親子でアートを楽しむ方法を紹介している「リトルアーティストリーグ」です。筆者は、よくこんな相談を受けることがあります。「子どもにはさまざまなことを知ってほしいけれど、アートってどう触れさせたらいいのか分かりません」と。そんな方には、この「小学館あーとぶっくシリーズ」をおすすめします! 絵本の最初には興味を持てるような視点が紹介されていたり、たくさんの作品も掲載されているので、自然と興味が湧くはず。今回は、子どもたちに日本人の感性を育てる「小学館あーとぶっく16 広重の絵本 遠くへてくてく」をご紹介します。
「小学館あーとぶっくシリーズ」とは?
30年近くファミリー世代に愛される小学館を代表する、こども向けの大型アート絵本。累計80万部にものぼる「小学館あーとぶっくシリーズ」の人気の秘密は、既刊『ピカソの絵本』『ゴッホの絵本』など世界の名画版などもあり、ラインナップが絶妙な点。有名作家の作品が一堂に介しており、様々な作品を観ることが出来ます。初めは、興味ある作品から手にとってみて。全巻読破する頃にはアートマスターになっていること間違い無しです!
「小学館あーとぶっく16 広重の絵本 遠くへてくてく」を親子で楽しんでみた!
この絵本は、浮世絵師歌川広重の代表作「東海道五十三次」を知ることができます。また、宿場町(しゅくばまち)は今もなじみのある駅名が登場するので、地図をたどりながら楽しめました。日本橋から始まり、品川・小田原・箱根・四日市と東海道には53の宿場があります。鉄道がなかった時代に人々がどのように旅をしていたのか、また四季折々の風景や生活の様子がみて取れます。赤ん坊を背負ってお団子を出すママや、海に浮かぶ船、空に浮かぶ凧など現代に通じながらも、どこが違うかな?と細かくみていくと子ども達は次々と発見。たっぷり楽しめました。
「あいさつ言葉」や「絵探し遊び」が楽しい!
日本橋から京都まで‟てくてく”歩いていくストーリーの中に「おはよう」「いってきます」「ありがとう」「どうぞお先に」などあいさつ言葉がたくさん出てくるので、声のトーンを変えて読み聞かせると子ども達も大喜び。
また、昔の人は、自動車も飛行機も新幹線もないので、雨の日も、風の日も、てくてくてくてく。そんな様子を伝えつつも、飽きない仕掛け「遠くにひのみやぐらが見えるね」「もの売りの人たちが魚や野菜をかついで動きだしている」「おしりしか見えないワンちゃんにもおはよう」という風に、絵全体の中から一部を切り出して紹介してくれているので、子どもも夢中になって‟探し遊び”をすることが出来ます。
勉強になる、マメ知識付き
見開きの下の部分には、大人が思わず「へ~!」と頷いてしまう、情報も紹介されているので、親子で浮かんだ疑問が結構解決され、より深く楽しめました。
「浮世絵」が学べる見比べできる作品も!
この「小学館あーとぶっく16 広重の絵本 遠くへてくてく」には、「東海道五十三次」の掛川(かけがわ)2作品を見開きで紹介しています。当時、人気のある「浮世絵」は何度も摺られたとのことで、実際に見比べてみると、色合いが違い理解が深まりました。
また、巻末には‟広重と名所絵”の詳しい説明も。「広重の『東海道五十三次』とは」「『東海道五十三次』の楽しさ」「世界の人が知っている広重」と気になるコンテンツが満載。親子でじっくり読み込んでみてください。
広重の代表作「東海道五十三次」を観ながら、
日本橋から京都までてくてく歩いていきます。
様々な宿場町(しゅくばまち)が登場します。
今もなじみのある駅名が登場するので、鉄道好きのこどもにもおすすめ!
教えてくれたのは、LITTLE ARTISTS LEAGUEのメンバー。
LITTLE ARTISTS LEAGUEは母になった、アーティストママが立ち上げた、
親子へ向けた、本気でアートをやっていく活動団体です。
構成・文/HugKum編集部