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子どもの食事にかける時間の目安はどのくらい?
もちろん個人差はありますが、集中力の持続時間は乳児・幼児で長くても10分、少しずつ伸びてはいくものの、小学校中学年くらいになっても30分程度といわれています。集中力が途切れてしまうとだらだら食いがはじまり、食べることや席に着いていることが苦痛になってくる子も。1回1回の食事にかける時間を、集中力の持続時間内におさめるのが理想的です。
Q.お子さんの食事を食べるペースは遅いと思いますか?
HugKumでは、2~12歳の子がいるママやパパ122人に子どもの食事のペースについてアンケート調査しました。食事を食べるのが遅いと思うかの設問に「思う」の回答が45.9%と半数近い結果となりました。
子どもの食べるのが遅い原因は?
では、具体的にはどのようなことが原因で、子どもの食べるスピードは遅くなってしまうのでしょうか。ママパパたちが実感しているその原因もアンケートでお聞きしました。寄せられた回答を厳選してご紹介いたします。
テレビ
まず挙がった原因が「テレビ」でした。幼い子どもにとって、テレビから流れる音や映像はとても刺激的。食事中にテレビがついていると夢中になって観てしまい、お箸を持つ手が止まってしまうという子が多いようです。
おしゃべりしてしまう&遊んでしまう
食事は家族との団欒を楽しむ場でもあります。ですが、なかにはおしゃべりに夢中になってしまって、ごはんが全然進まない子もいるようです。まだ幼い兄弟・姉妹がいるご家庭では、子どもたちがお互いにごはんそっちのけでおしゃべりに興じてしまい、ついには遊びはじめてしまうなんてパターンも。
食事に集中できていない
テレビやおしゃべりの他にも、食事中の子どもの気を散らしてしまうものはさまざまにあります。たとえば、近くに子どもの目を引くものが置いてあったり、椅子やテーブルの高さが適当じゃなかったりするだけで、集中力が散漫に……。
好き嫌いがある
「好き嫌い」も、子どもの食べるのが遅くなってしまう大きな理由のひとつ。苦手な食材が入っていると、それだけでなかなか食が進まなくなる子が多く、一口食べてもらうにも苦労しているママパパは多数。
食に興味がない
なかには、好き嫌い以前に、お子さんの食への興味が薄いために、食べるのが遅くなっていると感じてるママパパも。そもそもの食が細いことや、間食の量やタイミングによってお腹が空いていないことなども、食に興味を持たない原因として考えられます。
食事を楽しめるようママパパたちが工夫していること
ここまでご紹介してきたように、子どもの食べるのが遅いことにはさまざまな原因があるようです。だからといって、叱るのはNG。そのたびに叱ってしまうと、子どもが食事に「つらい」という意識を持ってしまう可能性も。
では、食事を楽しんでもらうために、ママパパたちはどのような工夫をしているのでしょうか。アンケートに寄せられた回答をご紹介いたします。
食べるときはテレビを消す
大人はテレビを観ながらでも食事ができますが、まだ幼い子どもは一度に複数のことに注意を向けられません。お子さんがテレビに観入ってしまって食事に集中してくれない場合は、やはりテレビを消すことが一番の対策。観たい番組がある場合は録画をしてあげたり、食事時間をずらしたりと工夫しましょう。
子ども同士の席を離す
兄弟・姉妹でおしゃべりや遊びに夢中になってしまい食事が進まない場合は、お互いの席を離してあげるのが先輩ママパパたちのおすすめ。大人が間に入ってあげることで、おしゃべりもほどほどに食事をもっと楽しめるはず。
気が散るものを遠ざけておく
子どもの集中力はちょっとしたことで途切れてしまいます。おもちゃなど、食事と関係ないものはできるだけ遠ざけて、視界に入らないようにすることも大切です。
子どもが食べやすい献立を工夫する
まずはとにかく食べる楽しさを覚えてもらうために「子どもの食べやすさを重視して調理している」という回答も寄せられました。具材を小さく切ってあげたり、思い切って苦手なものは避けてあげたり。楽しい食事を重ねるうちに、好き嫌いが多い子や食に興味がない子でも、自然とぱくぱく食べられるようになるかもしれません。
食後の楽しみをつくる
食後に楽しみがひとつあると、だらだら食いにもメリハリがつくという意見もいただきました。楽しみの内容はお子さんによってそれぞれ異なりますが、デザートや遊びなど、食事の時間をわくわくしながら過ごせるような食後の楽しみをつくってあげましょう。
食事の時間までにお腹を空かせる
お腹があまり空いていないことも、お子さんの食がすすまない原因になり得ます。食事の時間までにはお腹が空くように、間食の時間・量を調整しておくと、空腹がなによりのスパイスになり食も進むというアドバイスもいただきました。
食べるのが遅い子、病気を疑う必要はある?
さまざまな工夫を凝らしてもなかなか食べるスピードが改善されないと、もしかして病気なのでは? と心配になることもあるかもしれません。以下では、子どもの食べるのが遅いことと病気の関係を解説いたします。
単なる好き嫌い? もしかしてアレルギー?
特定の食材を受け付けないことが食べるのが遅い原因になっている場合、単なる好き嫌いだけではなく、「〜を食べるとかゆくなる」「〜を食べると喉が痛くなる」といった、アレルギーや体質的な理由がひそんでいることもあります。お子さんの体調に異常があらわれた際には、食べさせるのをやめて速やかに医師に相談しましょう。
発達障害の疑いは?
集中力の散漫さや偏食が食事の遅さの原因になっていると、発達障害があるのではと考えることもあるかもしれません。実際に、発達障害がある子どもは、偏食をはじめ、食事時に様々な困難を示すといわれています。とはいえ、偏食や、じっとしていられないのも子どもにはよくあること。また、食べるのが遅いことには、性格や唾液量の少なさなども関係します。
心配しすぎる必要はありませんが、気になる場合は専門家に相談することをおすすめします。
急がずあわてず、少しずつ食べる楽しさを教えてあげる
食事は成長に直結するものだと思うからこそ、気になることがあるたびに心配になってしまうもの。とはいえ、心配もしすぎると、お子さんもママパパ自身もお互いに疲れ果ててしまいます。時には、食べる速度も個性のひとつとして、おおらかにとらえてあげることも大切です。ご紹介した先輩ママパパたち実践の対処法を取り入れつつ、急がず慌てず、すこしずつ食べる楽しさを教えてあげましょう。
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構成・文/羽吹理美