※この記事は『小学生のためのドラえもん ふしぎ!理科図鑑(藤子・F・不二雄 原作/富田瑞枝 監修・小学館)』の一部より抜粋・再構成しています。
「どうしてコタツの中は赤く光るの?」
冬になると恋しくなる暖房器具といえば、電気こたつ。布団の中のランプの温かな赤い光がトレードマークでしたが、最近のこたつは赤く光らなくなりました。
では一体、あの赤い光は何だったのか? こたつの熱源は「赤外線」だから赤いって思っていませんか?
コタツの光が赤い理由。正しいのはどれ?
A:温めるのに使用している赤外線の光が赤いから
B:掛け布団の赤い裏地に反射しているから
C:視覚的に温かく感じるよう赤い色をつけてある

正解は…C:視覚的に温かく感じるよう赤い色をつけてある
電気こたつの中が赤く光っているのは、赤外線が赤く見えるからではありません。じつは赤く光る必要はないのですが、赤く光っていたほうが、人が温かく感じるからです。
こたつの中にある電熱線からは、赤外線という電磁波が出ています。ものを温める働きのある赤外線ですが、名前に「赤」がついていても、実は目に見えない光なのです。こたつが赤く光るのは、赤外線とは別に赤い光をいっしょに出しているためですが、それは赤く光っていたほうが視覚的に温かく感じる効果もあるからです。
1957(昭和32)年に発売された電気こたつは当初、ニクロム線を金網で覆っただけでした。1960(昭和35)年に、赤外線ランプを使った電気こたつが登場。見た目にも温かい赤い光と、赤外線によって血行がよくなるというキャッチフレーズで普及が加速していったのです。
電気は明かりをつけるだけでなく、下のイラストのようにものを温めるなど、さまざまなことに活用されているんですね。

「ブランコが1往復するのにかかる時間はどっちが長い?」


公園の遊具といえばブランコですね。
その歴史は古く、紀元前十数世紀の古代インドではすでに豊穣多産をもたらす祭礼具として使われたといわれています。そして日本には中国から伝来し、秋韆(しゅうせん)という名前で、平安時代初期の朝廷や貴族の間で遊ばれていたそう。
では、ここでクイズ!
AとBは同じ女の子が同じブランコに乗っているイラストです。Aは小さく揺れ、そしてBは勢いよく大きく揺れていますね。
大きく揺れているほうが、1往復するのに時間が長くかかりそうですが……ここにはふしぎな法則が働いているのです。
さて正解は?
正解は…どちらも同じ!
意外にもブランコが1往復するのにかかる時間は、振れ幅が変わっても変わりません。
下のイラストのように糸や棒におもりをつけた振り子が1往復するのにかかる時間は振り子の長さによって決まります。振り子の長さが長いと、1往復する時間も長くなりますが、振り子についているおもりの重さや振り子の振れ幅が変わっても、振り子が1往復する時間は変わりません。
これを「振り子の等時性」といいます。

振り子の等時性は、音楽で使うメトロノームにも活用されています。メトロノームのおもりの位置を変えると、振り子の長さが変わって、メトロノームの振れる速さを変えられます。
耳の聞こえなくなった作曲家ベートーベンは、メトロノームを目で見て、曲の速さをはかったといわれています。

小学生のためのドラえもん ふしぎ!理科図鑑
ドラえもんのマンガとともにクイズで楽しく学習できると評判の『小学生のためのドラえもん図鑑』シリーズ第3弾。小学校で習う理科の単元から最新の科学技術まで紹介しています。監修を担当したのは筑波大学附属小学校の富田瑞枝先生。
「本書の中にはたくさんの『ふしぎ』がつまっています。その『ふしぎ』を楽しみながら、自然の世界を知ることに役立ててください。そして、本物の自然や実物にふれることも大切にしながら、自分の世界を広げていってください」(富田先生)。
好奇心をくすぐる、身近な「ふしぎ」クイズが満載!
「水で濡れた洗たくものがかわくのはなぜ?」というクイズにはAとBの2つの答えを用意。線をたどった先にあるのは、正解か、ハズレか? ドラえもんたちとともに、本を見ながら親子でわくわくクイズが楽しめます。解説文にある「水蒸気」「日光」など大事な語句や、重要なポイントについては赤い文字で紹介されています。

ぜひお子さんと、ドラえもんたちが出題するクイズで、たくさんの「ふしぎ」を楽しんでください。
『小学生のためのドラえもん図鑑』シリーズ第3弾!
「ドラえもんと一緒に科学のふしぎを学ぼう!」をテーマに、理科の基本が凝縮された1冊です。
構成/国松 薫
Ⓒ藤子プロ・小学館/2025

