ベーコンを冷凍しておくことで料理のバリエーションが広がり、時短で手の込んだような料理ができることをご存じでしょうか。ベーコンは、お肉よりもバラ凍結や解凍が簡単! 優れものなのです。当記事では、ベーコンの冷凍や解凍方法をご紹介します。これを知れば、ベーコンが冷凍庫に欠かせなくなりますよ。
ベーコンは冷凍できる?
ベーコンは冷凍できます。切ったままのものや調理済(加熱済)のものでもOK!
赤身の部分は繊維が壊れてしまうこともあるので要注意ですが、ベーコンを冷凍するメリットは3つあります。
1つは、必要な分だけ取り出せる「バラ凍結」がしやすい点。
2つめは、調理のとき冷凍のまま使用できるうえに短時間で火が通るため、いつでもどんな料理にもパパッと使用できる点です。
3つめは、冷凍保存をしても味落ちがしにくいため、素材の味をそのまま活かすことが可能な点です。
ベーコンの冷凍保存の期間
ベーコンはジップロック等の密封できる袋に入れ、空気を抜き冷凍します。
ベーコンの冷凍保存期間は1~2ケ月が目安です。
あまり長くベーコンを冷凍すると冷凍焼けしてしまうので注意しましょう。
また、夏場はベーコンが傷みやすいので、使い切れないときは冷蔵保存庫よりも冷凍庫での保存のほうがおススメなのです。
ベーコンの冷凍保存のやり方
ベーコンの冷凍保存の手順の説明します。
スライスベーコンの場合
少しスライドさせて冷凍します。全てひとまとめにしてしまうと解凍に時間がかかったり、1枚ずつ剥がれなかったりするからです。
ブロックベーコンの場合
ブロックベーコンは塊のまま保存するよりも、用途に合わせて切り分けてから、ジップロック等の保存袋に入れて冷凍するのがベストです。
もちろん、ブロックベーコンを塊のまま調理する目的のものであれば、一旦ラップで包んでから冷凍すると冷凍焼けをより防げます。
ベーコンの解凍方法
スライスベーコンやブロックをそのまま冷凍している場合は、常温に戻して解凍するか、あらかじめ冷蔵庫に戻しておくと自然解凍できます。バラ凍結したベーコンであれば、自然解凍せずにそのまま袋からフライパン等の中に振りかけてすぐに調理も可能です。
解凍する手間もなく時短料理に最適です!
電子レンジを使って解凍する場合
電子レンジを使って冷凍済みのベーコンを解凍する場合には、必ずラップをふんわりとかけてレンジに入れます。
ラップをする理由は、油飛びを防ぎ水分が逃げず均一加熱されるからです。
【注意】
冷凍したベーコンは、あまり加熱せず半解凍くらいがちょうど良いです。加熱し過ぎると水分と一緒に脂=美味しいエキスが流れ出て、身が硬くなります。調理の際に火が通るようにするのがベストです!
ブロックベーコンであれば、600Wの電子レンジならば、約 40秒が目安。様子をみながら半解凍しましょう。
またスライスベーコンであれば600Wの電子レンジで約 15秒ずつくらい。こちらも様子をみながら半解凍してください。
冷凍ベーコンの使い方
カットした状態でバラ凍結したベーコンは、そのまま調理に振りかけて使えます。
冷凍のまま使う
ベーコンは冷凍のまま使うことができ、油分もある為、バラ凍結が可能です。よく使う大きさに切り分け、ジップロック等の保存袋にベーコンを入れます。
そのまま焼いて使う
冷凍ベーコンはスライスやブロックのまま焼いて使うこともできます。
ブロックのままの場合は、ポトフにそのまま加えたり、ブロックの表面をこんがり焼いて切り分けて食べたり、他の料理に自由自在に使うこともできる万能素材です。
ベーコンは料理のバリエーションが多く、使い勝手もとても良い食材です。ぜひ冷凍庫にバラ凍結したベーコンを常備し、活用してみませんか。
文・写真(トップ写真は除く)/永峰こずえ(調理師・フードコーディネーター)
ベーコンを使ったレシピ
ここからは、冷凍したベーコンのアレンジレシピをご紹介します。
【1】ベーコン、しめじ、ほうれん草の卵とろ~りピザ
温泉卵をのせて、少しずつくずしながら食べるのがポイント!
◆材料
(1枚分)
ピザ生地 1枚
ベーコン 2枚
しめじ 1/2パック
ほうれん草 3株
温泉卵 1個
オリーブ油 少々
ホワイトソース 大さじ2
ピザ用チーズ 1/2カップ
※レシピでは手作りのピザ生地を下焼きしたものを使っています。市販の生地でも代用可。そのまま焼いてください。
◆作り方
【1】ほうれん草はゆでて2cm長さに切る。フライパンにオリーブ油を熱して、小房に分けたしめじと1cm幅に切 ったベーコンを炒め、ほうれん草を加えて炒め合わせる。
【2】ピザ生地にホワイトソースを塗り、【1】をのせ、チーズを散らし、220~230℃のオーブンで5~6分焼く。
【3】仕上げに温泉卵をのせる。
教えてくれたのは
飛石なぎささん
3人のお子さんのママ。個人でギャラリーも経営しており、その忙しい生活から生まれた、簡単で、パパッと作れて、子どもが喜ぶレシピが人気。
『めばえ』2013年12月号
【2】白菜とマカロニのとろとろグラタン
少しゆるめのソースで、白菜の甘みが引き立ちます。子どもの大好きなグラタンにも白菜を入れて。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
白菜 大4枚(400g)
ベーコン 3枚(60g)
マカロニ 70g
バター 15g
小麦粉 大さじ2弱
牛乳 1カップ
ピザ用チーズ 30g
塩・こしょう 各適量
◆作り方
【1】白菜とベーコンは1cm幅に切る。マカロニは表示時間どおりにゆでる。
【2】鍋にバターを入れて中火にかけ、溶けてきたら白菜を加えてサッと混ぜ、ふたをし、火を弱めて5分ほど蒸し煮にする。
【3】【2】に小麦粉をまんべんなくふり入れて混ぜ、牛乳を加えて中火にし、混ぜながらとろみが出るまで加熱する。マカロニとベーコンを加え、塩、こしょうで調味する。
【4】【3】を耐熱容器に入れ、チーズを散らし、 200℃のオーブンで15分を目安に焼く。
※オーブンの代わりにオーブントースターでも焼けます。
教えてくれたのは
上田淳子さん
ヨーロッパや日本のレストランなどで修業後、料理研究家として雑誌、書籍、テレビなどで活躍。双子の男の子の母。近著に『共働きごはん』(生活の友社)など。
『めばえ』2015年1月号
【3】スティック春巻き
かぼちゃのマッシュを詰めて腹持ちよく! おかずにはもちろん、食べやすいスティック春巻きは小腹が空いたときにもぴったり!
◆材料
(10本分=作りやすい分量)
春巻きの皮 10枚
かぼちゃ 100g
ベーコン 3~4枚
プロセスチーズ 40g
【A】
小麦粉 大さじ1
水 大さじ1
揚げ油 適量
◆作り方
【1】かぼちゃは5mm角のマッチ棒のように切り、ふんわりとラップで包み、電子レンジ(600W)で50~60秒加熱する。ベーコンは1cm幅×8cm長さに切る。チーズは5mm幅のスティック状に切る。
【2】春巻きの皮に、【1】を1/10量ずつのせ、チーズが出ないようにしっかり折りたたむ。巻き終わりを混ぜ合わせた【A】で留める。
【3】170℃に熱した油でキツネ色になるまで揚げる。
教えてくれたのは
阪下千恵さん
料理研究家、栄養士。家族のために作り続けてきたおいしくて、栄養バランスのいいレシピが人気。二人の女の子のママ。
『めばえ』2015年12月号
【4】きのことさつまいものカルボナーラ
大人気のカルボナーラを、秋の食材で!具材は季節に応じてアレンジしてみてくださいね。
◆材料
(大人1人+子ども2人分)
スパゲッティ 150g
きのこ(しめじ・しいたけ) 正味100g
さつまいも 100g
ベーコン 2枚
オリーブオイル 大さじ1
【A】
溶き卵 2個分
粉チーズ 30g
塩 小さじ1/4
黒こしょう 少々
※写真の分量は、すべて子ども1人分の目安です。
◆作り方
【1】さつまいもは皮つきのまま長さ3cm、角1cmの拍子木に切って5分ほど水にさらす。水けを切 って耐熱皿に入れ、ラップをふんわりかけて電子レンジで約2分(500Wの場合)加熱。
【2】きのこは石づきを切り落とし、しめじは手でほぐし、しいたけは薄くスライス。ベーコンは1cm幅に切る。スパゲッティをゆで始める。
【3】フライパンにオリーブオイルを入れて中火にかけ、【1】【2】を加える。きのこがしんなりするまで炒め合わせ、ゆであがったスパゲッティを加えてざっと合わせる。フライパンをぬれ布巾において温度を下げたら、【A】を加えてよく和える。
教えてくれたのは
松見早枝子さん
料理研究家。ビューティレシピスト。美と健康をテーマに、栄養バランスに優れたおいしいレシピを提案。雑誌、テレビ、講演会、料理教室など幅広く活躍している。美食家でレストランオーナーの夫、息子と3人暮らし。
『めばえ』2016年10月号
【5】フライパンで作るトマトクリームの煮パスタ
ソースと一緒に煮込んだパスタは、コクのある味わい。ゆで加減を気にしなくていいのもうれしい。
◆材料
(大人2人+子ども1人分)
ベーコン 3枚
しめじ 1パック
オリーブオイル 大さじ1/2
【A】
カットトマト缶 1缶(400g)
水 1と2/3カップ
コンソメ顆粒 小さじ1
スパゲッティ 200g(ゆで時間6分のタイプ)
牛乳 2/3カップ
【B】
砂糖 少々
塩 小さじ1/2
こしょう 少々
◆作り方
【1】ベーコンは1cm幅に切る。しめじは石づきを取って、ほぐしておく。
【2】フライパンにオリーブオイルを中火で熱し、【1】を入れてさっと炒め合わせたら、【A】を加える。
【3】軽く煮立ったら、スパゲッティを半分に折って入れて、麺をさばくようにときどき混ぜながら煮る。表示通り(6分)煮たら牛乳を加え、混ぜながらさらに1~2分煮て、【B】で味を調える。
【4】器に盛り、好みでパセリのみじん切り(分量外)をかける。
◆ポイント
道具で時短!いつもの調理道具を身近なモノにスイッチして、スピード調理!
炒めるから煮込むまでひとつでできる万能ツール。
【フライパン】
大きめ(25cm以上)、深め(5cm以上)が◎。
具材とパスタを同じフライパンでそのまま調理!
教えてくれたのは
武蔵裕子さん
むさしゆうこ/料理研究家。作りやすく、おいしいレシピに定評のある、家庭料理のエキスパート。自らも働きながら双子の息子を育て上げ、今も3世代の食卓を担う日々。忙しい主婦が真似しやすい時短レシピを数多く提案している。
『めばえ』2017年4月号
【6】そら豆とベーコンのポタージュ
冷凍食材を使ったお手軽ポタージュ。ご飯を加えてとろっとまろやかに仕上げました。ベーコンの塩気がアクセント!
◆材料
(大人2人+子ども2人分)
冷凍そら豆 40個
ベーコン 3枚
【A】
水 1と1/2カップ
顆粒スープの素 小さじ1
ご飯 茶碗小盛り1杯(120g)
牛乳 2カップ
塩 少々
◆作り方
【1】冷凍そら豆は皮をむき、ベーコンは細切りにする。
【2】鍋に【A】と【1】を入れて5分ほど煮る。
【3】火を止めて粗熱をとり、ミキサーにかける。鍋に戻して牛乳を加え、ひと煮立ちしたら、塩で味を調える。
※【2】のそら豆とベーコンの一部を刻んで浮き実にしても。大人は仕上げにこしょうをふってもおいしい。
◆ポイント
ミキサーがない場合は…
【1】素材をやわらかく煮たあと、熱いうちに、お玉の背でつぶします。お玉の代わりに、すりこぎやフォークを使ってもOK。
【2】さらに、なめらかにするには、作り終わった最後に、ざるでこし、ざるに残った分をへらでつぶします。
教えてくれたのは
ほりえさちこさん
栄養士、フードコーディネーター、飾り巻き寿司インストラクター1 級。男の子のママ。育児経験を生かした簡単で栄養バランスのとれた料理やかわいいレシピが人気。
『ベビーブック』2011年3月号
【7】ごちそうミートローフ
レンジでたったの12分でできる簡単ミートローフ。外はカリッ、中はふわっとした食感はオーブン以上の仕上がり!
◆材料
(大人2人+子ども2人分)
【A】
合びき肉 300g
パン粉 1/4カップ
牛乳 大さじ2
卵 1個
塩 小さじ1
こしょう 少々
ベーコン(薄切り) 100g
ウインナー 4本
◆作り方
【1】【A】を混ぜ合わせて2等分する。
【2】30cm角のクッキングシートにベ ーコンを並べて置き、【1】の半分をのせ、2cm×15cm程度にのばす。
【3】【2】の上にウインナーを置き、その上に残りの【1】を下半分と同様にしてのせる。(下の写真参照)
【4】ベーコンをかぶせ、クッキングシートで包み、さらにラップできっちりと包む。(下の写真参照)
【5】電子レンジに小皿を置いて【4】をのせ、12分加熱する。
*電子レンジの加熱時間は、600Wの場合です。500Wの場合は2割増、700Wの場合は2割減にしてください。
◆ポイント
■ベーコンで包んでカリッ!
ひき肉はこねずに使うとふんわり、外にベーコンを巻くことでカリッと仕上がる。
クッキングシート+ラップできっちり包んで成形する。
教えてくれたのは
村上祥子さん
福岡在住。国内外を飛行機で飛びまわる「空飛ぶ料理研究家」。電子レンジ料理のエキスパートであっと驚く独自のワザを次々に開発中。
『ベビーブック』2011年7月号
【8】ミニトマトのベーコンロール
巻いて焼くだけでかわいい。加熱されたトマトは甘みが増してよりジューシーに。
◆材料
(大人1人分+子ども1人分)
ミニトマト 4個
ベーコン 1枚
◆作り方
【1】ベーコンは縦横半分に切り、ミニトマトに巻く(子ども用はミニトマトとベーコン1/4切れを半分に切ってから巻く)。
【2】小さめのフライパンを熱し、【1】の巻き終わりを下にして焼く。巻き終わりがくっついたら、転がしながら焼く。
教えてくれたのは
市瀬悦子さん
フードコーディネーター、料理研究家。テーマは「おいしくて、作りやすい家庭料理」。NHK Eテレ『クッキンアイドル アイ! マイ! まいん! (2013年3月で放送終了)の料理も監修。
『ベビーブック』2015年4月号
【9】とろ~りチーズリゾット
長いものシャキシャキした食感が絶妙。とろ?りチーズが溶け込んだスープご飯なら、あっという間に完食できちゃいます!
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
ベーコン 5枚
長いも 60g
スナップえんどう 5?6本
【A】
水 1と1/2カップ
鶏ガラスープの素 小さじ1と1/2
酒 大さじ2
しょうゆ 小さじ1
ご飯 茶碗2杯
溶けるチーズ 40g
◆作り方
【1】スナップえんどうは塩ゆでして冷水にとり、1.5cm幅の斜め切りにする。
【2】ベーコンは粗みじんに切る。長いもは皮をむいて叩いて粗くつぶす。
【3】鍋に【A】を入れて煮立て、酒、しょうゆ、【2】、ご飯、チーズを入れ、かき混ぜながらとろみが出るまで3~5分煮る。
【4】器に盛って、【1】をのせる。
教えてくれたのは
井澤由美子さん
旬の食材を使い、食べ合わせによる体への相乗効果を大切にしたレシピが人気。 食育にも力を注いでいる。 一児の母。
『ベビーブック』2015年5月号
【10】イタリアントマト鍋
野菜の旨みがたっぷりのトマト鍋は、卵を入れれば子ども用のリゾットに。色鮮やかな鍋ならテーブルもパッと華やいで、パーティ映え抜群!
◆材料
(大人3~4人分)
ベーコン(厚切り) 200g
ピーマン(赤、緑) 各2個
ブロッコリー 1/2株
カリフラワー 1/2株
かぶ 3個
芽キャベツ 10個
にんにく 1片
オリーブ油 大さじ2
【A】
トマト(缶詰) 2缶
水 5カップ
顆粒スープの素 大さじ2
砂糖 大さじ2
塩 適量
◆作り方
【1】 ベーコンは1cm厚さに、ピーマンは縦1.5cm幅に、かぶはくし形に切る。ブロッコリーとカリフラワーは小房に分ける。にんにくは薄切りにする。
【2】 鍋にオリーブ油とにんにくを入れて火にかけ、香りが出たらベーコンを炒める。
【3】 【A】、残りの【1】、芽キャベツを加えて、野菜に火が通るまで煮、塩で味を調える。
◆ポイント
子どもは「卵リゾット」で。
大きめのお玉にご飯を入れ、鍋端に沈めて汁を入れて煮、溶き卵を加えて火が通るまでそのまま煮る。器に盛り、鍋から具を取り分ける。
教えてくれたのは
ほりえさちこさん
栄養士、フードコーディネーター、飾り巻き寿司インストラクター1 級。男の子のママ。育児経験を生かした簡単で栄養バランスのとれた料理やかわいいレシピが人気。
『ベビーブック』2018年2月号
文・構成/HugKum編集部