人なつっこすぎる5歳の娘。周囲に迷惑をかけているのではと気になって……【愛子先生の子育てお悩み相談室】

子育ては日々悩みの連続ですね。保育者歴半世紀あまり。常に子どもに寄り添い、ママたちからの信頼も厚い自主幼稚園「りんごの木」の柴田愛子さんが、豊富な経験を基に、悩めるお母さんにアドバイス。

5歳の娘は知らない人に話しかけることが好きで、公園や歯医者さんなどの待ち時間に、よく自分から話しかけています。本人はとても楽しいようで、特に小さな赤ちゃん連れのママやパパに話しかけて、赤ちゃんを触らせてもらったりして喜んでいます。何回も「もうそろそろ行こうね」と言い、やっとその場を離れますが、また追いかけてその子の所まで行き、「タッチしよう」などとしつこくしてしまうのがとても気になります。

「ママが行こうねって言ったら終わりにしようね、赤ちゃんもお腹が空いちゃうし、ママも忙しいよ」などと何度も言っていますが、その場面になると変わりません。 お相手のママにご迷惑では、また、うちの子がしつこくして、変わった子だと思われてるかな、などと考えてしまい、とてもイライラしてしまいます。

先日もなかなか終わらないので、繋いでいた手に力を込めてギュッと握ってしまいました。娘はとても驚いた顔をしていました。娘に私の気持ちをどう伝えたらいいでしょうか?

話して聞かせるよりも「手をギュッと握る」ほうが思いが伝わります。あなた自身も視点を変える工夫をして

人なつっこくて、楽しいお子さんですよね。
今は人に対しての警戒心を小さいときから教え、自分を守ることばかり。厚い鎧を着て、群れて暮らしている不思議な状況になっていると思います。私の子どもの頃でしたら、まったく気にならないお子さんだと思いますが、時代の流れの中で目立ってしまうのでしょう。

その場になると自分の気持ちが優先して、頭で知っていることが飛んでしまうのです。実はそれが子どもです。
もし、相手の方に声をかけられるようなら「すみません、気に入ってしまったようで。お急ぎですよね?」と聞くのも一つだと思います。

娘さんの手をギュッと握ってしまう。話して聞かせるより、このやり方の方がいいです! 言葉より思いが伝わります。私も使います。娘さんもギュッとされたらやめようと思えます。

たぶん、あなたが思うほどむすめさんは傷ついていないと思います。困ったなぁとは思っているでしょう。でも、自分も変えられないし、親の思いを引き受けるしかできないんです。だから、冷静になったら「言い過ぎ、ごめん!」とシンプルに。

お母さん自身も気持ちや視点を変える工夫をして

あなたの気持ちを引き受けてくれる人もみつけられるといいですね。

わが子の特徴や癖が気になってイライラ、さらに周囲の方からどう思われているのかが気になって仕方がなくなったら、たぶん、ご自身にゆとりがなくなってきているのではないですか?

気になればなるほど、子どもとの関係は、ギクシャクします。子どももお母さんが嫌がることは感じますが、どうにもならないのです。治せるものではなく、それがやがて、いい性格として活きることだってあるでしょう。

そこで、あなたの気分を変える、視点を変える、子どもから目をそらす方法を考えてみましょう。

・自分が夢中になれることをみつける。それに没頭しているときは、子どもをほっておく。
・物理的に離れる時間を作る。たまには夫に任せて自分で時間を過ごす。
・5歳だから保育園か幼稚園に行っているんですよね。延長とかを使っていますか? そこの先生にも園での様子を含めて、相談するといいです。
・夕飯は母子でなく、もし、気心知れた友人がいるならその母子に頼んで一緒に食べる(りんごの木でも同じような方がいて、一緒に食べる日を作りました)。ただ、毎日とはいきませんものね。
・向き合わずに横並びで食卓に着く。
・実家が近いなら活用する。

少しゆとりができると、不思議とこんな声も聞こえてくるでしょう。

「お宅のお子さんはだれとでも仲良くなれていいですね。家の子は引っ込み思案で、近づきもしないでにらんでいるだけなんです。うらやましいわ」ってね。子育てって、修行のようなものですね。目をそらしながら、わが子を引き受けていくしかないかもしれません。

記事監修

柴田愛子|保育者・「りんごの木」代表

保育者。自主幼稚園「りんごの木」代表。子どもの気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて半世紀。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた 春夏秋冬』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。親向けの最新刊に『保育歴50年!愛子さんの子育てお悩み相談室』(小学館)がある。

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