働省

地域子育て支援拠点事業の経営状況等に関する調査報告書 – 三菱UFJリサーチ&コンサルティング

よくわかる「子ども・子育て支援新制度」 – 内閣府

地域における子育て支援 -日本保育協会

地域子育て支援センター利用者アンケート 実施結果 – 名古屋市

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