子どもの「食」にはなにかと頭を悩まされるもの。3歳ぐらいになると色々なことが分かるようになり、じぶんでできることも増える反面、かえって手の掛かることもあるのではないでしょうか。
今回は3歳の子どもの食事の特徴や、一回の食事の摂取量・食事にかかる時間の目安をご紹介。さらに、ごはん中にありがちなお悩みと解決策をまとめました。
目次
色々なことができるように! 3歳児の食事の特徴
3歳くらいになると、できるようになることがたくさん。食事においても様々な発達が見受けられます。まずは、3歳児の食事の特徴をご紹介します。
食事のあいさつやマナーが身につく
家族と食卓を囲むことで、「いただきます」「ごちそうさまでした」の挨拶や姿勢など、食事時の基本的な習慣やマナーを身につけるようになります。大人がお手本を見せてあげるようにしましょう。
味覚をはじめ、五感が敏感に
少しずつ五感が発達し、味や食感、匂いをより楽しむことができるようになる3歳。同時に、自我が芽生える時期でもあり、食べ物の好き嫌いがはっきりしてくる子も多くなります。新しい味付けや調理法、好き嫌い対策への工夫にも精が出ます。
食事の自立への第一歩
3歳にもなると、手指が発達し、フォークやスプーン、おはしが次第に上手に使えるようになります。ママやパパに手伝ってもらっていたこれまでとは異なり、「自分で食べたい」という意欲が生まれ、多くの子が食事の自立への第一歩を踏み出す時期でもあります。
栄養バランスを意識! 3歳児の食事量や献立の注意点
では、3歳の子に必要な食事量や、献立のポイントは? 食事の準備時に気をつけておきたいポイントをまとめました。
3歳児の食事量・カロリーの目安
3~5歳に必要な1日の食事量は、大人の半分より少し多めの2/3程度。カロリーなら、男の子は1300kcal、女の子なら1250kcalが必要とされています。
3歳児向け献立のポイントと注意点
栄養バランスを意識して、毎食、主食・副菜・主菜を揃えるのが理想的。噛む力や消化機能はまだ未熟なので、大人が食べるよりもやわらかめの調理がおすすめです。そろそろ食感を楽しむことができるようになるので、短冊切り・乱切りなど、食材の切り方にもバリエーションを加えてみるのも◎。味付けは控えめに、塩分を摂りすぎないよう気をつけましょう。
1回の食事にかかる時間はどれくらい?
子育てをしていると「ウチの子、食べるの遅すぎ?」「これってダラダラ食い?」などといった、お子さんの食事にかかる時間の目安も気になるところ。実際、多くのご家庭ではお子さんの食事にどれくらいの時間がかかっているのでしょうか。アンケートに寄せられた回答をご紹介します。
Q.お子様の食事にかかる時間はどれくらいですか?
1位が20〜30分未満(37.5%)、2位が30〜40分未満(36.7%)ともっとも多い回答。次いで、3位が40〜50分未満(11.7%)、4位が50〜60分未満(7.5%)、5位が1時間以上(5.8%)という結果に。
3歳児の1回の食事時間はどれくらいが理想?
3歳くらいの子どもは長くても30分程度しか集中することができないこともあり、食事にかかる時間の目安は30~40分程度といわれています。
もちろんお子さんによって個人差はありますが、食べやすく調理してあげたり、食事に集中しやすい環境を整えてあげたり、目安時間に収まるように工夫してみましょう。
3歳児の食事はどうしつける? お悩み別・解決策まとめ
食べ物をこぼしてしまったり、食事中に遊んでしまったり、子どもの食事にはなにかと手間がかかるもの。では、食事の際のしつけはどのように行えばいいのでしょうか?
アンケートに寄せられたママパパたちからの回答とあわせてご紹介いたします。
ご飯をあまり食べないときは
子どもがなかなかごはんを食べてくれないときは、単にお腹が空いていないのかも。おやつの時間をずらしたり、運動の時間を増やしたり、食事の時間にはお子さんのお腹が空くようにしてあげましょう。アンケートには、「時には好きなものを作ってあげる」「食べさせてあげる」といった声も寄せられました。
それでもあまり食べてくれないときは、一回の食事量を気にしすぎず、母子手帳の成長曲線などを参考に発育状況をチェックするようにしましょう。
「体をたくさん動かして、お腹を空かせる。ごっくんするまで次のものを入れないように注意させる。」(30代・茨城県・子ども2人)
「少しでも食べてくれるように食べさせてあげたり、子供の好きなものを作ったりする」(30代・愛知県・子ども1人)
ご飯中に遊んでしまうときは
食事中に遊んでしまうのは、おなかが空いていないから、もしくは集中力が切れてしまうからかも。近くにおもちゃがあったり、テレビがついていたりすると気が散ってしまいがち。おなかの空き具合を調整してあげると同時に、ママパパがいっしょに食卓を囲んで、食事を集中して楽しめるような環境を整えてあげましょう。気が散ってしまうので、食事時はテレビの電源はオフに。
「食べ物で遊んでしまう事がある。 遊び始めたら、一度、注意して、それでもやめなければ、食事を終わらせる。」(30代・岩手県・子ども3人)
「テレビはつけない、忙しくても一緒にテーブルにつくようにする」(40代・北海道・子ども3人)
好き嫌いをするときは
イヤイヤ期が続いていたり、自我が芽生えはじめたり……。さらに、味覚も敏感になり、3歳は好き嫌いがはっきりとしてくる時期。味付けを変える、細かく刻むなど工夫して、根気強く向き合ってあげましょう。嫌いなものでも食べてみたくなるような絵本を活用しているママパパも多いようです。
「すりおろして食べやすくしたり、マヨネーズやケチャップなど、子供の好きな味付けで出すようにしている。」(30代・埼玉県・子ども2人)
「食べない野菜は刻んで卵焼きか挽き肉に混ぜ込み、何が入っているか本人に伝える。」(30代・神奈川県・子ども1人)
食べるのが遅いときは
食べるのが遅い要因は、お腹があまり空いていなかったり、噛んだり飲んだりが遅かったりとさまざま。食事の環境を整えてあげることと同時に、ごはんを食べやすい形に調理してあげることも大切です。また、準備の際、簡単なことを手伝ってもらったり、いっしょに台所に立たせてあげたりすることで、料理への興味が深まり、食が進むことにも繋がるかも。食べる速度はお子さんによって差はあるので、無理に急かさず、根気強く応援してあげましょう。
「根気よく声がけをして、食べるまで待つ」(30代・青森県・子ども3人)
「早く食べないと食後のフルーツないよって言う」(30代・広島県・子ども3人)
食事が楽しい&大好きな時間になるように家族で工夫を
食事は栄養を摂るだけのものではなく、親子のコミュニケーションの機会でもあります。しつけももちろん大切ですが、まずはお子さんにとって食事が楽しく大好きな時間になるように工夫してあげましょう。
家族といっしょに会話をしながら食卓を囲むことは、楽しさや安心感を得られるだけでなく、食の知識やマナーを学ぶことにも繋がるはず。
構成・文/羽吹理美